2017年08月04日

FUJI ROCK FESTIVAL'17@苗場/7.30 Sun

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昨日、一日券のリストバンドをつけて代々木公園にでも行くような格好でグリーンで雨に打たれていた若いカップルは、仲違いしないで帰るべきところに帰れただろうか。でもね、疲れた身体に宿る高揚した精神こそがロックなんだよ。まあそれで幸せになれるかどうかはまた別として。

RON SEXSMITH @GREEN
最近では新譜をチェックすることも怠けてしまっているけれど、小さなあきらめとやわらかな希望を真正面を向いて歌う声を聴いていると、90年代の近い時期に一緒に世に出ていったエリオット・スミスやジェフ・バックリーのことなどどうしても思い出してしまう。すべてを生き抜いた妖精は、たぶんステージの彼のような姿で現れるのだろうと思う。

DYGL @ RED MARQUEE
EDENの時にちょっとだけふれた、あらかじめ水平につながった世代ゆえの是々非々のうち、関係性の構築から始めることをあてにしない風通しの良さこそは完全に世代の是であって、全曲英詞なのもそれが自然だからというただそれだけの理由なのだろうし、だからこそあらかじめの文脈や血脈から離れた自然な音楽としてワタシは彼らを愉しめるのだと思う。年齢層の高いフジの客の中でもとりわけ若い衆がつめかけていたのも良かった。自分たちのバンドがあるのは幸せなことだよ。

JET @GREEN
なぜみんな、髪を伸ばし髭を伸ばしウォーレン・エリスのようになりたがるのか。最近とみに視力が落ちているワタシには、ここのフロントとファザー・ジョン・ミスティの区別をつけることはむずかしい。全く関係ないが、ウォーレン・エリスはまだ52歳である。

SLOWDIVE @ RED MARQUEE
2014年には見られなかったのでこれが人生初slowdive。シューゲイザーはなまじムーヴメントとして祭り上げられたせいで無理やり幕引きされてしまったのだけれど、やはりこれは永遠に“ボクたちのウォール・オブ・サウンド”であって、情動に直結する機能性音楽としていまだ完璧に前線の音として鳴っていたし、あんなにキラキラと弾む”Crazy for You”が聴けるなんて本当に思ってもみなかったよ。

TROMBONE SHORTY & ORLEANS AVENUE
今年これまで何が足りてないかといえばそれはファンクだったわけで、餌の匂いを嗅ぎつけた客ががっつくことこの上ない。もちろんDirty Dozen Brass Bandなんかに比べたら腰は軽いけど、それが無責任をうまいこと煽ってくれてようやくここで花火があがった感じ。

THUNDERCAT @ FIELD OF HEAVEN
例えば、冒険家がその偉業を達成する足跡をとらえたドキュメンタリーフィルムにおいて、真に讃えられるべきはそのカメラマンなのではなかろうかというその同じ気分で、途中からドラマーのジャスティン・ブラウンから目が離せなかったのである。すさまじい手数にもかかわらずその一発一発は撃ち抜くように重たくて、それらをバスドラにまとめて乗っけては蹴散らして解放するそのグルーヴの快感をワタシ風情が言葉にするのは到底無理にちがいない。などと呆けながら我に返るとそこではサンダーキャットがくるくる回りながら、光速の音数をシルキーに溶かしたベースラインと天上の歌声で紡いだ羽衣をふわぁっと広げては、突き抜けていくリズムを笑いながらくるんでいくのである。こういう風にうなじがドクドクと脈打ちながら同時にチルアウトしていく多幸感はこれまで味わったことのない感覚で、できれば彼岸の出迎えはこれくらい派手にやってもらいたいものだなあと思いながら、もう動かない足をひきずってはヘラヘラとうごめいていたのである。

お前らごとき愚民風情がたかをくくった生き方なんぞをしたら、なおさら目もあてられない始末だろうがよお、とリチャード・D・ジェームスに鼻で笑われ唾されて目がパッチリと醒めたので、あの苗場大空襲の夜を忘れることなくこの1年を過ごしていこうと思います。ありがとう、エイフェックス・ツイン!


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2017年08月03日

FUJI ROCK FESTIVAL'17@苗場/7.29 Sat

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目当てのとぼしい午前中をみはからって、そぼ降る雨の中ドラゴンドラで天上へと向かう。まだ時間も早かったこともあって頂上からのゴンドラには誰も乗っていないことが多く、すれちがうそれらをぼんやり眺めながら、次に来るゴンドラには1人だけ乗っているけれどガラスによりかかったままぐったりと動かず、次のゴンドラには2人乗っているけれどなにやら1人がもう1人におおいかぶさっており、次に来るゴンドラでは2人が1人を抑え込んでいて血しぶきが飛び散ったガラスごしに断末魔の表情だけが見え隠れし、ここに至って頂上では何やら人間ならざるものによる殺戮が行われているのではないかという確信に近い疑念が頭をもたげてくるものの、ワタシが乗ったこのゴンドラは粛々とその真っ只中へと向かっていくのだ、というまだみぬゾンビ映画のオープニングなど夢想してみたのであった。阿呆である。

WESTERN CARAVAN @ FIELD OF HEAVEN
既にそぼ降るなどとは言っていられない篠突く雨の中、ゴアテックスに身を包んで乾いたカントリーミュージックの陽気なフィドルに身体を揺らす時間がこの先の人生にふたたびあるとは思えないわけで、そんな中であってもアメリカの楽観性についてまわる感傷が光景として瞬時に浮かぶカントリーミュージックの機能性にあらためて恐れ入ったのであった。とは言えやはり、青空の下で砂埃が舞う中、見よう見まねで陽気なふりなどしてみたかったなあと確かに悔いは残る。

THE GOLDEN CUPS @ FIELD OF HEAVEN
サポートドラマーのグリコ氏が最年少というそれが当たり前なバンドだし、エディ藩は終始冗談めかした口調を止めないのだけれど、時折異常にソリッドな切っ先で切り込んでくるそのストラトとそれに瞬時に反応してブーストさせるルイズスイス加部のベースラインには思わずため息なども出てしまうわけで、ああ、ジョニー、ルイス&チャーを苗場で見たならおそらく鼻血が出てしまうにちがいないというところまで瞬時に妄想してみたりもしたのだった。

THE AVALANCHES @GREEN
やまない雨に少しうんざりしはじめたこちらの心持ちもあったのか、バンドセットの割に緩急自在が縛られた若干の単調にいささか棒立ち気味。ハートがTHE CLASHなのは確かに届いたんだけど。

CORNELIUS @GREEN
例えば映画のネットオンリー配信なんかも革新されたプラットフォームとして新陳代謝されていくのをまったく否定はしないけれど、家を出て電車に乗って映画館に行ってチケットを発券して、大勢がいる中で自分の席に座るっていう段取りの手ざわりがやはり体験を個人的に刻んでいくわけだし、音楽のデジタルリリースに対してCDやレコードをフィジカルって呼ぶのがなんだか好きなのは、自宅に持ち帰ったあるいは届けられたパッケージから取り出したディスクを自分の部屋の装置にセットして再生する時の、そこにある“自分”の介在こそが手ざわり(=フィジカル)を体験に変える儀式でもあるからで、あくまで肉体的な引用と注釈で精神の白い部屋を作り上げる小山田圭吾のステージにどうしようもなく共感して心奪われてしまうのは、やはりそうした抜き差しならない手ざわりへの共振なのだろうと考える。そしてそれはラストまでとっておかれた「あなたがいるなら」で切々とした希望として吐露され、手をのばすことをまったく堂々とてらいなく訴えていたのだった。小山田圭吾が。

APHEX TWIN @GREEN
雨に打たれ続けた一日の終りに待っていたのは、精神を爆撃して焼け野原にする強制デフラグ、あるいは荒んだ心を廃液で洗うルドヴィコ療法ショウだったのである。筆舌に尽くしがたいとはまさにこのことで、あの日あの時にあの場所でノイズとレーザーとストロボと松居一代になぶられた続けた者でない限り、もはや護摩修行とさえ言えるあの90分の記憶を分かち合うことは不可能だろう。最後の10数分、すべての音がミュートされ全身の感覚が消えたように思える瞬間があって、アルタード・ステーツが始まるのかと思った。
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2017年08月02日

FUJI ROCK FESTIVAL'17@苗場/7.28 Fri

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豊洲からの皆勤なので今年で20回目となるフジロック。越後湯沢の駅に降り立ったとたん、つい先月にもここに来たような錯覚にとらわれるどころか、既に帰りの新幹線を待つホームの倦怠まで夢想する始末でオッサンのせっかちはなんとも始末が悪く、そんな訳知りを矯正する3日間とすべくシャトルバスに乗り込む。

DOCTOR PRATS @WHITE
MANU CHAOやFERMIN NUGURUZAといったスペインの偉大な先達に連なる戦闘的なミクスチャーバンド、となればWHITEの無骨は絶好の空間で、まだまだ満タンの燃料抱えた客の後先かえりみない大騒ぎに、ああ苗場に来たんだなあと腕組みを解いてみたのだった。

原始神母 @FIELD OF HEAVEN
どうしてワタシはここで「吹けよ風、呼べよ嵐」や「エコーズ」を聴いているのかさっぱりわからない。そしてそのステージ中央でチョーキングをきめているのがSHAKEなのかもさっぱりわからない。しかしワタシがわからないだけで、バンド自体は凄まじくわかっているのだろうことは門外漢のワタシにすらわかるのであった。これこそ今はなきオレンジの香り。

RAG'N'BONE MAN @GREEN
音も姿もまったくの初見。確かにシンガーソングライターには違いがないだろうけど、例えば今のトム・ウェイツをそう呼ばないのと同じ意味で、ブルーズやラップ、ソウルミュージックを横断する全体性みたいな存在感に少し驚かされた。非常にタイトで音数の少ないバンドの演奏も凄みを強めていて、こんな人が31才になるまでどうやって世界と折り合いをつけていたのか不思議でならなかった。

EDEN @RED MARQUEE
ダブリナーのメランコリーゆえか、逆説的に名乗る楽園の蒼さに親密さが湧く。しかし、21歳にしか鳴らせない通過儀礼の曖昧で不定型な美しさに閉塞感はなく、それはあらかじめSNSで世界とつながった世代ゆえの是々非々(とあえて言う)なのかもしれないなとも思う。

GALLANT @RED MARQUEE
感情をぶちまけつつ、しかしそれをまたつかまえようと腕をばたばたさせて抑えがたくステージを動き回る様は、なんというか宮本浩次のようであった。にも関わらずいっさい乱れることのないファルセットに、フェスだろうが野外だろうが暑かろうが寒かろうが、弘法筆を選ばずという芸の凄みにまずはやられる。

FATHER JOHN MISTY @ FIELD OF HEAVEN
ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズの、サウンドではなく在り方というか立ち方みたいなものがロールモデルになっているのだろうかと思えばこそ冷え冷えとしかし熱く体に沁みてくるわけで、曲終わりの静寂をかき消すようにがなり立てる外国人観客の声に「ああ、どこにいってもイングリッシュアメリカンが騒がしいね、彼らを代表してお詫びするよ、Silence makes us nervousなもんだから」なんていうMCが今も記憶に残る。

THE xx @GREEN
このバンドはデビューの時から最新のニューウェーヴとして聴いていたし、それはYoung Marble Giantsの嫡子としてだったりもするので、ロミーがヴォーカルをとっている姿を見ているだけでもう何かかけがえのないものをもらっている気分になってしまう。だから今夜も胸がいっぱい。

QUEENS OF THE STONE AGE @WHITE
いまや針の穴でも通すようなコントロールでしか投げ込めない"ROCK"のストライクゾーンに、しかも1時間のあいだそのど真ん中にストライクを投げ続けるバンドに度肝をぬかれ、それを可能にするジョシュ・オムのクロスロードで悪魔と契約したかのような、オレはもうすべてを見たから死ぬまで目をつぶっていてもいいんだとでもいう安らかな笑顔のままつばを吐き、髪をとかし、腰をくねらせるその一つ一つから目を離すことなどできるわけもなく、この一日で見た中で最も人間そのものを更新していたその姿に畏怖し崇めてみたワタシは、法悦の笑みをうかべて足の痛みもかまわず止まらぬ早足でホテルへと向かう。Runnin' with the Devil


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2017年07月26日

FUJI ROCK FESTIVAL '17展望

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7.28 Fri
グループ魂
DOCTOR PRATS
原子神母〜PINK FLOYD
ROUTE 17 Rock'n Roll ORCHESTRA
GALLANT
ヒカシュー
FATHER JOHN MISTY
THE XX
RHYE
QUEENS OF THE STONE AGE
GORILLAZ

7.29 Sat
THE RAMONA FLOWERS
KYOTO JAZZ SEXTET
WESTERN CARAVAN
THE GOLDEN CUPS
CHRONIXX
THE AVALANCHES
DEATH GRIPS
CORNELIUS
ELVIN BISHOP
APHEX TWIN
LCD SOUNDSYSTEM

7.30 Sun
RON SEXSMITH
REAL ESTATE
DYGL
MAGGIE ROGERS
LOVE PSYCHEDELICO
SLOWDIVE
BONOBO
LORDE
ÁSGEIR
THUNDERCAT
MAJOR LAZER
G&G Miller Orchestra plays Elvis Presley

とまあ、こんな感じでしょうか。今年はCORNELIUSとELVIN BISHOPの被りが致命的なくらいで、あとはワタシのやる気次第。一度レッドまで下りちゃうと奥地行きはほとんど苦行だし。とりあえずはオザケン待ちのシニアがDEATH GRIPSのコンフリクト・ビートにHP吸い取られる様をニヤニヤしながら見ます。

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2016年07月29日

FUJI ROCK FESTIVAL'16@苗場/7.24 Sun

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1日でWILCOとTORTOISEとSQUAREPUSHERを見た昨日が今年のメインだったので、今日はベビメタ余波でグラスパーさんを心配するくらいしかないこともあり気楽なもんである。ところで、美しい音楽に聴き惚れる人間の心も美しいかというとそうでもないことをいろいろと目の当たりにするのは今に始まったことではないけれど、暑かったり疲れたりすると本性はいとも簡単に顔を出すことを自戒しときたい。

BO NINGEN @WHITE
まったくの初見。勝手にエクスペリメンタルなサイケデリアを予想してたものだから、時折のCOALTAR OF THE DEEPERS的な疾走感はかなり意外だったけれど、ハイプ上等な開かれたメジャー感も含めバンドのフォーカスはやたらとクリアなのでさほど鼻白むこともない。皮肉でもなんでもなく、戦略としてはRIJとかの方がいいんじゃないか。

dCprG @ FIELD OF HEAVEN
このバンドもROVOと共にフジロック奥地系の屋台骨となっていて、解釈と批評のアウトボクシングでブルファイターを倒す快感もなじみながら、今回はかなりブルファイトを仕掛けたなあという印象。ノーメイクの大村氏にベビメタの黒T着たお客さんが熱視線なのもフェスならでは。

このあと諸事情ではちみつぱいをチラ見で済ませたのが悔やまれる。オレンジカフェでしばし休憩したのち、在日ファンクすらを従えたケロポンズを確認し、既にパンパンに膨れ上がりつつあるホワイトにビビり、グラスパーさんで規制がかかったら洒落にならないと前倒しでホワイトに向かう。

ROBERT GLASPER EXPERIMENT @WHITE
実際のところマーク・コレンバーグのドラミングだけ見ていたといってもいいわけで、非常に細かく割ったビートを高速で連ねることによりほとんどシルキーといっても波を生み出し、そこに寄せては返すようなロバート・グラスパーの旋律とのインタープレイは神の気まぐれとでもいう天啓にすら思えたのである。あれがあの世ならあの世に行きたい。

BABYMETAL @WHITE
彼女たちがメタルの原理主義と無縁だろうとかまわないではないか。彼女たちは自分が角兵衛獅子であることを承知しているし、その上で何を成し遂げられるかについてどれだけ真摯でいるかはショー・マスト・ゴー・オンなステージを見ればわかりそうなものだろう。彼女らの歩くニヒルの淵もまたロックではないのか。

KAMASI WAHINGTON @ FIELD OF HEAVEN
かつてグリル・マーカスはギャング・オブ・フォーのライヴをみて、これがロックの未来なら僕は未来を待ちきれない、と言ったけれど、そうした意味でこれがジャズの未来なら、その未来は思いのほか自分と近しいところを走っていることに気づかされるような、精神の感応と肉体の快感のバランスをあわせもった、かといってそれは中庸ということではまったくなく、そのために巨大化された外枠のサイズにまずは圧倒されるわけで、その前置きや手続きを必要としない話の早さからすれば、ロバート・グラスパーのスロットと逆であったならなおのことジャズの布教が痛快かつ爽快になされたのではなかろうかと思ったりしたのである。"Henrietta Our Hero" の噛みしめるようなメロウに、泣いたらいいのか微笑んだらいいのか混乱してぐちゃぐちゃになった。

電気グルーヴ @GREEN
ふと大写しになった卓球の笑顔の隙間や、笑顔だけは貼りつけたまま次第に動きが鈍っていく瀧に、彼ら自身が背負ってきた20年という時間への倦怠をにじませつつ、その本心の動機など明かすつもりなどないにしろ、俺達には俺達なりの責任があるんだよとそれを茶化すこともせずに望まれたことをきっちり倍返しする偏執にこそあらためて恐れいったし、5時の鐘がなっても家に帰りたくないなら俺達と踊ってろという宣言のてらいのなさに男気すらを見た気がしたのである。もう来年からクロージングはずっと彼らに締めてもらうしかないのではなかろうか。満面の笑みで、まだまだいけるぞフジロックと歌ったのはキミらなのだから

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2016年07月28日

FUJI ROCK FESTIVAL'16@苗場/7.23 Sat

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SQUAREPUSHER @WHITE

午前中は目ぼしいステージがないのでドラゴンドラで天上へと向かう。草上をたゆたう人々をソフトクリームをなめつつレストハウスの窓ごしに眺めていると、あまり飛ぶ気のない蜂だかなんだかが窓枠のところで脚をガラスに叩きつけては延々もがいているのを見て、ああ、ガラスの向こうが見えているのにどうしてあちらに行けないのかわからないのだろうな、とそのうち蜂を我が身に置き換えそうな予感に世知辛くなったので、これはいかんと下界に向かったのであった。

jan and Naomi @GYPSY AVALON
青い空に強い日差しと乾いた風。陽炎みたいなサイケデリアには絶好のロケーションの中で朝霧シチューを昼食に呆ける。そういえばjanが坊主頭になっていた。

ROVO @ FIELD OF HEAVEN
ROVOもまた結成20周年とのことで、勝井祐二、山本精一、芳垣安洋といった面々がBOREDOMSや渋さ知らズなどなどの一員でもあったことを考えてみれば、このバンドが陰になり日向になりフジロックのジャパンオルタナティブの屋台骨を支えてきたといっても過言ではないわけで、古参の参加者にしてみれば彼らの生み出す祝祭空間こそがフジロックの空気感のいくばくかであると言い切ってしまいたいのである。そんな言わずもがなを鼻で笑うかのようにヘヴンへと集まった客が踊り狂って舞い上げる砂埃がまるでスモークのようにステージを演出していたよ。

CON BRIO @ FIELD OF HEAVEN
とっても愉しいんだけどその愉しさはパーティバンドのそれで、にしてもスチャダラ言うところの“夏のせい”的な一期一会のやり逃げとしては高性能高機能。

WILCO @GREEN
前半はアルバム「Star Wars」の曲を中心にニュアンスよりはノリで飛ばし、中盤以降はセットリストではお馴染みのWILCO的ルーツオルタナティブを連打したあげく、ラストは "Impossible Germany" のトリプルギターで胸をしめつける。5年前のような「Being There」3連発を多少は期待してはいたのだけれど今回の60分強と短いステージではやむを得ずか。それにしても、みな外に出したシャツ丈の絶妙な短さが思いのほかの洒落っぷりであった。そしてはっきりとしたのは、もうジェフは痩せないということである。

TORTOISE @WHITE
サウンドチェックで "Thunder Road" のイントロが一瞬鳴らされて既に盛り上がる。定番曲が外されていたのは新譜にあったどこかしら泳がせた感じがバンドの今の気分ということなのだろうし、"Yonder Blue" のヴォーカルなしヴァージョンにそれが最も顕著だったようにも思え、アメリカのおっさん5人がピーピーガーガードスドスバタバタと合奏する音が時には官能すらまとう不思議を今回も堪能したのだった。

SQUAREPUSHER @WHITE
フェンシングのスーツだか養蜂家の仕事着だかに見える、おそらくはプロジェクションマッピング用のスーツにマスクをつけて登場したジェンキンソン氏は、いまキミらが感じてる時間の流れはまやかしに過ぎない。ここはひとつボクがそれをひっぺがしてみせてあげようと、ドーピングして狂躁する時間の奔流を光と音の暗号に変換しては、さあこのスピードのままにそれを読み取りたまえ、読み取れないキミはどうにも不幸だねと言わんばかりにもはやビートとは言えない無数の音の粒を浴びせぶつけては、どうだ苦しいだろう、時間は苦しいのだともはや狂人の理論を振りかざしながら機嫌良さそうにどこまでも追いかけてくる。マスクを脱いでベースギターを抱えたアンコールでは、いやいやさっきのはドッキリだから気にしないでと取り繕ってみせはするものの、もはや騙されるはずなどないのである。ジェンキンス氏はちょっとどうかしている。
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2016年07月27日

FUJI ROCK FESTIVAL'16@苗場/7.22 Fri

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SIGUR RÓS @GREEN

豊洲からの皆勤なので今年で19回目、苗場は18回目となるハタチのフジロック。成人はめでたいながら、その分こちらも確実に年をとったのは言うまでもなく、外すタガすら錆びついたとなれば狂騒よりは恬淡と歩きまわることで馴染みの世界の生存確認などできれば幸いである、と好好爺の気分で越後湯沢の駅に降り立ったところが、新潟県警の粋なお出迎えになおのこと心もなごんだ次第である。

新潟県警謹製ティッシュ
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BOREDOMS @GREEN
ボアのサウンド・マントラを20周年の所信表明とする粋な計らいである。祝祭にあふれた開幕宣言を期待してグリーンに集まった人々が次第に所在なさ気になっていくのを後ろから見てニヤニヤしていると、俺はなにしろ高をくくられることが大っ嫌いなんだよというオーガナイザーのニヤニヤも容易に頭に浮んで何とも清々しい。

TRASHCAN SINATRAS @RED MARQUEE
世界の翳りに焦がれた青いネオアコが、年齢を重ねリアルな翳りに包まれた時にどう答えを出すのか、それにきちんと向きあった人たちにはこうやって淡く優しい光が差してくるわけである。ネオアコは死なず。

LÅPSLEY @RED MARQUEE
スタジオ音源の忠実な再生といった風で、パフォーマンスとして何を足して捨てたかの面白みには届かずか。全曲ピアノ弾き語りくらいでもよかったのに。

UA @FIELD OF HEAVEN
この人のいつも自分を持て余す焦燥が段々と息苦しくなって来た頃から離れたままだったのだけれど、久しぶりに見たステージにはその決着がついたかのような晴れやかさがあって、よくも悪くもあがりの人になったのだなあと、ある事情から開演が押しに押したON AIR EASTでのファーストライブの待ちぼうけなど思い出したりもしたのであった。

ROUTE 17 Rock'n' Roll ORCHESTRA @GREEN
ボウイの追悼映像がスクリーンに流れるとともに "The Jean Genie" の演奏が始まって、この場でこの曲を歌ってしまえる神をも畏れぬ輩は誰だと思った瞬間、スクリーンに大映しになるクリス・ペプラーに、お前が歌うんかいっ!と爆笑したのがこのステージのピーク。八代亜紀さんの唱法だと野外はちょっとアウェイかなと思ってしまった。ワタシのいた場所だと音が風に流されてただけかもしれないけど。

LEE "SCRATCH" PERRY @ FIELD OF HEAVEN
5年前のホワイトでは、入りを間違えてやり直したり次のトラックをいちいちMAD PROFESSORに確かめたりしてたものだから、正直言って今回で見納めのつもりだった80歳がどうしたことか、腕っこきを揃えたバンドを従えて縦横にトースティングし宙に向けてパンチを放ち蹴りを入れつつ60分強を全面的に支配し続けた驚愕。ドーピングがうまいこといったのか?そんなにSAKEが気に入ったのか?相変わらずこの世はわからないことだらけだ。

SIGUR RÓS @GREEN
とにかく寒くて寒くて、けれど同行者はわりかし平然としていたのでワタシだけが寒さに取り憑かれていたのだろうか。仕方がないのでこれはアイスランドの原野で遭難し八甲田山状態になった中でやってくる幻聴と幻覚なのだと思って寒々しさに身を委ねて歯を食いしばっていたら、いつしかヨンシーの声が彼岸の呼び声にも聴こえてきて軽いトリップに成功したのはもうけものであった。そして熱したニクロム線のように赤いライティングの禍々しさに、ギターを弓でギコギコ弾きまくるヨンシーの仄暗いシルエットがスクリーンに映されるたび頭に浮かぶレザーフェイスが拍車をかけて、シガー・ロスについてまわるそこはかとない奇形性の正体がようやく見えた気もしたのであった。
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2016年07月18日

FUJI ROCK FESTIVAL '16展望

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こんなに晴れなくてもいいから、Don't Rain On My Parade

7.22 Fri
BOREDOMS
THE END
TRASHCAN SINATRAS
UA
ROUTE 17 Rock’n Roll ORCHESTRA
JUMP WITH JOEY
LEE “SCRATCH” PERRY
SIGUR RÓS
THE NEW MASTERSOUNDS
DISCLOSURE

7.23 Sat
THE COLLECTORS
MARK ERNESTUS’ NDAGGA
THE ALBUM LEAF
jan and naomi
ROVO
CON BRIO
WILCO
TORTOISE
SQUAREPUSHER

7.24 Sun
BO NINGEN
dCprG
DEAFHEAVEN
はちみつぱい
ケロポンズ
LEON BRIDGES
THE AVALANCHES
ROBERT GLASPER EXPERIMENT
ERNEST RANGLIN & FRIENDS
KAMASI WASHINGTON
BATTLES
電気グルーヴ

今年は身を裂かれるようなカブりも特になく、懸念があるとすれば日曜WHITEベビメタ前のグラスパーさんで、THE AVALANCHESをチラ見した後でどれだけおっとり刀で駆けつける必要があるのかということおよび、ベビメタ地蔵がエクスペリメンタルジャズにどう立ち向かうつもりなのかといったあたり。それにしても2016年とは思えない三つ子の魂だらけである。
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2015年07月30日

FUJI ROCK FESTIVAL'15@苗場/7.26 Sun

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昨日のシャトルバス待ちに懲りて今日はホテルにタクシーを呼んで会場に直行する。最初からこうしておけばよかったと浮かれていたら携帯用のイスをホテルに忘れていたことに気づき、極度に凹みながら何とか会場付近で代用品を購入する。

Jim O'RourkeとGaman Gilberto @FIELD OF HEAVEN
いつのまにかダニエル・ラノワのような風貌と化していたジムさんの、新譜の流れからすれば意外ではないにしろ、非常にとっつきやすいリリカルでアグレッシヴな音像を浴びていたところが、昨日からの酷暑が烈暑へと歩を進めた日向の中で汗は止まらないのに胸や背筋のあたりが何やらゾクゾクとし始めて、ああこれはもしかしたら熱中症か!と思い至ったものだから、すっぱりとステージをあきらめてアヴァロン近くの木陰へと退散してしばし休憩する。お日様はともかく自分の年齢をなめたらいかんということか。水分摂って焼きそば食べて無事回復するもちょっと焦った。

TODD RUNDGREN @WHITE
高性能の地下アイドルのように踊り歌い狂う彼に今さら何も言うまい。レミー・キルミスター69歳、トッド・ラングレン67歳。今なお世界と対峙し続ける彼らの“そのまなざしにルーは、水晶でできているようにさえ見える山中の湖を ― それも酸性雨が湖中の生物を残らず滅ぼしてしまったために純粋になった湖を ― 連想した。(ジョー・ヒル「NOS4A2」)”ということであったよ。

JENNY LEWIS @RED MARQUEE
アメリカの呪いをドリーミーに歌う逆襲に、さすがライアン・アダムスを使いこなした女傑だけのことはあると焦がれるばかりであった。中盤の "With Arms Outstretched" 〜「Rabbit Fur Coat」からの数曲が特に沁み入る。こういったら彼女に失礼だけどライアン・アダムスのフロントアクトとしては最良のアーティストでありステージだったのではなかろうか。また、一度そう見えたらベーシストがみうらじゅんにしか見えなくなって困った。

RYAN ADAMS @ RED MARQUEE
「お願いがあります!フラッシュは絶対に焚かないでください!フラッシュを浴びるとライアンは倒れてしまいます!これはシリアスな問題なのです!」という通訳の女性の切羽詰まったアナウンスに緊張がいやます中、俺たちにできることはなんでもする、だから頼んだぜライアン!ライアン!と大川慶次郎のような絶叫を胸の内で爆発させた観客の熱情に応えるかのごとく、自爆するセンチメント、すなわちワタシの信頼するアメリカンロックのコアを60分の間にわたって撃ちっぱなしだったライアンとの十年戦争これにて終結。

HUDSON MOHAWK @WHITE
新譜も聴いてないしプロデューサー仕事を追ってるわけでもないけれど、リズムコンシャスなステージがまったく足りてないなと思って足を運んでみれば、オウテカとかラディアン、初期バトルスあたりの名前を思わず書いてしまいたくなるような偏執構築系があまりに好みで吃驚したし、やはり日没後のWHITE STAGEには明滅するホワイトライトから立ち上がる戦略的に暴発するリズムがジャストフィットすることを再確認して思わぬ大収穫。

WILKO JOHNSON @FIELD OF HEAVEN
精神的にはともかく体の芯に疼くような疲れがはっきりとしてきたので、オープニングから2曲ほど聴き生存確認だけして退散。


迷ったら奥に行け、という名無しの格言の行きつく果てであったORANGE COURTの廃止にはやはり喪失感がついてまわると同時に、特に金曜日のFILED OF HEAVENは6ステージ中5ステージが邦人アーティストだったというバランスについてまわる、総体としての削減/縮小感は容易になじむことがむずかしいままで、これが今後の趨勢になるのだとしたらどこまでそれに添っていけるもんかなあと、来年の20周年を前にしてこれまでに抱いたことのない寂寥と共にゲートをくぐったのであった。

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FUJI ROCK FESTIVAL'15@苗場/7.25 Sat

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GALACTIC@FIELD OF HEAVENを月と待つ

さすがに土曜日とあってシャトルバスの列に1時間30分ほど並ぶ羽目になり、明日はタクシーで行くことにしようと固く決意してホテルに手配を頼む。

上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト feat.アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス@GREEN
というわけで最後の20分くらいしか見られなかったのだけれど、想像以上に集まった観客の愉しみ方はマスロックのそれに近いものがあって、匠の技により感情と手先足先を直結させて繰り出されるピアノとベースとドラム(ツーバス!)の音が爆音でぶつかり弾けては彼方へ飛び散って行く快感は野外ライブならではで、このダイナミズムはホールコーンサートでは逆立ちしても叶わないだろうことを思うとフルで見られなかったのが返す返すも残念でならない。ところでアンソニー・ジャクソンはまた太り始めた?

ケロポンズfor kids @GYPSY AVALON
と、遅刻して荒んだ気分をなだめてもらうべく昨年に引き続きケロポンズで子供たちと一緒にあれこれの振りなどして気持ちをほぐす。for kidsと言いつつ嬉々としてフリフリするほとんどはそんな大人たちなのであった。

SUPER FURRY ANIMALS @WHITE
活動再開後の肩慣らしといった感じのベストヒット的セットリストの11曲だったのだけれど、特に凝った映像ギミックなどもない分、彼らのファンはともかく初見の客にも楽曲の良さがストレートに伝わったウェルカムバックなステージだったのではなかろうか。『FRANK』を観た後だと、グリフのマスク・パフォーマンスはフランク・サイドボトム由来であったのかなあとあらためて思ったりもした。まあでも、みんな元気そうだったのが何より。

deadmau5 @GREEN
そもそもEDMが何なのかいまだよく分からないままで、映像の助けを借りずに音と光だけでひたすら攻撃性を高める狂躁はこれが最新型のエレクトロクラッシュだよと言われればああそうなんだ、うまいことやってるねと感心しきりなわけで、被りモノの曖昧な匿名性もスマートに奏功していたように感じた。ON-U好きならけっこういける気もする。

GALACTIC featuring MACY GRAY @FIELD OF HEAVEN
あとになって思ってみれば、頭を揃えて突っ込んでくタイム感がギャラクティックの快感要素なわけで、溜めたところで踏ん張るメイシー・グレイの力加減と化学反応が起きないのもむべなるかなというところだったし、それは中盤でメイシーがいったん袖に下がった後でバックコーラスの一人がメインをとった時、リズムの頭にポンポンと飛び乗っていくタイプの彼女の方がバンドとの親和性が高かったことにも明らかだったように思うのである。それは特にどちらかに責任があったということでもなく、やっぱり相性って大事だよねと、苗場での彼らのベストステージとなる2008年のWHITEでメーターを振り切ったのがゼップの“移民の歌”だったことなどあらためて思い出してみたりもしたのである。茹ったホワイトファンクってむずかしい。

BELLE AND SEBASTIAN @WHITE
イゾベル・キャンベルが抜けてからほとんど気にとめることもなくなってたものだから、HEAVENからの帰り途にちらっとのぞいてみれば、スチュアート・マードックがいまだにボーダーのタンクトップを着ていたり、写真美術館のミュージアムショップで売っているポストカードのような写真がスライドされたりしているのを見て気分は少し後ずさってしまい、魔法が解けるってこういうことなんだなと思った。
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2015年07月29日

FUJI ROCK FESTIVAL'15@苗場/7.24 Fri

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ORANGE COURT跡...

苗場開催になってから2度目となる苗プリ落選の憂き目により今回は越後湯沢(NASPAニューオータニ)からの通いになることに加えて、オレンジコートの廃止やラインナップの不活性化などなかなか気分が上がらないこともあり、今年ほど惰性に苛まれた年もなかったのではなかろうかとMaxとき335号の座席において既にいくばくかの遠い目を携えつつ、ならばライアンが完奏さえしてくれればすべてOKとすることにしようと言い聞かせてもみたのである。


ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRA @GREEN
経験値がないため越後湯沢駅からのシャトルバス状況を読み切れず、入場ゲートをくぐりながら "Be My Baby" を遠くに聴き、泉谷しげるの "国旗はためく下に" と "春夏秋冬" のサウナ風呂のような暑苦しさを歓迎しつつ、3年目にしてヤマジカズヒデがようやく派手な舞台になじんだようなのを確認して我がことのようにホッとした。

THE VACCINES @GREEN
天国バーガーを昼食とするも、これまでずっとポテトチップを添えて紙皿にのせられていたのが紙にくるまれてホイと渡されるコストカットの世知辛さがここでも身に沁みる。それはそれとしてまったく初見のバンドではあったけれど、メンバーの中でフロントマンが一番いなたいというバランスこそがこのバンドの肝要なのだろうと勝手に解釈などしてみたけれど、降りそうで降らない雨が何とも煮え切らない。

THE DISTRICTS @RED MARQUEE
ザ・スリルズ(アイリッシュだけど)や初期オッカヴィル・リヴァー、フレッシュ&オンリーズ、デルタ・スピリットあたりの名前が次々に浮かんできて、それはすなわちライアン・アダムスのいるリーグのゴールデンルーキーということにもなるわけで、当然デビューアルバムをポチった次第。

OWL CITY @GREEN
ワールドレストランで買ったローストチキンで小腹を満たすBGMとしてこの日この場所では確実に機能していたモダン産業ロック(死語)。高性能ゆえ耳に障らないのは嫌味でも何でもない。

CHABO BAND @FIELD OF HEAVEN
1日券のリストバンドをして黒Tにジーンズ、時々黒いテンガロンというどこからどう見てもレミー命な輩が、他に行く場所もなく引き寄せられてくるオッサンホイホイとしてのこのバンドが、清志郎から石田長生まで逝ってしまった人に捧げるブルーズでその懐の深さをいかんなくぶっ放すこの予定調和こそがピースフルで美しいことをオッサンは知っている。

KITTY,DAISY & LEWIS @FIELD OF HEAVEN
ゴールドとシルバーで彩ったパッツンパッツンのジャンプスーツと元レインコーツの御母堂の真紅のスーツに気を取られて、ということはすなわち男性陣の影がどうしても薄くなるわけで、ならばルイス君が何らかの野望を抱えていたとしてもなんら不思議ではないにも関わらずそうした閉塞やキナ臭さを一片たりともうかがわせないプロフェッショナルなステージの鬼気迫る愉しさは、それゆえ客の取り分はあまり残されていない気がしないでもないのであった。

MOTÖRHEAD @GREEN
ワタシは拝んでいた。曲間でプルプルと小刻みに震えながらボトルをひっつかむレミーの右手がスクリーンに映し出された瞬間、唯一無比の偶像/記号を可能にする浸透圧に想いを馳せて底知れぬ畏怖に包まれる。この人は69年の間にワタシとは組成すら異なる生物へと確実に進化しているはずで、おそらく時間の流れすらが異なっているのだろうし、速く硬く重い塊にしたところでそれはワタシたちの物差しに過ぎないのだろう。トイレに行かないと聞いてもワタシは驚かない。

水橋春夫グループ @GYPSY AVALON
マッキーショック!であった。
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2015年07月23日

FUJI ROCK FESTIVAL '15展望

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※画像はある日どこかの中央フリーウェイ

7.24 Fri.
ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA
THE VACCINES
OWL CITY
CHABO BAND
JOEY BADA$$
KITTY,DAISY&LEWIS
MOTORHEAD
ROYAL BLOOD
水橋春夫グループ
RUDIMENTAL

7.25 Sat.
Rafven
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト
AQUALUNG
ケロポンズ
SUPER FURRY ANIMALS
ものんくる
DEADMAU5
GALACTIC featuring MACY GRAY
BELLE AND SEBASTIAN

7.26 Sun.
JIM O’ROURKE とGAMAN GILBERTO
BLOODEST SAXOPHONE feat.JEWEL BROWN
TODD RUNDGREN
JOHNNY MARR
JENNY LEWIS
LEGENDS OF BLUES A Tribute to Howlin’ Wolf
RYAN ADAMS
HUDSON MOHAWKE
FKA twigs

日高さんのやけくそ気味な言い訳はともかくとして、総体としての撤退戦に伴うORANGEステージの廃止が思ったよりも堪えていて、名前は挙げないにしろ通常であればさほど食指が動かないステージもつっこんでおかないと私的スロットルが埋まらないわけで、この期に及んでもなかなかテンションが上がらないのが哀しいかな正直なところ。今年は駐車券が売り切れてないとか景気の悪い話しか聞こえてこないけど、人が少なければそれはそれで快適なのは間違いのないところなので、天候ともどもせめてのんびりさせてもらえばなあとだけ思ってる。
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2014年08月02日

FUJI ROCK FESTIVAL '14@苗場/7.27 Sun

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起きたら曇天で会場入りしたら雨天。とはいえこの2日で暑さに相当灼かれてたのでちょっとだけホッとするも、本降りになるとシャレにならないのが苗場なので、既に気弱な目つきで空をちらちら見上げている。

OZOMATLI @GREEN
CDは1枚も持ってなくて苗場でしか耳にしないのに何だか古い馴染みの気がするこの人たち。昨日か一昨日だったらもっと愉しい騒ぎになっただろうに、今日の雨はけっこう冷たくて何だかいやな感じだけど、これで昼飯に朝霧シチューを食べられる。

ケロポンズfor kids @GYPSY AVALON
というわけでアヴァロンで買った朝霧シチューを食しながら何とはなしにステージを見ていたら、キレキレの振り付けとキャッチーな歌メロと少しだけチクチクする歌詞と、押しが強いのに嫌味にならないスマートな客(子供)いじりにケラケラ笑いながら思わず見入った次第。ワタシが知らないだけで既に界隈の有名人みたいだし、来年も出てもらって晴天の下で「まえがみをみじかくしましょ♪おでこをしっかりみせないと♪いろんないいものみのがすよ」って歌ってもらえばいいのにと思った。何か得した気分。

THE HEARTBREAKS @WHITE
というわけで前髪パッツンのヴォーカルが英国男子の心意気とばかりメランコリーを微笑に代えて客席のあなたに届けます。三つ子の魂百までっていうか、あるのが自然な音すぎてそれはもうサティ並に。

NORMANWATT-ROY @FIELD OF HEAVEN
それは当たり前の事とはいえ、ウィルコ・ジョンソンと組んだ時よりも相当にリズム・コンシャスなステージは、ブロックヘッズのミクスチャーをそのルーツで解体したような感じだし、ヴォーカルやリフの下支えから自由になったそれはハードエッジなジャズフュージョンの様相を呈していて、それを可能にしていたのが陶然とテクニカルでありながらパワーハウス系のドラマーで途中からこのドラマーに目移りすることしばしばだった。それもそのはずワタシが無知だっただけで、このアサフ・シルキスという人は界隈では相当な名手としてとっくに名を上げているドラマーだったらしい。というわけで思いがけず眼福耳福な時間を過ごしたのだけれども、来年はウィルコと来てねと願うのは忘れなかったよ。

THE King ALL STARS @ORANGE
というか加山雄三のバックで名越由貴夫がギターを弾いているの図がシュールすぎた。まさか「君といつまでも」を生で聴き、海よ、俺の海よと合唱する日がこようとは思わなかった。この時間帯だけは完全に雨が上がってたし、幸せオンステージな空間のスピリチュアルな引きの強さといい本人は相当に味をしめているようだったけど、来年も出たいと言い出したら日高さんはどうすんだろ。

KELIS @WHITE
最初はGREENでTHE FLAMING LIPSを見ていたのだけれど、その独善性(それこそがロックであると言えばそうに違いないにしろ)の閉じた回路に誘導される手続きの面倒くささに何だか辟易してしまって、THE SKATALITESでも見ようと奥の方へ向かったのである。その途中のWHITEでちょうど始まったのがKELISだったわけで、レッドパープルのラメで仕立てたジャンプスーツで現れた彼女の艶っぽくドスのきいたハスキーな「Hi」の一言でもうそこから動くことができなくなってしまったし、何より感じたのはブラックミュージックの優しさで、それはGREENを後にしてきた理由のまさに対極とも言えて、もちろんその優しさの入口にあるホスピタリティは、社会的、政治的にそうならざるをえなかった負の歴史が備えさせたのかもしれないけれど、我思う、ゆえに我ありと言っていれば存在証明となった人たちに比べ、思いなど汲んでもらえるはずのない人たちが黙殺を揺さぶるアクションの切実さがブラックミュージックを推進してきたのは間違いがないだろう。そして、そういう構造の中の黒人に向けてさえノーという人であったKELISが、この夜はブラックミュージックが備えた優しさを慈しみ、その優しさが内包する哀しみやプライドを届けるためのステージをつとめていて、そのタイトでシックでセクシーなブルーズから一瞬たりとも目をそらすことができなかったのだ。というわけで彼女が今年のベスト。

OUTKAST @WHITE
というKELISからの流れとしては完璧なステージ。モノクロームの星条旗(『Stankonia』のジャケ)がステージ背面をすべて占めた巨大なスクリーンいっぱいに投影され「B.O.B」のスピードラップがキックされた瞬間の既にして勝利宣言を受け取れた人の幸せ。アルバムは素晴らしいがライブはクソだという図式がないブラックミュージックの徹底した両立は、KELISのところでも書いたけれど、世界に向かって言いたいことを言う覚悟のあるやつだけがそれをやる資格があるという掟によっていて、ここにいるのが既にスタジオアルバムでいやというほど天才の証明をしてきた2人ということになればそのステージが退屈で凡庸であるはずなどなく、ここに快楽の欠片も見つけられないとしたら自身の不能を心配した方がいいとすら思った。

THE POGUES @GREEN
腐れ縁の結末を見届けるため、OUTKASTに相当な後ろ髪を引かれつつGREENに向かう。出演のアナウンスを知った時まず頭に浮かんだのは、2005年の時点でもシェーンは相当なパンチドランク状態だったのに大丈夫なんかなというのが正直なところで、その悪い予感は残念ながら的中。もちろんパーソナルな不安定をステージのスリルに変換すること自体は誰彼にかぎらず今に始まったことじゃないにしろ、それが届けてくるのが苦笑いでしかない底の抜け方はもはや見世物に近いと思うし、「Fiesta」を演らなかったのは演れなかったから(シェーンだけでなく、アンドリュー・ランケンのドラムもきつかった)なのだろう。そしてまだ60手前にも関わらず老人のようなシェーンの風貌に思い出したのは『レッツ・ゲッツ・ロスト』でのチェット・ベイカーだったわけで、シェーンがバンドをよすがにこの世とつながっているにすぎないのであればそれは彼にとっての最低限の幸福として仕方がないことかもしれないけれど、あっけない終演後の、MCや日高さんのいささかあわてた風のとりなし方や、特にライブ中のスパイダーの苛つきに、もはや誰も幸せではないのではなかろうかと昨日までとはうって変わった夜の冷たさが身に沁みてしょうがなかったのである。ワタシは笑わなかったよ、シェーン。

終了と同時に、これまでにないタイミングの早さで確定された来年のスケジュールが発表されていて、これは年次計画で動く大物招聘によるものかと期待もさせるのだけれど、世の趨勢ではなくワタシ個人の問題として、いわゆるロックの本線に確認作業以外の何を見つかられるのかという苛つきがあきらめに変わってしまうのでないかという予感がないこともなく、今さらのミッドライフクライシスがここから来たかという感じ。年をとればもっと自由になると思ったんだけどなかなかうまくいかないもんだね。
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2014年07月31日

FUJI ROCK FESTIVAL '14@苗場/7.26 Sat

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The Waterboys@GREEN 開演前

晴天の中、午前中はドラゴンドラで天上へ。去年に引き続きソフトクリームが売られていないことにあらためて愕然とするのみならず、どこかのお子様が狂ったようにレストハウスに据えられたベルを鳴らし続けてやかましいので、そそくさと下ることにする。何度乗ってもゴンドラの下に広がる人跡の影すらない河原や木立を見るたび、トム・ゴードンに恋した少女トリシアを想い出す。

WHITE LUNG @WHITE
泣く泣くあきらめたREDのTHE THREE O'CLOCKとステージを逆にした方がよかったんじゃなかろうか。REDのライヴな音響の方がこのギラつきながら疾走するギターは映えるだろうし、こういう都市型パンクはWHITEの埃っぽい空間よりは密室性の高い空間の方が熱を充填できただろうと思う。バンドの演奏も佇まいもまったく期待を裏切らなかっただけに、少し不幸な出会いをしてしまった気がするのがもったいないなあと思う。とはいえ美しい人が心底いらつく姿にはそれはそれで昂るものがあったのも確か。

THE WATERBOYS @GREEN
"The Whole of the Moon" よりも "Fisherman's Blues" よりも "The Pan Within" を聴けたのがすべて。でも 'The stars are alive and nights like these were born to be sanctified by you and me, lovers, thieves, fools and pretenders' のフレーズは夜空の下で聴きたかったよ。Mike ScottがまったくMike Scottのように年を重ねていたことがすべてを肯定してくれた気がして、昨日のGarland Jeffreys といい青春が捨てたものではなかったことに正直胸がつまりそうになる。ずっと忘れずにいてよかった。

JONATHAN WILSON @FIELD OF HEAVEN
ふと耳に入ってきたスモーキーなギターと夢から覚めたばかりのようなヴォーカルに、ピースフルなライアン・アダムズみたいだなあと見ていたらいつのまにかどこへも行く気がなくなってた。ラスト曲で緑のSGのサイドギターと繰り広げるインタープレイの熱気と艶にあてられて、終演後にiPhoneからソロアルバム2枚を思わずクリックした次第。パーソナルを調べたらライアン・アダムスと出身地(ノースカロライナ)も年(1974年生)も一緒だったのにちょっと驚いた。今日くらい天気が良ければライアンもヘソ曲げなかったかな。

で、ここから少々迷走。
PRESERVATION HALL JAZZ BANDをORANGEで見始めるも、ああなんかこのまま愉しいんだろうなあと思った瞬間にわけもなくイラッと歩きだしてしまい、HEAVENのTHE LUMINEERSを覗いてみるも、GOOD PEOPLEが演るGOOD MUSICとそこへつめかけるGOOD AUDIENCEの図の破たんのなさにまたしてもイラつく。で、それを中和すべくWHITEでMAN WITH A MISSIONを見てバカだなあとゲラゲラするも1曲で飽きてしまい、だったら30分だけでもREDでST.VINCENTを見ておくべきだったと烈しく後悔するも後の祭りで、ORANGEでケバブを食ってしばしのふて寝。おそらく予想以上にTHE WATERBOYSが効いてしまってた気がしないでもない。

PHIL LESH & THE TERRAPIN FAMILY BAND @FIELD OF HEAVEN
これはもうPHIL LESHを拝むという儀式だったわけで、だから23時までの予定が30分以上早く終わってしまい、19時半〜23時の枠の中で休憩を除くと実質2時間半のステージだったとしても、そこでPHIL LESHがベースを弾いていた以上、儀式は完遂されたのである。でもカヴァーのセットは要らなかったかな。

というわけで予定より早くほっぽり出されたので、隣のWHITEでMANIC STREET PREACHERSを覗いてみたら やけに溌剌と懐の深い "You Love Us" が聴こえてきて、やっぱりちゃんと曲の書けるバンドは長持ちするよなあと、ぬかりなくパッケージされたステージにきちんと拍手を送りつつ、ああ今日も雨が降らなかったじゃないかと真っ赤に焼けた鼻をさすりながら、帰りにおにぎりを2つ握ってもらいホテルに向かった。
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2014年07月30日

FUJI ROCK FESTIVAL '14@苗場/7.25 Fri

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BASEMENT JAXX@WHITE開演前

新幹線の中で食べる弁当をいつものサーロインステーキ弁当から宮川のうな重弁当に変えてみたけれど、そもそもがかつぐほどの験もないのがしまらない話である。天気予報をいちおうチェックしてみるも、雨が降ったら濡れるし晴れたら汗で濡れるしで、結局はされるがままの薄ら笑いで迎え撃つしかないことにようやく気がついてみれば、そうやって自由の昂揚よりは吹きさらしの阿呆をたぐりよせるロックヨシズカニナガレロと焦がれていたはずなのにいろいろと保険をかけすぎた。アイ・ヘイト・ゴアテクス。うな重がやたらと旨い。

ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA @GREEN
七五三のようなヤマジカズヒデを去年に続いて確認。来年も貢献すればdipで出してもらえるかもしれないからもう少しがんばれヤマジ。パーティバンドの中にあってトータス松本の笑ってない笑顔に絆される。

TALCO @CAFE DE PARIS〜JAMES IHA @ORANGE
CAFE DE PARISまで足を伸ばしたのは初めて。空調もない小さな密閉スペースで人ぎっしりのスカパンクに下北シェルターの酸欠を思い浮かべ、オレンジジュースの氷をガリガリ噛み砕きながら遠巻きに眺める。マノ・ネグラ〜フェルミン・ムグルサの流れを汲むコンバットロック枠にしてはちょっと物わかりが良すぎる音かなと思った。イタリア語の歌詞がえらくとっぽいのかもしれないけども。その帰りの通りすがりに見たジェームズ・イハは圧の弱いドゥルッティ・コラムみたいだった。日陰で聴きたい音だけどあいにくそんなものはどこにもないし、本人だけがいっそう涼やか。

Steve Nieve – Joe Sumner – Tall Ulysse – TOGETHER @ORANGE
スティーヴ・ナイーヴがメインなのは間違いないとしても、ベースがジョー・サムナー、いうまでもなくスティングの息子、であったり、オープニングが いきなり "Peace ,Love,and Understanding" で、そのうち "Pump It Up" を歌ってみたり、ツインドラム(!)の片割れの青年がど真ん中130kmのストレートのような歌声を朗々と披露したり、果てはジョー・サムナーが自分の持ち歌を歌ってみたりという、ばかうけバラエティパックのごとき微妙なお得感にこのユニットの謎は深まるばかりなのだけれど、それもこれもフロントに立つ時のスティーヴ・ナイーヴの華のなさを自身が自覚しているがゆえでありそうなのが、客としては胸を痛めるところなのである。そしてハイトーン気味に張った声や、両膝を曲げてジャンプするアクションが親父そのものでしかないジョー・サムナーがそれをわかってやっている節があるのもこのユニットのコンセプトが自虐の詩であることを明かしてしまっていて、あれこれが妙に忘れがたいのであった。

GARLAND JEFFREYS @FIELD OF HEAVEN
キーボードのサウンドチェックで 「96粒の涙」のイントロを耳にして上がりまくっていると、黒いTシャツに黒いパンツのその人が袖から飛び出してくる。正しいと思っていた人がなお正しくあって、そしてそれがまったく窮屈でなく行われていることに胸がすく喜びを感じる。キミはちゃんとまわりを見て考えてるか、オレは嫌になるくらいそうすることで生き延びてきたからちょっとは手助けしてやれるかもしれないな、としなやかにやさしく鞭打つような歌声でストリートワイズをメロディにのせてステージから客席に下りたその人は、決して多いとは言えない客の間を意気揚々と鼓舞して回る。そうやってワタシとハイタッチしてくれたその人はワタシより低いくらいの背丈ながら、ずっと高いところを見て歌っていた。

ROVO and System7 @ FIELD OF HEAVEN
山本精一とスティーヴ・ヒレッジの熱したクロム線みたいなツインギターをランチャーに勝井祐二のヴァイオリンが宙に飛びだし、ツインドラムの爆風にのって恍惚としたまま舞い続ける一瞬、すべての輪郭が消えて自分が目と耳だけの生き物のように幻覚する。あと1時間あればどこまで行けたのか見届けたかったのに寸止めが恨めしい。

THE YOUNG PHILADELPHIANS @ORANGE
マーク・リボウとジャマラディーン・タクマとカルヴィン・ウェストンの怪物的なトリオに、さすがマーク・リボウが指名しただけのことはあったメアリー・ハルヴォーソンの品格と変質を併せ持ったギターを加えたこのバンドが紡いだのは、ハードエッジなインタープレイをあくまでもアンサンブルとして構築していくアヴァン・フュージョンとでも言うしかないグルーヴ・ミュージックで、"You Are Everything" での混沌から立ち上るメロウは、ああNATSUMENでAxSxEがやりたかったのはこれではなかったのかと、ワタシは勝手に昂奮したあげく何だか切なくなってしまったのである。そんなワタシのぐらつきなどどこ吹く風と、日本で調達したと思しき日本人女性3人のストリングスに珍妙なブロックサインを送ってタイミングを知らせ続けるマーク・リボウは相変わらず素敵に食えないおっさんであった。

BASEMENT JAXX @WHITE
この日はmoe.で締めるつもりが第一部を見終えて休憩する間、ショウアップされたステージへの飢えがむくむくと湧きあがって抑えきれず、まあたまにはいいかとWHITEに下って原色のビートにチャラチャラとのぼせていい気分になり、Miss Emma LeeとBaby Chayをフィーチャーした "Back 2 The Wild" の彼らにしてはミニマルでタイトなセットが思いがけずスマートでバカみたいにはしゃいだ。ここ数年の苗場では記憶にないほどの青空とクソ暑い一日の終わりにふさわしい捨て鉢の乱痴気。この日は人も少なくて飯屋もトイレもほとんど並ばずに済んでストレスフリーだし、運営はさぞかし気をもんだことだろうけどこれは平日参加の特権ということで寝つきがいいはず。
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2014年07月18日

FUJI ROCK FESTIVAL '14展望

image.jpg

7.25 Fri
ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA
THE LUMINEERS
SLOWDIVE
GARLAND JEFFREYS
FIRST AID KIT
Controversial Spark
ROVO and System 7
THE YOUNG PHILADELPHIANS
MOE.

7.26 Sat
THE THREE O'CLOCK
WHITE LUNG
THE WATERBOYS
PRESERVATION HALL JAZZ BAND
ST.VINCENT
PHIL LESH & THE TERRAPIN FAMILY BAND

7.27 Sun
OZOMATLI
OWEN PALLETT
THE HEARTBREAKS
OK GO
NORMAN WATT- ROY
THE King ALL STARS
憂歌団
THE SKATALITES
KELIS
SYL JOHNSON, BOBBY RUSH & LAVELLE WHITE SOUL MUSIC LEGENDS
OUTKAST
THE POGUES

金曜日のROVO and System 7〜THE YOUNG PHILADELPHIANS〜MOE.はけっこうなゴージャス感。とはいえGARLAND JEFFREYSとFIRST AID KITの被りがかなりの痛手でヘヴンからホワイトへダッシュして10分見られるかどうか…。土曜日も微妙な被りがあちこちに。レッドからホワイトへの移動を考えるとTHE THREE O'CLOCKはほんのさわりで切り上げてWHITE LUNGって感じだし、WHITE LUNGにしたところで全部見てるとグリーンのTHE WATERBOYSに間に合わずという隔靴掻痒。ST.VINCENTの被りがなくなったのはありがたいけどやっぱりレッドはあまり好きじゃないし、レッドからヘヴンへの移動を考えるとオレンジでニューオーリンズジャズ聴いてヘヴンへということになりそう。そしてフィル・レッシュは3時間半。日曜日はおそらくNORMAN WATT- ROYから基本的に奥地常駐で時々ホワイトに下る感じ。THE POGUESのクロージングはすごく嬉しいけど、果たしてガスがどれくらい残ってるかどうかはこっちの問題。
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2013年08月02日

FUJI ROCK FESTIVAL '13@苗場/7.28 Sun

frf13
THE CURE @GREEN開演前

今年はここまで一度も頭痛におそわれないのがありがたい。でもとっくに足はマメだらけで絆創膏だらけ。今日はGREENのヘッドライナーまでどれだけ体力を温存出来るかが懸案。

GOLDEN WET FINGERS @GREEN
このバンドやROSSOやRAVENといったBJC絡みでしかチバユウスケを知らないから、これしかやらないのかこれしかできないのかよくわからないのだけれど、その“これしか”の枠に対して少し神経質過ぎやしないかなあと感じることが多いのは確か。艶とか色とか隠してるなら出した方がいいと思うけどね。

YO LA TENGO @GREEN
このバンドともえらく長い付き合いになるけども、日々の糧としてメロディとノイズを収穫してるようなドラマ性との無縁ゆえに失わない瑞々しさなのかなあと思うし、このサイズのステージでのまったく密室性を必要としない抜けの良さも何だか新鮮だった。そしておそらくGREENに出演するバンドで一番衣装代がかかってないと思う。

WILKO JOHNSON @GREEN
例のアナウンスがなければGREENに抜擢されることもこれだけのお客さんがつめかけることもなかったのだろうけれど、そうした経緯を差し引いてもロックンロールのスピリットとショーマンシップに溢れて忘れがたいステージだった。でも、いったいノーマン・ワットロイは大丈夫でいられるんだろうかとか、そっちの方も気がかりであのラスト曲はもう笑って送ることができなかったよ…。

SAVAGES @WHITE
スタジオ盤を聴いていないので片手落ちではあるけれど、ステージをみる限りではポストパンクのリズムコンシャスはさほど特徴的ではなく、ギターは時折マクガフのようなフレーズを突っ込んできたりもしていたけれど、どちらかというとライオットガール系のハードコアに親和性がある感じ。それが何であれ女性バンドが決意表明みたいなメッセージを掲げるとすぐにフェミニズム的なタグで整理されがちだし、とはいえバンドの佇まいからしてそれを完全に否定してるわけでもなさそうだけど、サウンド的にあえて茨の道に踏み込んでる志は応援しなきゃいけないと思う。

TORO Y MOI @WHITE
スタジオ盤のデリケートで精緻なアレンジをどうやってライブアレンジするのかなあと思っていたら、あらかたが生演奏による正攻法だった点でまだまだ無邪気にステージを愉しんでいる段階なのかなという気がした。彼の魅力は微熱でうわずったようなヴォーカルによるところも大きいと思うのだけれど、彼があえて肉体の汗と熱による揺らぎをアレンジの予期せぬ誤差として愉しんでみようとした時、それは彼以外の肉体が演奏する音の渦にわりとあっけなく呑み込まれていってしまったように思う。スライがやったようにスタジオワークとライブとを根本から別の音楽として作り上げるのであれば、まだまだ割り切りが足りないように感じてやや不完全燃焼だったかなあというところ。

VAMPIRE WEEKEND @GREEN
前回見た時より色濃いドリーミーな潔癖性の危うさのせいか、ロックの崖っぷちとしての醍醐味はますます増してきたように思う。あまりにスマートすぎてあれこれが見えすぎているにもかかわらず絶望に向かわないタフネスがこの多幸感を連れてくるのだとしたら、そんなやり方でよく3rdまで続いたものだなあと心底感嘆する。

THE CURE @GREEN
ステージが見えなくなるくらいの凄まじい量のスモークに、いくら何でもやりすぎだろうと笑っていたら、”Plainsong” のイントロが響きだし、ああ今回はキーボードがいるのかそりゃいいなと思ったところで黒くこんもりとした物体がそでから登場。ロバート・スミス来ました。ずっと見慣れた黒髪ではなく銀髪だか白髪だかでパーマがかかってる。頭髪の諸問題へのボリューム感対策とか、手入れが楽だとか50も半ばになればそりゃいろいろあるだろうけど、続く”Pictures of You” (!) からのステージは、キーボードを加えて分厚くなった演奏と何よりロバスミの声がどれだけ歌おうがその深みと黒艶がいっこうに息切れしない驚異において前回07年を完全に凌駕している。そしてそろそろ日付も変わろうかという頃に始まったアンコールというか第2部は、
Dressing Up
The Lovecats
The Caterpillar
Close To Me
Hot Hot Hot
Let's Go To Bed
Why Can't I Be You?
Boys Don't Cry
10:15 Saturday Night
Killing An Arab
というアッパーチューン、カラフルチューンのつるべ打ちで、しかもそれがどれだけ昔に書かれた曲だろうとキーを下げてごまかすなどというおためごかしの一切ないヴォイスワークが凄まじく文字通りの化け物降臨。いまだに単独なら40〜50曲のセットリストは当たり前のようだし、そうやってロバスミを駆り立てる何か業のようなものがあるのだとしたら、今この時にWHITEで行われているTHE XXのステージに行きさえすれば、2013年最新のフォームにありつけるにも関わらず、日付が変わろうとここに張りついているしかないワタシたちの業のような何かとロバスミのそれがこの夜確かに交錯していたことを信じてしまおうと、まさかの ”Killing An Arab” に呆けながらその物騒なリフレインを一緒に叫んでいたのである。信じる者は確かに救われた。

今年は昨年のように世間的に認知度の高いアーティストがヘッドライナーをつとめなかったこともあってか場内の混雑については快適といってもいいくらいで、ゲリラ的な雷雨以外のストレスはほとんど感じなかった。けどあのライブ中のスマフォ撮影やtwitterだかSNSだかメールだかのテキスト打ち込みは何なんだろう。特に日が落ちてからの液晶の光は鬱陶しい以外のなにものでもないんだけど、マナー違反だということにすら思いが至らないんだろうか。そもそもそんな風にしながらでいて愉しいんだろうか。わざわざ高いチケットと交通費と宿泊費をかけてきてるのに、せっかくのライブの最中にチンケなカメラでチンケな写真とって心底アホらしいとしか思わないし、したがってこれについては世代のギャップとか言うよりも単なるアホの所業だと決めつけることにしたのである。と最後にブツクサ言ったりはしたけれど、こちらの思惑など軽々と飛び越えてくるミュージシャンのステージは一様に忘れがたく、あとはこちらの気構えの問題でしかなかろうということで、来年もウィルコ・ジョンソンに会えることを祈りつつしばし苗場とのお別れ。

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2013年07月31日

FUJI ROCK FESTIVAL '13@苗場/7.27 Sat

frf13
JURASSIC5 @WHITE 開演前

午前中はめぼしいステージがないのでとりあえずドラゴンドラで天上に向かうも、今年はソフトクリームが売られていないことに愕然とする。愕然としつつ下界に降りてくるとRED MARQUEEからなぜか「風の谷のナウシカ」が、しかも安田成美を完コピしたようなフラットで聴こえてきてワケが分からないながらタイムテーブルを見るとPRISCILLA AHN嬢のステージらしく、とはいえ足を向けることもなくああそういう娘なのかと思いつつも、この国でうかつにそういう歌を歌うとあらぬタグ付けをされるから気をつけた方がいいのになと内心でお節介を焼く。

AIMEE MANN @GREEN
雨が上がっているのでワールドレストランでハーブチキンを買って草上の昼食にする。ステージではエイミー・マンが "My Name is Aimee Mann" ではなく "I’m Aimee Mann" ときっぱり自己紹介をしていてこちらも思わず居ずまいを正される。その明晰な8ビートは弛緩しない精神の現れに思え、ワタシはこういう女の人に人生の粗を指摘されては謝りつつ生きていきたいとあらためて思ったりもした。

この後HEAVENでSKINNY LISTERを見始めるも、その屈託のなさゆえに愛されてはいるのだろうけど生来の天の邪鬼がそれに乗っかるのを羽交い締めにしてきて、そういえばガツンとぶん殴られるようなギターが昨日から足りてないなあと思い、足早にWHITEへと向かう。

ROCKET FROM THE CRYPT @WHITE
すでにこの時点で雷は遠吠えし雨はドシャメシャとなっていて、これから3時間くらいは雷雲が苗場上空を覆うので状況によってはライブを中止する可能性もあります、という事前のアナウンスもあったくらいで、とはいえ今日は何がどうなろうとホテル退却はしないと決めていたのでまあヤケクソである。クリプトについては再結成してたのも知らなかったくらいで、さすがにジョン・レイスの頭部もさみしくなってたし、どっちかっていうとDRIVE LIKE JEHUの方が好きだったりもしたんだけど、この時ばかりはタイトでソリッドでちょっとだけすっとぼけて笑ってみせる粋でいなせなハードドライヴパンクがことのほか愉しくて、今この瞬間について言えば笑顔溢れるHEAVENよりもスカスカのWHITEで跳ね回る客全員が圧倒的に正解であるように思えた。来年はWHITEあたりでぜひMUDHONEYを。

SUZANNE VEGA @FIELD OF HEAVEN
シルクハットのいでたちを見た瞬間、そういや1985年のリッキー・リー・ジョーンズも中野サンプラザでシルクハットかぶってたっけなあ、スザンヌ・ヴェガのデビューもその頃だったはずだしなどと最近のことよりも昔の記憶が鮮明になりつつある加齢によるシャッフルにおそわれて、にしてもステージの彼女はたおやかで涼やかに笑いながら、昔の曲だけど憶えてる?なんていいながら「Luka」を歌い出し、それは懐かしいとかいうよりもワタシの記憶がきちんと肯定されたような感覚なのが何だかやけにうれしい。やはり間違わずに生きている人は美しいなあと思った。

DANIEL LANOIS @FIELD OF HEAVEN
ここにリチャード・トンプソンがいたらこんな風にギターを弾くんだろうなとか、ダン・ペンがいればこんな風に歌ったんだろうなあと、それはダニエル・ラノワの貌が見えてこないということではなくいろんな場所へ彼のギターと歌声が連れて行ってくれる陶酔と憧憬の時間だったのであって、今日はこの時間だけで元が取れたといってしまってもいいくらい贅沢で豊かな70分だったのである。幻想の指弾きおそるべし。

GARTH HUDSONのセッティングに時間がかかって30分ほど押したので、3曲ほど聴いただけで早めにWHITEへ。後ろ髪は引かれたもののここまできて規制にでもひっかかったら洒落にならん。

JURASSIC5 @WHITE
それがなんであってもいいんだけどさ、ほんのちょっとでもハッピーにならないとオレもキミも過ごした時間の意味がないと思うんだよ。でオレたちはさ、誰よりも愉しくてカラフルで自由な気分のままでそれがやれるんだよ、だから一緒にHO〜!って言いなよ、Jumpしなよ、オレたちはエンターテインするためだけにここに来たんだぜ、ってただそれだけを騒ぎ続けた完璧な90分。4MCの掛け合いはまるでボクシングの美しいコンビネーションのようで、GALACTICのゲストで2008年のWHITEに立ったチャリ・ツナもそのバリトンがボディブロウのように突き刺さるのはやはりこのコンビネーションがあってこそだし、ふと左奥に目をやればそのブースではカット・ケミストがポーカーフェイスのままこすり続けているわけで目の前のあれこれに現実味が乏しくて仕方なかったのだけれど、そう簡単に現実を振り払うにはすれっからしが過ぎる身であることを思えば、昨晩に続いての夢見心地は望外の僥倖としか言いようがないし、何しろ明日はロバート・スミスが待っているのである。ああ、しんどいが愉しい。

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FUJI ROCK FESTIVAL '13@苗場/7.26 Fri

frf13
NINE INCH NAILS @GREEN 開演前

むしろ晴天であったほうが疑心暗鬼になる始末なので、予報が悪ければ悪いほど気持ちは落ち着くのである。したがって、昨晩既に雨の上がった越後湯沢駅でシャトルバス待ちしている時に聞いた、苗場では現在烈しい雨が降っていますので雨具の用意をしてバスにお乗り下さい、というアナウンスにも全く落胆することなくそそくさと傘を取り出したわけで、音楽ではなく雨風との対峙がテーマとなる3日間が今年も幕を開けたのである。

ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA @GREEN
ゲストヴォーカリストがトータス松本〜甲本ヒロト〜大江慎也〜チャボと変わっていくにつれロックの怨念が色濃く沈んでいき、トータスやヒロトであれだけ愉しそうに跳ねていたお客が最後には廊下に立たされてでもいるかのように居心地悪く立ち尽くしていたのが痛快で、そもそもロックは不幸に咲いた大輪の花なのだからそれがあたりまえなのである。にしてもヒロトの「ヤングマン」と「情熱の嵐」は文句なしで、特に「ヤングマン」はヒロトの熱唱によって過ぎ去った青春のメランコリーにまで手が届いていたのが思いがけず刺さって束の間グラッとした。

RON SEXSMITH @RED MARQUEE
この間Tシャツの整理をしていたら、おそらく渋谷クラブクアトロの初来日ライブの時に買ったTシャツを見つけたので、これも何かの縁だろうとあまり好きではないRED MARQUEEへ。ステージ後方には彼の似顔絵が大きくあしらわれて、正直言ってさほど美丈夫ではないだけにそのデフォルメされた顔は特徴をつかみつつもはみ出たユーモラスが場にそぐわないような気もしたのだけれど、そんな風な自らの客観視とそのやわらかな理解こそが彼を文字通り生きのびさせてきたのだなあと、90年代のほぼ同時期に陽の当たるところに出て行ったジェフ・バックリィやエリオット・スミスといった夭逝のミュージシャンの記憶を連ねつつ、なにやら真剣に手拍子などしてみたのだった。

THE SEA AND CAKE @ORANGE COURT
あれ何だかベースが違う人だと思ったら、エリック・クラリッジではなくダグ・マッコームズだったのは得した気分なのかどうなのか、マッケンタイアがバストロ化するのがこのバンドの愉しみの一つであるにしろ、それにはマッコームズ先生の受け流し方が涼やかすぎはしまいかと思いつつ、でもアーチャー・プレウィットが何だかアート・リンゼイのようにひきつってるじゃないか、結局みんなNO NEW YORKにやられた口なんだろうと、アメリカ人としては非常に垢抜けた中年男性4人が各々のロック魂を洗練のうちに燃やすさまが非常に好ましく、トータスをトリで見るよりはむしろ贅沢な70分。アーチャーの声ってウィスパー系のわりに消えちゃうことが全然ないのは地声が強いのかPAが優秀なのか、そのあたりも含めこれほど野外フェス向きだとは思わなかったな。

SPARKS @ORANGE COURT
今回はあらかじめスパークスを知ってて愛してる人向けのステージだったかなあ。フェス仕様ではなく現況仕様だったこともあってなのか有象無象をとりこんだ5年前の祝祭は再現ならず。

と、そろそろ夕飯でも食べようかなと思ったところで強烈な土砂降り第一波。立ったまま食べるのはまったくかまわないけど、確実に味つけが変わるほどの雨がビシバシ降り続ける空を見ているうちにやけにあっさりと心が折れてしまい、初日から無理してダメージくらったら元も子もないと言い聞かせつつTOWER OF POWERをあきらめて一度ホテルへの退却を決定。今夜はNINで締めることにする。

NINE INCH NAILS @GREEN
今までいろいろとライブを見てきたけどこのオープニングにはちょっと度肝を抜かれたし、その昂奮を90分間増幅しつつ完璧にコントロールしたステージに誰か上の方の人が敬意を表しでもしたかのように、時折の雷光が客席を蒼白く照らし出す予期せぬ演出には背筋がゾクゾクした。既にYouTubeで公式フルライブが見られはするものの、土砂降りと雷鳴に追い立てられた一日の終わりに、疲労と倦怠が沁みこんだ身体の奥の方でくびきを解かれた白熱する感情はあそこにいた人間でないと手に入れられない特別な疼きで、それが呼応したのは、何がそのきっかけとなったのかはわからないけれど、ここ最近のバンドサウンドからより攻撃的でパーソナルなシーケンスで武装したトレント・レズナーその人の闘争宣言だったのだろう気がしている。ステージで複雑な動きをするパネルはすべて黒衣が人力で動かしているわけで、ツアーの初っ端からしてあれだけ完璧なコントロールを果たしているからにはトレント・レズナーがスタッフに要求したハードルは相当に高かったに違いないと思うし、ツアーを前に脱退したエイドリアン・ブリューは、おそらくトレント・レズナーの意志と理想と野望を完遂するツールとなるほどに自分を殺すことができなかったのだろう。いずれにせよこの夜のトレントは(雷)神様にすら愛されていた。
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2013年07月22日

FUJI ROCK FESTIVAL '13展望

20130722
今年の旅のお供を積ん読から2冊

7.26 Fri
ROUTE 17 Rock‘n’Roll ORCHESTRA
RON SEXSMITH
THE SEA AND CAKE
SPARKS
OF MONSTERS AND MEN
TOWER OF POWER
Char
NINE INCH NAILS

7.27 Sat
AIMEE MANN
SKINNY LISTER
ROCKET FROM THE CRYPT
FOALS
SUZANNE VEGA
DANIEL LANOIS
GARTH HUDSON
FERMIN MUGURUZA KONTRAKANTXA
JURASSIC 5

7.28 Sun
BO NINGEN
YO LA TENGO
WILKO JOHNSON
JAZZANOVA
SAVAGES
TORO Y MOI
MULATU ASTATKE
LOTUS
VAMPIRE WEEKEND
DAVID MURRAY BIG BAND Featuring MACY GRAY
CAT POWER
THE CURE

金曜日はオレンジのTHE SEA AND CAKE〜SPARKS〜TOWER OF POWERが本線。NINE INCH NAILSはエイドリアン・ブリュー脱退ががっかりだから、Char居座りもしくはSKRILLEXでギャンブル。土曜日はSUZANNE VEGA〜DANIEL LANOIS〜GARTH HUDSONのヘヴンが本線。でも一番楽しみなのはJURASSIC 5で「Quality Control」は一番聴いたHIPHOPアルバムかもしんないな。日曜日のWILKO JOHNSONは外せないけど、できれば土曜日深夜のパレスでのセットも見ておきたい。あとはもうTHE CUREの(おそらくは)3時間セットに向けて体力温存。今年は天気予報があまり芳しくなくて、雨に打たれるくらいは何ともないんだけどオレンジの泥地獄はっこう心が折れるので勘弁して下さいと既に弱音吐きまくり。
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2012年08月02日

FUJI ROCK FESTIVAL '12@苗場/7.29 Sun

FRF20120729
※RADIOHEAD@GREEN開演前

また晴れている。おかげで今年は気圧変調性頭痛に悩まされることもなくてありがたいのだけれど、連日の砂埃で鼻くそが漆黒の闇のようである。

JAPANDROIDS@RED MARQUEE
源氏名にJAPANが付いた時の微妙にハイプな感じをアテにしてみれば、これはまあ爽快と言ってもいいインディ・ガレージな2人組な上に、カウントをいちいち日本語で叫んでみたりといった疑似凱旋公演的な熱も手伝って愉しくはあるけれど、年々苦手になっていくレッド・マーキーの閉塞感も手伝って、昼飯確保およびグリーン移動のため中座。

GALACTIC with Special Guests Corey Glover and Corey Henry@GREEN
ゲストとのコンビネーションでまったくモードを変えてしまうこのバンドは、Boots RileyをMCに迎えた前回2008年のアグレッシヴなファンクから、今回はソウルフルでファンキーなタメを効かせるファンクにチェンジしていて、グリーンのレイドバックした空間を満たすにあたってはこれが正解だけど、そういう風に役割に準じすぎるとのめり込むには至らないのがややこしい。ややこしいのはワタシがね。

井上陽水@GREEN
グリーンで数万の観衆の意志が集中して水を打ったように静まりかえる光景の壮観。おそらくある程度は持って行かれるだろうとは思っていたけれど、ここまでとは正直思わなかった。やはり日本語がまとわりついた時は快感がダイレクトだ。ステージと観衆との交歓で互いの体温が上がる時の言いしれない昂奮なのか、陽水が吹き終わったブルースハープをステージから投げ入れる。苗場で歌いあげる「帰れない二人」はやはりあの人へのレクイエムか。音楽は井上陽水という人が内部で抱える底知れない矛盾のほんの一端でしかないのだろうと思わせるデモニッシュに支配された恍惚の1時間。ラッキー。

FUCKED UP@WHITE
ホワイトに到着した時には既に、とめどなく膨張したボニー・ビリーあるいは杉作J太郎のようなヴォーカリストがパンツ一丁の半ケツ状態でステージから客席前方のモッシュに自ら突入しており、そこでダイバーを受け止めて抱きしめながらシャウトは欠かさず、一方ステージでは鬼の形相でピッキングする女性ベーシストをはじめとするバンドが我関せずとハードコアなノイズを間断なく叩き出し、カッコいいとはまさにこういうことであると、額にでも入れて飾っておきたい光景であったよ。直前のグリーンとのあまりの落差にクラクラするもののこれがフェスというごった煮の醍醐味で、ずっとゲラゲラ笑ってた。

ELVIS COSTELLO AND THE IMPOSTERS@GREEN
ブルース・トーマスを欠いているからアトラクションズを名乗らないだけでアレンジ自体はアトラクションズのバンドサウンドそのもので、さすがに初期の曲ではブルース・トーマスの歌いまくるベースを物欲しげに想ったりもしたけれど、”Clubland”や”Beyond Belief”をこんな風な性急なアレンジで聴けるとは思いもしなかったし、ドスの効いた”I Want You” あたりの選曲も含め、アトラクションズとの1984年の渋公ライブをオールタイムベスト5の一つにランクしてる身としては望外の喜びといえるステージで、実質今年のトリと言ってもいいくらいだったのである。インポスターズとこれをやるためにダイエットしたのかダイエットしたらシャープな気持ちになったのかわからんけど、リキッドくらいのサイズの箱で浴びるように聴きたいなあと思ったよ。

RADIOHEAD@GREEN
2008年に見た時も思ったけどライブステージというよりはインスタレーションと言った方がふさわしい本人の不在感は、こちらとあちらの交歓など既に必須の条件ではないということなんだろう。ただ、2010年のAFPなどではそこに発散とか燃焼の印もあったものだから、あくまでこのバンドについてはもうこういうことなんだろうし、それはそれで筋が通っているようには思う。筋は通っているけれどワタシは立ったまま何度か確かに寝落ちした。

キース・レヴィン&ジャー・ウォーブル、ストーン・ローゼス、スペシャルズ、井上陽水、エルヴィス・コステロといったあたりで特に気分がはしゃいだことを思うと今が2012年とは到底思えないのだけれど、それは彼らが生き延びているロックの幻想がいまだ有効である証にも思えて、ならばもう少しの間はそれをアテにさせてくれないかというのが、かつての反動の余力で生きながらえている人間のわりと真剣なお願いなのである。というわけでRight Time Right Placeをどうかよろしくまた来年。
posted by orr_dg at 22:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | Live | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月01日

FUJI ROCK FESTIVAL '12@苗場/7.28 Sat

FRF20120728
※THE SPECIALS@GREEN開演前

この日も抜けるような青空をいぶかしみつつ、久しぶりにゴアのトレッキングシューズからウォーターモカシンに履き替えて午前中は例のごとくドラゴンドラで天上に向かい、アイスクリームなどなめつつダラダラとゆるむ。

SEUN KUTI & EGYPT 80@GREEN
シェウンが 「アフリカン・ジャズでもアフリカン・ポップでもない、これがオリジナルのアフリカンミュージックなんだよ、オリジナル!アフリカン!ミュージック!な」とまくしたてていて、まあそれはそれでこちらもそのつもりで愉しんでいるから問題はないんだけれど、そこできっちりかみ合ったまま済んでしまう不幸というのもあるのかなあと思った。 あのオヤジさんの生きざまを間近に育って反面教師としてのバランサーを選んでしまったような気がしないでもない。結果として洗練はされていくけれど混沌が爆発したりはしないんだろうな。ここにJAGATARAがいればなあとふと思ったりもした。

THE HEARTBREAKS@RED
エドウィン・コリンズがプロデュースした直球ネオアコと知ってチェックしてみればフックの効いたメロディに乾いた感傷を乗せたジャングリーで、新人にしては演奏も含めかなり足腰のしっかりしたバンドだなあと思ったけど、80年代にあちこちで転んでいたバンドにあったマイナーコードにすがるしかなかった者たちの怨念というか小声の呪詛というか、そういうめんどくさい手続きを取っぱらった如才なさこそがスマートなんだろうけど、ステージも客もやたらキラキラしてたからワタシがおよびでないだけでケチをつける筋合いは一切ないです。

RAY DAVIES & BAND@GREEN
だからオッサンは素直にこっちを見てればいいわけで、遠目で見たレイ・デイヴィスは何だかトールマン@ファンタズムのようにも見えて完全におじいちゃん(68才!)なわけだけど、衝動に頼らず芸風を磨いた人は“枯れていく”ことが味わいとして許されて、そういう人だからこそお客さんを置き去りにすることもないステージが愉しくないはずがない。にも関わらずCARIBOUを見るためにWaterloo Sunsetを聴いたあたりで中座。

CARIBOU@WHITE
マニトバの頃はそれなりにチェックしてたのが改名したあたりから疎遠になってたのでちょっとした懐かしさも手伝って足を運んでみれば、今のバトルズなら断然カリブーでしょと知ったかぶりしてふれまわりたくなるくらい、踊れるエクスペリメンタルとして圧倒的なステージでちょっとばかり驚いたので帰ったらアルバム買うことを決定。とか言いつつ、スペシャルズ見るためにこちらも中座。

THE SPECIALS@GREEN
リユニオンのニュースを聞いた時、ジェリー・ダマーズの不参加はともかくとして、スペシャルズから遠くへ遠くへと離れるようなキャリアを続けていったテリー・ホールがよくうなずいたなあと思ったけど、なかなか報われることがなかったソロキャリアを思えば、こうやってニーズに応じることで見返りを回収することにまったく異議はないどころか、あの声音をこれだけ維持してビートに乗れていた時点で文句なしというか、メランコリーが深刻に進行したような相貌以外は予想以上に忠実な再現で、”Ghost Town”以外は聴きたい曲をほとんど演ってくれたこともあってまあ騒いだ。となれば来年あたり、27年振りにアルバムをリリースしたデキシーズ(akaデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ)をまだ見ぬ大物としてレジェンド枠でブッキングしてはくれまいか。そのころまだケヴィン・ローランドがもろもろをぶち壊してなければの話だけど。

BUDDY GUY@ORANGE COURT
グリーンではしゃぎすぎて少し疲れたので最初は後方でイスに座って堪能。目を閉じてギターの音だけを聴いているとまるで頭の中の悪魔を追い出すかのような電撃に目を開ければ、ギターを抱えた祈祷師はにこやかに笑いながらどつきつつ祓いまくっているわけで、いったいどういう人生をおくればああいう輪郭になるのか、何かもうかなわんなあと思う。曲間にヘヴンからSTEVE KIMOCKのギターが洩れてくれば「こりゃオレの ”CD” じゃねえな」とあくまでにこやかに切り捨てる沸々とした貫禄といい、ジミヘンで飄々と愉しませるサービス精神といい、高貴に光り輝く下世話は芸能の誉れ。ありがたや。
posted by orr_dg at 23:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | Live | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月31日

FUJI ROCK FESTIVAL '12@苗場/7.27 Fri

FRF20120727
※THE STONE ROSES@GREEN終演後

雨の降らない驚きの前夜祭から半信半疑のままカーテンを開けてみれば信じがたいほどの青空で、ゴアのジャケット持たずにホテルを出るのもえらく久しぶり。日焼け止めなんかも塗ったりしてまるで夏のようじゃないか。ただ、快晴がもたらす苦痛も知っているので何事もほどほどにと願ってみれば、じゃあいったいどうして欲しいのだお前はという我ながら面倒くさい客ではある。

THE TROJANS@FIELD OF HEAVEN
とか何とか言いながら汗のしたたる日射しの中、HEAVENでザ・トロージャンズが刻むスカにカルカン猫まっしぐら状態で一気にモード修正。文句は一切言わないので、今年は暑いやつでお願いします。そして願いは聞き入れられた!聞き入れられ過ぎた!

DJANGO DJANGO@WHITE
結局ザ・トロージャンズをフルステージ見たので途中参加。金曜の真っ昼間からホワイトにしてはけっこうな客入りで、失敗した絞り染めみたいなTシャツに膝丈パンツ、ブロンドの短髪で揃えた4人のキャンプっぽさはいなたいヴァンパイア・ウィークエンドって感じなのかと思いきや、各々が気ままに紡いだように聞こえるレイヤーの波紋が重なった瞬間に弾けるのはあくまでもポップソングの閉じた楽天性で、ワタシはアルバム未聴だからスタジオでこれをどうやってたたんでるのかわからないけれど、何かに似てるようで似てない感覚の目眩まし方には素直に乗っかってみようかなという気分になる。系譜としてはGomez〜The Beta Bandの末裔ってところか。当たり前だが褒めてる。

THIRD COAST KINGS@WHITE
ワウギターのカッティングに鋭角的でストイックなホーンのリフがまるで70年代クライム・ムーヴィーの劇伴のような冷熱の狂騒を生んで、スタートから約20分の間サックス2本とトランペットとトロンボーンが入れかわり立ちかわりリードを取ってノンストップのまま走り続け、ああこれはまたとんでもないバンドがいたもんだと感銘を受けていたところに突然白い燕尾服のヴォーカリストが登場したもんだから、もしかして今までのこれ全部ウォームアップだったのかと更なる感銘を受けようと身構えたところが、なんだかダイナマイトなシンガーとそのバンドという普通のソウル・ショーになっちゃって序盤のマジックが見当たらなくなってしまったのである。となれば、フルステージ見るとオレンジのメタルボックスに間に合わないなとやきもきしていたところだったので、これ幸いと中座。ソウル演歌の湿り気で急に汗かきな音楽になっちゃったのがとっても残念で、1時間あの調子でやられてたらおそらく身動きとれずにメタルボックス遅刻してた。

JAH WOBBLE & KEITH LEVENE – METAL BOX IN DUB@ORANGE COURT
IN DUBと謳ってるわりには、ああキース・レヴィンのギターだな、ジャー・ウォブルのベースだなと至極真っ当な感慨を抱ける程度には端正なアレンジで、このままインストで押し通すんだったらもう少し遊んでくれてもいいのにと思い始めたところで、やおら謎のマスクマン登場。クソ暑い中、出来そこないのルチャのように素っ頓狂なマスクをかぶって(被らされて)ヒョウ柄のロングコートを着た若者が、何らかのヴォイス・トリートメントは施されてるにしろメタルボックス・ライドンの声色で”POPTONES”あたりを歌い出し、ここに至ってこのオッサン2人が何とも悪意のあるショーを目指していることが分かり始める。ジョンが自分たち2人をオミットしてPILを再起動したのがムカついて仕方がなく、ただそれは必ずしもお金のことだけではなく取り分をよこせと言うことで、俺たちのアイディアがなければメタル・ボックスが成立したかい?という当てこすりにしか見てとれず、しかもキース・レヴィンはビートルズのTシャツ着て笑顔ふりまくわ、ジャー・ウォブルはパイプ椅子に座ってベース弾いてるわと、キミたちそんなに怖い顔しなくてもオレ達これくらいいつでもできちゃうからさ!とでもいう、才能と時間の無駄づかいを嬉々としてやって見せるわけで、それが愛にしろ憎しみにしろ未練たらたらなのは自分たちの方であることが周知になろうと、そういうことはもうどうでもいいんだという大人げのなさと、にもかかわらず客が欲しがってるものに少し色をつけてちゃんと放ってくれるという点でショーとしても文句ない上に、そうした大人の事情に巻き込まれてしばしば所在なさげな偽ライドンが見せる一瞬の寂寥を含め、他人事ゆえの無責任を囃し立てるのが愉しくて仕方がない。もう気が済むまでやればいいと思う。

ERNEST RANGLIN@FIELD OF HEAVEN
密やかに艶っぽいジャズのトーンに時折切り込むとっぽさはストリートワイズの洒落っ気か。撫でまわしてしなだれかかりながらも毅然と譲らず、こういう音をにこやかな笑顔のうちにひり出せる人生を尊敬する。バンドもえらく手練れだし、ライブ音源がDL販売でもされたら速攻で買って日々の透き間に塗りたくりたい。

で、思ったよりも早い内からGREENが密集し始めそうなので、本日の目的であるローゼスに備えて早めに移動することに。そのあおりでGOSSIPやLOS LONELY BOYSはチラ見にとどまったのがもったいない。ローゼス前のBEADY EYEはと言えば、ワタシはオアシスへのロイヤリティが皆無なものだからリアムにしろノエルにしろどういうストーリーを描いているのかさほど興味がないのだけれど、オアシス曲と自前の曲の愕然とするくらいの落差と、それでもオアシスの曲を終盤の追い込み時に突っ込んでくるサービス精神、というかおそらくは気の小ささには痛々しさすら感じさせるし、リアムも含めそもそもバンドがひとつも楽しそうではなくビジネスの消化に徹しているようなのが、これも一つのモンキービジネスだねえと野次馬としては言いたい放題なのであった。

THE STONE ROSES@GREEN
「バンドなんて思春期そのものじゃん」と吐き捨ててバンドをブレイクした某ベーシストがいたけども、ローゼスの不幸はその思春期のまま急速かつ永遠に凍結されてしまったことにあるわけで、それがもたらした伝説が世界になじみ始めた頃に届けられた2ndの青春と老成が同居したような袋小路に、今さらそんなこと言われてもと戸惑った感覚は同時代のリスナーなら程度の差こそあれうなずけるんじゃなかろうか。だから今回の再結成はまずは自分たちが置き去りにせざるを得なかった思春期を解凍して弔ってやることが目的であるように思えるから、ワタシ達との新たな共同幻想を獲得する気分は今のところさほどないように思う。当時、ローゼスがやろうとしていたのは(どこまで意識的だったのかわからないけど)音楽スタイルというよりは飛び地を横断する手法としてのヒップホップが可能にする「サマー・オブ・ラブ」の再構築にあったような気がして、当時のローゼスに呑み込まれた記憶というのは音楽的な衝撃と言うよりは正体不明の昂奮の真ん中にローゼスがいたという発見によっているように感じるから、当時のRO周辺で渋谷陽一の世代とそれ以降の世代とでは「これただのバーズじゃねえか」「ああもうあんたはあっち行っててくれ」という乖離があったことなども憶えている。で、どうしてこうグダグダと益体もない文章を書き連ねているかというと、今のローゼスに演奏のあれこれをあげつらうツッコミをしてもまったく意味がないということで、4人がステージに揃うことを条件に少しずつ返済されていく時間の記憶が放つ光と熱が確認されさえすればそれ以上望むものは特にないのである。そうした意味では期待をはるかに上回るステージで、できればすべてがチャラになるまではこれを続けていって欲しいなと思う。
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2012年07月23日

FUJI ROCK FESTIVAL '12展望

FRF12


7.27 Fri
THE TROJANS
DJNAGO DJANGO
THIRD COAST KINGS
JAH WOBBLE & KEITH LEVENE
ELECTRIC GUEST
ERNEST RANGLIN
GOSSIP
LOS LONELY BOYS
THE STONE ROSES
JAMES BLAKE

7.28 Sat
SEUN KUTI & EGYPT 80
TOOTS AND THE MAYTALS
THE HEARTBREAKS
RAY DAVIES & BAND
ELVIN BISHOP
CARIBOU
THE SPECIALS
STEVE KIMOCK
SPIRITUALIZED
BUDDY GUY
OL KILLER
電気グルーヴ

7.29 Sun
JAPANDROIDS
GALACTIC
井上陽水
FUCKED UP
DUMPSTAPHUNK
EXPOLSIONS IN THE SKY
ELVIS COSTELLO AND THE IMPOSTERS
DIRTY DOZEN BRASS BAND
REFUSED
RADIOHEAD

正直言うと25日のジャパンプレミア@東京国際フォーラムで気もそぞろなのだけれど、一応おさらいをしとく。
金曜はジャー・ウォブル & キース・レヴィンさえ押さえればあとは成り行きでいいくらいなので、今回はきちんと入国してください。武道館の時はレニがいなかったのでオリジナルローゼスは今回が初見。出オチっぽかったらジェイムズ・ブレイクへ。土曜はグリーンでは珍しい2時間枠のシェウン・クティの時くらいは日が照ってくれればなあと思う。夜の部は結局移動がめんどくさくなってレイ・デイヴィスからザ・スペシャルズはグリーンに居座りな気も。で、気力が残ってたら岡村ちゃんと電気。日曜はコステロとダーティ・ダズンの被りがイタい。ATDIは特に思い入れもないし今年のレディヘはクロージング込みなので一応出席予定だけど、悪天候だったら地蔵はつらいからやけくそモードで渋さにシフトするかもしんない。今のところ近年にないくらい事前の天気予報は良好なのだけど、湯沢の駅前と苗場ですら天気は一変してるのでまったく期待はしてません。
それにしてもなあ、アン・ハサウェイ見たかったなあ。顔の半分くらい目なんだろうになあ。
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2011年08月17日

PUBLIC IMAGE LIMITED@新木場STUDIO COAST 2011.8.15

20110815 PIL

1983年サンプラはチケットを取りながらややこしい事情で観に行けず、これが人生初ライドン。ブルース・スミスと一緒だっていうしサマソニでの評判も上々みたいだから一度くらい観ておこうかなって程度で当日券入場してみれば、2時間超のステージを完璧に支配したパフォーマーとしてのジョン・ライドンに圧倒された驚愕のステージ。気ままに歌いとばしてれば済んでしまうピストルズと違って、このバンドの場合はヴォーカリゼーションのデリケートなアレンジもシビアに要求されてしまうわけで、それをごく当たり前のように終始こなしていく姿は間違いなくプロフェッショナルのそれであったし、しかもそれをエンターテインしつつ同時に白熱化していく姿には自分が導き出したかつての解答への責任感も溢れていて、ああ、この人は何ひとつ忘れていなかったのだなあと感動すらしてしまったのである。そしてジョン・ライドンのそうしたアグレッシブな意志をバックアップするバンドが強力で、ブルース・スミスは言うまでもなく、特に "POPTONES" "ALBATROSS" "DEATH DISCO" "MEMORIES" といった『METAL BOX』のトラックで顕著なキース・レヴィン以上にキース・レヴィンらしい神経症的なフレーズは、完コピとかいう矮小な決めつけを軽々と超える熱量に終始あふれていたし、"RELIGION II" 後半では明らかにジャー・ウォーブルの残影を蹴り出すようにジョン・ライドンは「もっとベースを上げろ、もっとだ」と煽りまくって、風さえ吹いてきそうな爆奏低音には鼻血が出るかと思ったよ。ロックのエクスペリメンタルな局面ということで言えばポスト・パンク以降の道筋をつけたのは明らかにこのバンドの初期3枚のスタジオアルバムと1枚のライブアルバムなのは間違いないし今さらワタシ風情が語るのもおこがましいけれど、この夜に心底驚いたのは、本当にごく自然に当たり前のごとくその道筋の果てにジョン・ライドンとバンドが立っていた事で、そうやってかつて正しかったものが変わらず正しくあることの美しさが目に焼きついたステージではその首謀者が満面の笑みで手を振っていて、つい数時間前とのワタシ自身の温度差に苦笑いしながら一生懸命手を振り返してみたりしたのである。そしてそもそもこのバンド名自体が、いつも本質から少しズレたところで勝手に見失ったり勝手に発見したりして騒ぎ立てるワタシのような世界の住人に向けた宣戦布告でもあったのだなあと今さらながら思い至り、家に着いたら『孤独な餓鬼道』(北村昌士がジョン・ライドンについて記した非常に秀逸なテキスト)を久しぶりに読み返そうなどと思いつつ、帰りの有楽町線でうつらうつらしたのであったよ。
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2011年08月04日

FUJI ROCK FESTIVAL '11@苗場/7.31 Sun

frf20110731
WILCO@WHITE開演前

天候も多少は落ち着きそうなので、とりあえず一回は行っておこうと運行再開したドラゴンドラで天上へ。そしたらレストハウス前で結婚式やってました。ドラゴンドラ動いて良かったねえ。というわけで昼過ぎまでのアクトはすべてスルー。日を追うごとに執着が薄れていきます。

BRITISH SEA POWER@WHITE
AVALONで昼飯を食べた後でちょっと坂を下って見に行った。ヴァイオリン女子が加わっていたせいもあるのか前回のGREENで炸裂していたショーマンシップは若干おとなしめになったものの、1枚も音源持ってないワタシのような客もすんなり愉しめる開放感は完全にフェス向き。絶えず客の方を向いてながら手の止まらない演奏はツアーで叩き上げてんだろうね。そう言えば前回はTシャツ買いました。

MANNISH BOYS(斉藤和義x中村達也)@GYPSY AVALON
中村達也チェックだったはずが、例のアレも手伝ってかAVALONが凄まじい人で溢れたせいで達也の姿はまったく見えず。どうやらMANNISH BOYS名義による音源のリリースもあるようで、例によってやんちゃをやるエンジンとして達也がかり出されているようで、まったく気の利いてない直情径行型のレベルソングを二人してがなり立ててた。例のアレはフルコーラス演ったけど、アレについてはすべてを個人的な出来事として各論で表明しない限り総論に意味などないでしょうという意思表示だったように思うし、自らピエロになって下世話に転がすという狙いについては、かつてZERRYという人が打ち立てた金字塔への敬意の意味合いもあったんだろうと思う。だから客が喜ぶうちはピエロのままとことん演りつくすべきだし、そもそもアレで何かが変わると思うほど斉藤和義はうぬぼれてないと思うよ。

TINARIWEN@FIELD OF HEAVEN
チラ見してからトイレ行こうとか食べもの買いに行こうとか思ってたのが、聴けば聴くほどずぶずぶはまって動けなくなった。ギター2本(アコギ、エレキ)とエレキベースとパーカッションの4人編成で全員ターバンに民族衣装。アフリカン・ブルース・ロックとかいう感じで紹介されてるけど、いわゆるブルースのコード進行というよりは、控えめだけどかなり奇妙なポリリズムと抑揚を抑えたヴォーカルにギターがユニゾン気味にまとわりついてのドローン気味なループが非常にヒプノティックに足元から効いてくる。で、途中で客席に求めたハンドクラップがこれまた裏でも表でもない厄介なリズムで、あれだけ一生懸命集中して手を叩いたことなんか初めてだったよ。というわけで今回ぶっちぎりの未体験ゾーン。

CORNERSHOP@FIELD OF HEAVEN
ステージで鳴っている音と歌はまごうことなきCORNERSHOPなんだけど、まあ何というかティジンダーという人のキャラクターをまったく読み違えてた気がする。声を張ることもなくただ歌い、弾くというより撫でるようにギターを弾き、直立したまま体のパーツで動いているのはギターに添えた両手だけだし、他にすることと言えばやたらと水を飲むことで、落としたペットボトルのキャップが転がるのをじっと見たかと思えばそのままで、飲み干したわけでもないのに新しいのを開けてみたりする。やる気がないというか異常に淡々としてるというか、まるで最初期のJ・マスキスのようである。半分だけ見て中座しちゃったので最終的にどう転んだのか分からないけど、飄々としてチャーミングなビートの首謀者があんな風な暖簾に腕押しクンだったことにけっこうな衝撃を受けたのは確かで、ただまあ正体が割れたという点でスッキリとはしたので良しとしよう。

YELLOW MAGIC ORCHESTRA@ GREEN
再始動後は基本的にアンビエントなアレンジが中心であるようなことを聞いていたので、この夜の思いのほか硬質でビートコンシャスなステージは、311以降の世界へのステートメントでもあるのだろうと思う。世界を矯正するストイックと端正な官能が同居して、GREENでこういう気分になったのは初めてだった気もする。部屋でもう一度ヘッドフォンで聴きたい。

CAKE@WHITE
コンバインを運転してる人か、桟橋で釣りの餌売ってる人か、要するにいなたさ最大級の人が酸いも甘いも噛みしめた声で歌い上げます人生を!ってな感じの、おもしろうてやがて悲しきCAKEのみなさんをwilcoの素晴らしき露払いとさせていただいたよ。

WILCO@WHITE
時間もないから喋ってないでどんどん演ろうか!ってジェフが言うくらいで、約90分20曲の至福。終盤でのBeing There 3連発は、拙くも心を込めて歌ったJesusのご褒美でしょうか。昨年の単独と今回とでこちらの欲求不満もだいぶおさまったし集客のめどもそれなりに立ったような気もするから、これからはアルバムツアーの度にちょこっと寄り道してもらえればうれしいなあ。といったわけでWILCOで3日間を締めるという僥倖もあって、BUDDY GUYのキャンセルは残念だったけども、鬱陶しいことは全部忘れて東京に帰れます。ではまた来年、ごきげんよう。あ、GRINDERMANでもなんでもいいのでそろそろNICK CAVEが見たいです。
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2011年08月03日

FUJI ROCK FESTIVAL '11@苗場/7.30 Sat

frf20110730
※FACES@GREEN開演前

ホテルの部屋でテレビを点けると平地ではずいぶんと荒れた天気になっているようで、こちらはそれほどではないにしても寒いわ雨は止まないわで、午前中に予定していた天上行きもドラゴンドラ運行中止の憂き目に遭ったことで予定変更に。ただ低気圧の状態で安定してるせいか気圧変調による頭痛が出ないのはありがたい。

FOUNTAINS OF WAYNE@GREEN
雨まじりの曇天の中、いくらかでも陽が差しているかのように錯覚させてくれるパワーポップはうれしいのだけど、やっぱり青空が欲しかったなあともったいなく思うことしきり。

あらかじめ決められた恋人たちへ@FIELD OF HEAVEN
名前だけで音に関する前知識は一切なし。批評性のセンスよりは意志と肉体の出会う場所を拠りどころにしようとしていて、ジャパニーズ・ダブの系譜としてはミュート・ビートにつながっていくのだろうなという感じで、思わずそのバンド名を出してしまったくらいには意表をつかれて愉しんだ。この辺りで、履き慣れた靴にも関わらずどうにも左足の親指と小指が痛くて仕方ないので、絆創膏を貼るためにいったんホテルへ帰ることに。

BATTLES@GREEN
結果としてGREENの客を揺らすダンス・ミュージックとして機能していてそれはそれで愉しかったのだけれど、それはタイヨンダイ期にあったような、乱反射した音の粒がドラムを軸に絡みついて次第に二重らせんのようにうねり出すカラフルでプリミティブな情動をあきらめビートのデザインという一点突破に賭けたあげくの暫定勝利であって、この先の新しいヴィジョンを見せてくれたかというとそうとも言えない点で曖昧なステージだったなあと思った。愉しいからいいじゃんていかないところがこのバンドの厄介なところだからねえ。

TODD RUNDGREN@FIELD OF HEAVEN
かっちりとしたバンドサウンドでのポップ・チューンも良かったけど、中盤でつなげたソウル〜R&Bのメドレー(Ooh Baby BabyとかI Want Youとか)が声のつやといいハリといい素晴らしくて、序盤は少しあやしかったファルセットもきれいに抜けてたし(おそらくはわざと)あちこち少しづつズラして気をもたせながらもみんなが期待するトッド・ラングレンを演じてみせたプロデューサーとしての采配は憎いくらいだけど” I Saw the Light ”は演るけど” Hello, It’s Me ”は演らないその腹八分目感覚についてはやはりよく分からないのであったよ。

MARC RIBOT Y LOS CUBANOS POSTIZOS@ORANGE COURT
GREEN へ向かう都合もあってほんの少ししか見られなかったのだけど、ギターの音色がもろに” Jockey Full of Bourbon “だったりしたものだから後ろ髪をひかれることこの上なかった。ちなみにORANGEではエスプレッソが飲めるので重宝してる。

FACES@GREEN
ローリング・ストーンズ、ザ・フー、セックス・ピストルズ、シンプリー・レッドがステージに立っていれば一見パーティ・バンドなわけだけど、それがフェイセズのいく分チャラいバンドイメージにしっくり来た上に、このメンツの中で下手を打つとかなりみっともないことになるミック・ハックネルの気合いとグレン・マトロックの軽やかでグルーヴィーなベースという外様の奮闘に加えて、ストーンズでは常にキースの下支えに回らざるを得ないロン・ウッドがエゴを解放して弾きまくるとなれば放っておいても熱気はこもるわけで、各種の杞憂があっという間に吹き飛んだ素晴らしく真摯でファンキーなステージだった。ところでモッシュピットでワタシの隣にいた20代とおぼしきミニアフロ君は、シンガロングを求められた曲(Ooh la LaとかAll Or Nothing、Stay With Me)のほとんどで完璧に対応してて、熱心な予習組なのかディガーなのかわからないけどキミに幸多かれと思わず祈ったよ。
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2011年08月02日

FUJI ROCK FESTIVAL '11@苗場/7.29 Fri

frf2011
※B.A.D.@WHITE開演前

ネガティヴ満載の天気予報で心はどんよりとしたまま既に折れそうな心を上から下までGORE-TEXでフル装備してみれば、何だこれくらいなんてことないわ、もっと酷い目には何度も遭ったし、と拍子抜けしてみせるのは不感症のせいなのかどうか、でも苗場でさえ非日常を掴まえられなくなってるのはまあ確かで、こうやって人は枯れていきます。

DAD MOM GOD@GREEN
池畑潤二、アイゴンとかいった名前につられてみたけど、それだけの面子を集めても演りたいのは真っ黒いスカパラかなあと。冷牟田氏がこだわるロックの窮屈な感じはそんなに嫌いじゃないんだけど。

NATSUMEN@ORANGE COURT
聴く度に思う夏が熟れて落ちる寸前の焦燥がいつにも増して切なくて胸がいっぱいになり、NATSUMENもAXSXEも今度こそ大丈夫だろうという気がした。いや、今度こそというか今まで以上に。アインもえらそうにしてたしな。いや今はホインか。9月にはアルバム出るしツアーもあるから正座して待つ。それにしても新しい名刺代わりにしては饒舌すぎて熱すぎて心が溶けた。

GRUFF RHYS@RED MARQUEE
SFAをコンセプチュアルな縛りで転がすのはもう一杯一杯な気もするから当面はこういうのでいいんじゃないかと思うし、ネオンネオンみたいな飛び道具よりはゴーキーズみたいにドリーミーな方が嬉しいから今回はけっこうフィットして愉しかったけど、マヌ見るために後ろ髪引かれつつ中座。

MANU CHAO LA VENTURA@GREEN
2002年のステージとはバンド編成も全く異なるにしても、何よりマヌ・チャオ自身に9年の歳月を感じてしまったなあというのが正直なところ。客の上げ下げだけとってみればさすがのステージングだけれども、全身で体現していた音楽の力と意志がどうもメランコリーを帯びてきたような気がするし、スクリーンにアップになった顔にもどこか苦みが漂って言ってみればRebel Waltzの風情だった気もする。彼のようなアーティストに対して想い出で語り続けるのはふさわしくないかもしれないけれど、一度絶対を感じたものは永遠に絶対であって欲しいと思ってしまうワタシたちのエゴが疲弊させてしまっているのだろうなと思うといろいろと複雑ではあるし、ワタシも年を取った分だけ相応に賢くなってるわけでもないのがさらに申し訳なく思ったりもしたよ。でも見られて本当に良かった。

LEE SCRATCH PERRY with MAD PROFESSOR@WHITE
一つ終える度にMAD PROFESSORのブースのところへ行っちゃあ、次は何だっけとセトリをしげしげと眺め、入りがうまくいかないともう一回やり直しだわなとトラック止めて、Push Up Rain、Push Up Rainとトーストすればその後で降りが強くなるわ等々、まあ知ったこっちゃないわなのスピリットへ羨望の眼差しを向けてたら時間前にも関わらずひょいと消えてしまうわで、こんな風に野望が自分の内にしか向かわない人間ばかりなら世の中がどんなにピースフルであることか。まあその代わりに発展もないだろうけど、それで払わされるツケとどっちを選ぶかなんていうことを満艦飾の爺さんの佇まいから考えさせられるとは思いもしなかったな。

SISTERS OF MERCY@RED MARQUEE
徒花は徒花のままに俺はコレで飯を喰ってるぜという潔さはカッコイイけど、さすがにいくら何でも焚きすぎだろうっていうスモークに見え隠れするアールの効いたエルドリッチの腹のラインにヒプノティックなゴスビートがまとわりついた結果、立ったまま寝落ちすること数度の後、 奥地に向かうため中座。しかし向かった先のWIDESPREAD PANIC@HEAVENでベースプレイヤーが昨晩苗プリ内の売店で見かけて、バムの父ちゃんくらいあるかなとか言ってた巨大な容積の外人であったことを確認した後で沈没。

BIG AUDIO DYNAMITE@WHITE
ポケットチーフ差したスーツに帽子で登場したクラッシュの“粋”担当は、帽子を取った頭がどれだけ禿げ上がっていようと生きのびた者に特有のそのフラットな身のこなしであくまで軽やかにふんわりとそして笑みを絶やさず、一度正しいことをするとずっと正しくいられるのだなあと、正しくありたいともがいてばかりの人間は羨望と尊敬で少し泣きそうだったのである。1982年、1993年、そして2011年。できればもう一度くらい会えればいいなと思う。
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2011年07月26日

FUJI ROCK FESTIVAL '11展望

FRF11

7.29 Fri
NATSUMEN
ソウル・フラワー・ユニオン
NOAH AND THE WHALE
GRUFF RHYS
MANU CHAO LA VENTURA
RON SEXSMITH
LEE SCRATCH PERRY with MAD PROFESSOR
SAM MOORE
SISTERS OF MERCY
BIG AUDIO DYNAMITE
FOUR TET

7.30 Sat
SHONEN KNIFE
FOUNTAINS OF WAYNE
G LOVE & SPECIAL SAUCE
OBRINT PAS
BATTLES
TODD RUNDGREN
MARC RIBOT Y LOS CUBANOS POSTIZOS
FACES
CONGOTRONICS vs ROCKERS

7.31 Sun
RINGO DEATHSTARR
SHUGO TOKUMARU
THE KILLS
なぎら健壱 & OWN RISK
MANNISH BOYS
CORNERSHOP
YELLOW MAGIC ORCHESTRA
DARK STAR ORCHESTRA
BUDDY GUY
WILCO

金曜はMANU CHAO、SISTERS OF MERCY、BIG AUDIO DYNAMITEあたりを。FOUR TET見たいけど次の日の午前中つぶす覚悟しないとな。土曜日はBATTLES、TODD RUNDGREN、MARC RIBOT、FACESがいい流れだけど、トッドはブルース・セットじゃないよねとちょっと心配。あとFACESはラインアップからするとオリジナルよりカラフルにファンキーっぽいのでけっこう愉しみ。日曜日はCORNERSHOP、BUDDY GUY、そしてついにWILCOが苗場降臨ということでこの時だけでも雨は勘弁願いたいな。
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2010年10月06日

RUFUS WAINWRIGHT@JCB HALL 2010.10.5


Rufus Wainwright@JCB HALL

第1部は新譜 "All Days Are Nights : Songs for Lulu" の完全再演で、アーティストの入場から退場まで一切の歓声拍手はまかりならぬという異例のお達しに開演前から客の方が緊張気味。ルーファスの意図としては、今回のアルバムツアーでのパフォーマンスは亡くした母親への鎮魂なのであるから、歓声拍手はふさわしくないということなんだろう。まあその割には本人、ピアノも歌もけっこうミスってたけど。加えてパフォーマンス中にはステージ後方のかなり大きなスクリーンに映像が投影されていて、それは新譜のジャケットカヴァー等に見られた周囲をマスカラで黒く塗りつぶした片眼のイメージなのだけれど、スクリーンに浮かんだ黒く巨大な円形が瞬きをする様子はどう見てもバックベアードにしか見えなくて、一度そう思ってしまったらもうそうとしか見えないから、大小様々なバックベアードが配置されてしまえば、ああ、あの一番大きいのだけは瞬きしないなとか、あ、涙が出てきた、バックベアードが泣いている!とか非常に不謹慎だったことをお詫びします。でまあ、夕ご飯前でお腹が鳴ったらどうしようなどという危惧もなんとか、ブレイクを挟んだ第2部ではバックベアードも消え去って、本人も「やることやったから後は愉しみましょ!」的な躁状態でピアノをがんがん叩いて歌いまくる。合間に時差がどうのとかぼやいてたから前半は本調子でなかったようで、確かに曲が進むにつれて声のテンションがどんどん上がっていくのがよく分かったし、このスタイルだと "Cigarettes and Chocolate Milk" とか"Going to a Town" みたいに少し翳ったポップソングがとてもよく映える。中盤で "Memphis Skyline" に入る前にジェフ・バックリーの名前を口にしていて、時期的に彼の不幸とルーファスのデビューがほとんど入れ違いだったこともあって、デビューアルバムの賛辞にはジェフ・バックリーの名前も引き合いに出されていたように思うのだけれど、あの悲劇にはワタシですらカート・コヴァーンどころではないショックを受けたくらいだから、ルーファスの喪失感も相当なものだったのだろうと思う。この夜はその後で "Hallelujah" も歌っていてワタシも何だか胸がざわついてしまってたものだから、帰宅後に "Live at Sin-e" をすべて2時間以上流してしまったりして、今日は眠くて仕方がない。

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2010年08月05日

FUJI ROCK FESTIVAL '10@苗場/8.1 Sun

最終日。ここ何年か必ず1日は頭痛で面倒なことになってたけど、今年は医者で処方してもらった血管収縮剤が奏功して朝方のモヤモヤを何とかクリア。でも一錠300円するんだよなあ…。

OCEAN COLOUR SCENE@GREEN
レッドのYEASAYERとどっちにしようかなと思ったけど、こっちでボ〜ッとすることに。グリーンで「The Riverboat Song」とか聴いてると今が2010年なんだか自分が何歳なんだか分からなくなってくる。奇妙なデジャヴュ。こういう足さないけど引かないようなポロシャツの着こなしとかは米国人は絶対無理。粋だわ。

VAMPIRE WEEKEND@GREEN
こんな風にノンギミックで正面突破するバンドだったのか、たまたまなのか、ダンス・ミュージックの色気をそぎ落としてCDで聴くよりも性急な感じで面白かったけども、あの独特の多幸感みたいなもんは薄れちゃってグリーンで大勢踊らせるにはちょっと余裕がない感じ。

BUFFALO DAUGHTER@REDMARQUEE
このステージをグリーンでやっても余裕で揺れたんじゃなかろうか。それくらい挑戦的なループと好戦的なリズムで、新譜のアグレッシヴが反映されつつも本来のしなやかさはそのままで、ちょっと驚くくらい熱くてスマートなステージ。ワタシはシュガーのカッティングが大好きなのでそれだけでもウットリだし、打ち抜きつつさばく松下敦のドラムも相変わらずスネアだけでご飯おかわりできる感じ。いやホント脳ミソとろけそうだったよ。

ATOMS FOR PEACE@GREEN
徹頭徹尾のトム・ヨーク・ショウ。このエゴイスティックは、その発散というよりはそれがまだ自身の内にどれだけくすぶっているのか、火を点ければまだ燃やせるのかを確認する作業のような気がして、それはもはや水平性が行きつくところまで行ってしまった感のあるレディオヘッドでは叶わない垂直のステップで、結論から言えばそれはもう笑ってしまうくらいくすぶっていて、フリーとナイジェル・ゴドリッチがそこに嬉々として薪をくべることになるわけで、騒ぎの張本人はご丁寧にヘアバンドにタンクトップというスタイルまで用意して軽口を叩きながら、どうだろう、オレはどうだろう、と自家中毒のダンスを狂ったように踊ってみせて、真夏の夜のジャイアンリサイタルは毒気にあてられたワタシらをほったらかしに幕を閉じて麗しい夏の想い出に。

NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEXTET@ORANGE
ベルセバとどっちにしようか考えつつ食べものを探して奥地に向かったところでちょうどいい時間だったので、そのままDUB SEXTETでクールダウン。ここでコーヒー飲みたかったんだけども売り切れ終了で残念。でも思いのほかアグレッシヴな演奏とスマートなノイズでいい感じに目が覚めて雨の中、顔が上がる。

SCISSOR SISTERS@GREEN
祭りの後の寂しさを少しでも先送りにしようと悪あがきをするワタシらと、だったらついてきなさいよ!と完璧なショーマンシップで煽りまくるバンドと、土砂降りの中で応酬するやけくそのエール。そしてアナにズボンを脱がされてビキニパンツ一丁でピョンピョン跳びはねるジェイクが井手らっきょに見えた瞬間が幸せのピーク。豪雨も泥地獄もしんどかったことは全部忘れました。これで明日から堅気に戻ります、戻れます。ではまた来年、ごきげんよう。
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2010年08月04日

FUJI ROCK FESTIVAL '10@苗場/7.31 Sat

2日目。今日は後半勝負なので午前中はドラゴンドラで恒例の天上行き。高いところに行くと、例えばこの時乗ってたゴンドラからとか、そんなに高くなくても勝鬨橋の真ん中からとか、命には関わらないけど取り返しのつかないこと、財布とか腕時計とか靴の片方なんかを落としてみたくなってドキドキしてしょうがなくなる。だけどもそんな葛藤があることなどおくびにも出さず到着してみれば、JAGA JAZZIST男子の部御一行がずらり揃ってソフトクリームをペロペロとなめてらっしゃって、気づいた客と記念撮影などしてご満悦の体。ノームみたいなヒゲ生やしたドラムの人もペロペロ。つうかキミら帰らんでいいのか(最終日のAFPでもこの御一行と再び遭遇。満喫し過ぎ)。

DIRTY PROJECTORS@RED MARQUEE
昨日のオレンジを見逃したので、急遽決まったレッドのステージへ。音の粒を丹念に一つ一つ集めては突然パァッとまき散らす瞬間の“パァッ”が眩しくてすごく気持ちいい。そしてそれを人力でやり遂げるギクシャクはワタシ達の不格好な歩き方走り方笑い方そのもので愛おしい。

MATT&KIM@GYPSY AVALON
昼ご飯の朝霧シチューを食べながら遠目でチェック。GYPSYでああいうモッシュになるの初めて見た。あえて隙を消さないことで場の空気を取り込んで勝っちゃう人たちか。特に待ち構えてなくてもこういう音楽がいつのまにか始まってるのがフェスの愉しいところで、しかもボ〜っとご飯食べながらへらへら聴いてられる脇の甘さが許される幸せ。食後は昼寝タイム。

KITTY DAISY & LEWIS@FIELD OF HEAVEN
例えばMUSTANGにあった捻れた憧憬みたいな空気は皆無で、自分と自分の世界のルーツへのストレートなリスペクトで溢れてると言う点では想定内。ただやはり、そこからはみ出して予定調和の色を塗り替える筆づかいを探しちゃうんだよね。そんなこんなと近くにいたイモくさい外人と垢抜けない日本人♀の集団がうるさくて仕方ないのもあって早めに中座してレッドに向かう。外人客に関しちゃ、身ぎれいにしてる人とそうでない人の落差が異常に烈しくて、マナーも見てくれにマッチして非常に分かりやすい。今年は特にダメ外人が多かったような気がする。

22-20s@RED MARQUEE
バンドと自分の再生のためにブルースのスケールで封印したデモニッシュを解いたマーティン・トリンブルは、何でオレはこうなってしまうのか分からないといった相変わらずの風情で激して弾き激して歌い、なおかつ苛立ちそのものを飼い慣らしたことによる自信のようなものが新たなカリスマのようにも映って本当に素晴らしいステージだった。ワタシにとってのUKギターバンド最後の砦は陥落しなかったということでこれはめでたい。

JOHN FOGERTY@GREEN
やっぱりファミリートゥリーの根っこにいる人がポテンシャル全開にしたらそりゃあ強いよねえ。アメリカンロックっていう幻想を全身で浴びた時の官能みたいなもんはリアルなことこの上なくて、ある種の宗教体験に近いんじゃないのってなくらい。それにしても「雨を見たかい」なんて縁起でもないなあと思ってたら、ステージが終わる頃になって土砂降り開始という出来すぎで、これがロキシーの涙雨。

ROXY MUSIC@GREEN
素晴らしいじゃないか。前半のどっぷりヨーロッパ哀歌なセットで一見/初見の客が地蔵と化そうが、Jealous Guy以降の怒濤のアッパーチューンはグリーンのトリにふさわしい華やかな弾けっぷりでセットリスト自体はほぼ完璧だし(Tara〜A Song For Europeとかたまらん!)、期待を裏切られたとか言う人は、それはアナタの期待が安っぽかったということだよ。大衆の空気なんか読まないのがロキシーなんだよ。ダンディズムは霞を食うんだよ。というわけで文句なし。

CHRIS CUNNINGHAM@GREEN
非実在青少年的に一瞬やばかったりはしたものの、基本的には”Sheena is a parasite”とか”Rubber Johnny”とかプレステのCMとかいった肉体再構成チューンのセルフリミックスで新たに度肝を抜かれることはなかったけども、巨大なスクリーンとグリーンのサウンドシステムというこの場でしか体験できないショーのサイズとしては極上でかなり得した気分。相変わらず精密でロマンチックな人だ。
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2010年08月03日

FUJI ROCK FESTIVAL '10@苗場/7.30 Fri

今年は想いを託す相手も特にないまま苗場に来たものだからリラックスが過ぎてゆるゆるで、つまみ食いだけして終わりそうな予感がちょっと危険。最近何が欲しいのか必要なのかよく分からなくて、当然それは満ち足りた果ての溜息とかじゃなくておそらくミッドライフクライシスなのは間違いないので、ここはひとつムダムリムラのコンボで空回りしながら散ってみるのもいいのではないかとすでに言い訳口調が饒舌。

ヒカシュー@ORANGE COURT
だからってわけじゃないけども、ブレない年長者を見てるだけですがるように昂揚してしまうのとバンドの爽快屈指なプレイヤビリティも手伝って、いきなりのサプライズ。むちゃくちゃ愉しい。「パイク」なんかも終盤の勘所できちんと演ってくれるし、巻上氏は体もめちゃくちゃ動いてチャーミングだしで、さすがリアル鼠だけのことはあるかと。いやホント良かった。

MUSTANG@FIELD OF HEAVEN
いなせなフランスの若者3人が50sサウンドをキメキメで転がして、批評と確信のバランスが拮抗したところで生まれる本家取りのおもしろさと、レヴォネッツ同様にアメリカへのねじれた憧憬がまぶされたウィアードも見て取れてけっこう好み。

DWEEZIL ZAPPA PLAYS ZAPPA@ORANGE COURT
顔はにこやかながら「こにちは〜」「てをたたけえ〜」と抑揚のない脱力MCの手元から見目麗しい運指を繰り出して、ワタシみたいなザッパのノンユーザーでも口半開きでほえ〜と愉しめる猛者どものアンサンブルとかね、こういうステージが何の気なしに見られるのはフェスならでは。で、途中で息子が「おお、オマエをしってるぞ、こっちにあがってこい」と最前の客をやおらステージにあげると、まったく物怖じせずステージによじ登った色白のメガネくんの右手には1本のリコーダーが。そしてスタンドマイクをあてがわれると、彼のリコーダーからは颯爽かつ流麗なザッパ・チューンが流れ出して、おぉ〜と笑顔でどよめくステージと客。ひとしきり吹き終わったところで息子が「○○もやんなよ」とリクエストするとそれに応えて2曲目突入。息子の合図でドラムがハイハットをチーチキチキチキと合わせてそれを終始笑顔で見守るまたもやステージと客。で、喝采の内に彼がステージから降りたのと合わせるかのように降ってきた雨が意外と強くて、ああ、次はJAGA JAZZISTなのにいやだなあとぶつぶつ言いながらWHITEへ向かうため中座。

JAGA JAZZIST@WHITE
こんな風な人生のサウンドトラックをあしらいの美しいアヴァンで鳴らす、みたいなのはとても好きなはずのに、もう少しアタックの強い音なら良かったのにと思ってしまったのは、どんどん強くなる雨の中、非ゴアの短パンがぐしょぐしょになって気持ちが折れ始めていたせいでもあって、このバンドに関しては別の環境で再体験しようと心に決めてゴア装備のためホテルに戻ろうと泣く泣く中座。心なんて簡単に折れます。

MAGMA@ORANGE COURT
今自分がどこにいて何を見てるのかわからんという凄まじい幻視感。この人達に視えているものはワタシには視えないし遠慮しときますが、視えてるアナタ達を視てるのはすごく愉しいんだよという奥地オレンジにふさわしい隔離音楽。この日のオレンジは、らしくて凄くいいラインナップでこの世捨て感は味わい深すぎる。ただ、一日いたら嫌なことと一緒に愉しいことも忘れてしまいそうで危険ではあるけども。

!!!@WHITE
四つ打ちの快楽っていうよりはギターのリフがファンキーをひきずりだして100倍くらいやる気出したハッピーマンデーズみたいな気がしたのは、新譜をまだ聴いてないこともあってなじみのない曲が多かったりとかしたせいなのかもしんない。ヴォーカルの片割れが抜けたりドラマーが亡くなったりとか、余計なストーリーがまとわりつき始めたのとも無縁じゃないだろうし、みんなが揃ってた2007年のグリーンでまき散らしたやけくそな多幸感とかはもうないにしても、The show must go onをかみしめつつ踊り狂うニック・オファーの苦い季節ですら食い尽くそうとする貪欲と強欲があればまだまだ大丈夫な気はする。そういえばせっかくロキシーのカヴァー(「ヴァージニア・プレイン」)演ったのに客の反応が薄すぎたのが土曜日の憂鬱を予感させてちょっと曖昧な気分になったよ。

posted by orr_dg at 18:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | Live | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月22日

FUJI ROCK FESTIVAL '10展望


FRF2010

7.30 Fri
ヒカシュー
MUSTANG
JAGA JAJJIST
ZAPPA PLAYS ZAPPA
DIRTY PROJECTORS
MAGMA
BROKEN SOCIAL SCENE
!!!

7.31 Sat
JOHN BUTLER TRIO
bloodthirsty butchers
MORIARTY
KITTY DAISY & LEWIS
22-20s
JOHN FOGERTY
ROXY MUSIC
CHRIS CUNNINGHAM

8.1 Sun
YEASAYER
DONAVON FRANKENREITER
CODEINE VELVET CLUB
VAMPIRE WEEKEND
FOALS
BUFFALO DAUGHTER
LCD SOUNDSYSTEM
ATOMS FOR PEACE
NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEXTET
BELL AND SEBASTIAN
SCISSOR SISTERS

こうやってみるとまだ見ぬ強豪!的なサプライズもなくて何だか今年は無難かなあ。まあその分すんなりチョイスできそうだから、被りに関してはさほど泣かなくてもいいのはありがたいけども。金曜はZAPPA以降はMAGMAまでオレンジ引きこもり。土曜はJOHN FOGERTYからCHRIS CUNNINGHAMまでグリーン。日曜の最後はグリーンだとして、その前をベルセバか菊地さんかどうしようかと思案中。現状で期待の一番星は当然CHRIS CUNNINGHAMで、どれだけどさくさに紛れてくれるか愉しみ。ところでROXY MUSICのグリーン、やっぱりガラガラなのかなあ。まあ、ワタシはステージ前で惚けたり歌ったりしてるはずだから知ったこっちゃないけども。こないだ新宿タワレコでベストアルバムを\1000で売ってたから、グリーンのトリやるくらいだからそれなりなんだろうけど音聴いたことないしなあって方はサラッとおさらいしとくといいと思うよ。60を越えたイギリス紳士が、ポップで神経症的で蠱惑のロックを燃えよダンディズムとばかり流れる汗をぬぐいもせずに奏でて歌謡ショーとしても極上(のはず)なのでひとつよろしく。オッサン相変わらずでまだまだ枯れてません。
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2010年07月10日

Hiroyuki HANADA AGE 50th GIG "NAGARE PREMIUM DAYS 2" 2010.7.7


hanada 50th

Z期ルースターズをこの布陣で聴いて見るのは言うまでもなく22年前の渋谷公会堂以来で(その7月22日はワタシの誕生日でもあったりする)、そのあたりのことを想い出すといろいろ面倒な自分史とかもオマケでついてきたりもするのだけど、穴井/三原セットでの"GUN CONTROL"のイントロが鳴った瞬間にそういう益体もないことは全部吹っ飛んだ。あっという間に吹っ飛んで、これはお誕生会とかそういうお気楽なジャムじゃ到底ないなあと背筋が伸びつつだらしなく惚けてフルハウスのロフトで汗を滴らせていたのでセットリストはあまり憶えてないけども、「FOUR PIECES LIVE」の本編分は、"HURT BY LOVE〜LAND OF FEAR"のメドレーまで再現して曲順もほとんどそのままあらかた演ったような気もするし、柞山/灘友セットのトップは"NEON BOY"で"DRIVE ALL NIGHT"や"CRIMINAL ROCK"とか"NO NO NO"も演った気がする。なにしろGYPSIESのセットまで入れると4時間(途中で花田抜きのセッションが30分くらいあったけど)のステージで、加齢臭漂うフロアの方も息と歓声が上がりっぱなしでこちらもやけくそのテンションによる併走の23時終演である。で最後は例のごとく大江登場だけれども、正直言って今夜は大江の必要はなかったんじゃないかと思える花田づくしの気分で、でもまあ"カレドニア"なんていう珍しい曲や、震える歌声(今は何歌ってもそうなっちゃうんだけど)での再現がマッチした"GOOD DREAMS"を演ってくれたのはラッキーだったけど。それにしても特にFOUR PIECESセットでの下山花田のコンビネーションは尋常ではないソリッドとシャープネスの圧力で、当時はともすれば風にかき消されそうだった花田のヴォーカルも吹く風に向かって叫ぶ切迫が轟音に負けてないし、この音が恒常的に聴けないのはもったいなさ過ぎる気がする。それとやはり花田裕之という人の高等遊民というか清潔なデラシネというかそういう飄々とした風情にはいまだ憧れるし、そういう人間があのヘヴィーな状況で「じゃあ、俺が歌うよ」と一歩踏み出した美しくも壮絶な決意など考えると、かつて逃げなかった人間はもう逃げる必要のない道を歩めるのかと、逃げ道を探すクセのいまだ抜けない我が身を振り返ってみれば少し自分にがっかりもするわけだ。まあそんなのはどうでもいい話で、とにもかくにも軽やかで涼やかな50歳、おめでとうございます。ワタシもできるだけ持ち直せるよう精進しないとなあ。

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2010年04月09日

PAVEMENT@新木場COAST 2010.4.8


pavement20100408

恵比寿ギルティのカオスを思えば、その後ローファイの伝道師としてロック史にそれなりの名を残し、解散後10年を経てのレトロスペクティヴな再結成ツアーでこのクラスの箱を2DAYSで集客する日が来るとは、まさに勝ちに不思議の勝ちありといったその不思議さに昨晩は踊らされてニヤニヤさせられたのが言葉にならないくらい愉しくて、どっちかっていうとメロウな曲が多い気がした初日のセットリストを知ってしまったら、ああ初日も行っておくんだったとかなりの後悔。"We Dance"聴きたかったなあ。でも"Loretta's Scars"聴けたからいいか。ピクシーズの場合は、ピクシーズで失したものをピクシーズで取り戻そうとする切実さみたいなものをストーリーとして共有できたんだけど、まあここには何にもなかった。というか何にもないのが、錆も垢もついてないのが彼ららしいとしか言いようがなくて、この私立文系のスカし方とでもいうデオドラントな風がいまだに吹いていることや、jazzmasterを抱えてひしゃげるマルクマスの長身が鶴の首を持つNYのあの人にほんの一瞬重なったりしたことなどなど、こういう風に素直に肯定できる過去縛りは本当にありがたくてうれしくなるな。おそらくチケットが売れてないんだろうけど、名古屋のZEPPからクアトロへのサイズダウンは必ず吉と出るはずなので、都合のつく人は絶対駆けつけた方がいいと思う。あの多幸感をクアトロの空間で味わえるのは正直うらやましい!
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2010年03月31日

終了です


ゆらゆら帝国代表 坂本慎太郎より惜別の辞


ゆらゆら帝国 LIVE2009FINAL@LIQUIDROOM 2009.12.30
YO LA TENGO X ゆらゆら帝国@Shibuya O-EAST 2009.12.16
ゆらゆら帝国@STUDIO COAST 2009.11.26
LEGENDARY GATE SPECIAL : 8 1/2/FRICTION/ゆらゆら帝国@SHIBUYA−AX 2009.10.18
にせんねんもんだい/DMBQ/ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM 2009.7.13
ゆらゆら帝国 20th Anniversary “LIVE 2009” IN YAON@日比谷野外音楽堂 2009.4.26
BECK@Zepp Tokyo c/w Yura Yura Teikoku 2009.3.27
ゆらゆら帝国 LIVE2008FINAL@LIQUIDROOM 2008.12.30
ゆらゆら帝国@STUDIO COAST 2008.12.7
FUJI ROCK FESTIVAL '08@苗場2008.7.27
ゆらゆら帝国 LIVE2007FINAL@LIQUIDROOM 2007.12.30
ゆらゆら帝国@SHIBUYA-AX 2007.12.17
ゆらゆら帝国@横浜BLITZ 2007.11.10
ゆらゆら帝国@STUDIO COAST 2007.10.10
ゆらゆら帝国/THE CORNELIUS GROUP@LIQUIDROOM 2007.8.8
ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM 2007.4.26
ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM 2006.12.30
ゆらゆら帝国/スチャダラパー@LIQUIDROOM 2006.9.27
FRF'06@苗場 2006.7.30
ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM2006.6.21
ゆらゆら帝国/V∞REDOMS@日比谷野外音楽堂2006.6.11
ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM 2006.5.4
ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM 2006.4.12
UFO CLUB 10th Anniversary PARTY SPECIAL!!@SHIBUYA-AX 2006.1.31
ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM 2005.12.30
ゆらゆら帝国/Buffalo Daughter@LIQUIDROOM 2005.9.28
ゆらゆら帝国@日比谷野外音楽堂 2005.9.4
ゆらゆら帝国@CLUB CITTA' 2005.7.22
ゆらゆら帝国@SHIBUYA AX 2005.5.25

これ以前も数えると全部で50回くらい行ったかな。まあ、今年から暮れの過ごし方をどうしたもんかなあというくらいで特に愁嘆場ということもなく、今までいろいろ愉しくてありがとうございましたということで。それと、坂本さんが代表だったということを最後になって初めて知ったよ。


サイン入りソフトに死んでいる



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2009年12月31日

ゆらゆら帝国 LIVE2009FINAL@LIQUIDROOM


ゆらゆら帝国20091230

今年は無事チケットも確保して余裕をかましてたら、ここのところの寝不足その他のせいかイヤ〜な感じで頭がモヤモヤして我慢が効くかどうか微妙なところだったものだからとりあえず飲んどくかとした頭痛薬のせいか、ヘアスタの時は立ったままぐらんぐらんして半分眠ってたおかげで、ああ今日はバンドなのね、ドラマの圧が結構きつくていいなあ、今日はあんまりピーガーしないノイズだなあくらいしか覚えてなくて、最後のメンバー紹介だけハッと目が醒めたらドラムは姫野女史(にせんねんもんだい)だったらしく、ああもっとちゃんと聴いて見とけばよかったと後悔するも後の祭り。そういえば、メンバーが出揃って始めようとしてるのに客入れの音楽が止まず、中原氏が呪うような声で「音楽止めてもらえますか」と言ってるのにそれが通じないもんだから、イライラした感じでビギャオッ!っと鳴らしたノイズが可愛かったです。すみません、こんなことばっかり覚えてて。で、久しぶりに見る巨人ゆえにデカイ。いやあ、何かスッキリしたというかフォーカス合ってきたというか、情動よりも衝動で揺らす感じが普通にカッコよくなっててちょっと驚いた。ただ、これくらいの箱で演る時はもうちょっと巨人は背を高くしとかないと客はどよめかないよ。それだけもったいなかった。そして今年7回目となるゆらゆら帝国のステージは、これがもう赤くて熱いというか、今年見た中でも屈指のステージ。「針」とか「ボーンズ」とか久しぶりに聞けた曲が愉しかったのはともかくとして、ラストが「つぎの夜へ」だったのが私的絶頂。暗闇に灯った小さいけれど決して消えない明かりに照らされながら喪失と再生を歌うこの歌を聴いていると、今年つき合わざるを得なかったすべてのネガティヴが洗い流されていくような気がして、もしもワタシが泣く人間だったらもう止めどもなかっただろうなあと思いながら体を揺らし、とりあえずワタシもまだもう少しは大丈夫だろうという根拠はないけどそれほど闇雲でもない確信を持って、いつの間にか23時を過ぎた恵比寿を連れと早足で駅に歩いた。

今年も一年間、こんな端処まで足を運んで下さってどうもありがとうございました。皆さんの来年が、明るい月明かりと見晴らしの快晴に恵まれて希望する場所に辿り着けますように。そしてそんな風に祈ることのできる気持の平安がワタシにありますように。では、皆さん善いお年を!<
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2009年12月18日

YO LA TENGO X ゆらゆら帝国@Shibuya O-EAST 12.16 wed


ヨ・ラ・テンゴ&ゆらゆら帝国

オープニングアクトだとまずは場をきちんと温める律儀さを発揮するのはこの夜も同じ。「わかってほしい」「ハチとミツ」「アーモンドのチョコレート」「グレープフルーツちょうだい」と鉄板とも言える序盤のセットリストから“今どこか行ってたでしょ?目、開けたまま寝てたでしょ?”と迫る例の新曲、そしてやけにファンキーな「やさしい動物」をはさんで数曲転がった後、最後は「無い !!」で締めるかと思ったら久しぶりの「ひとりぼっちの人工衛星」につないでキラッとしたピースフルでメイン・アクトに橋渡し。最近は東京だとこのサイズの箱であまり見られないから、気持ちよさそうに叩いてた(そんな感じのセトリだった)一郎さんの顔つきなんかもよく見えたし、相変わらず音に邪気がないというか、おかまいなしにただそこに在る音だから、最近の腹黒い昼間の気分(個人的にね)をゴシゴシと消すように染みこんでくれるのがとても嬉しい。メインのヨ・ラ・テンゴは2000年の苗場以来。新譜が出るたびに聴いてはいるけど単独は行ってなかったなあ。デビューの時から笑顔の素敵なソニック・ユースっていう印象があったし、9年前の苗場を思い出すともう少しノイジーに来るかなあと思ってたけど思いのほか風通しが良くてあっという間のステージだった。ゆらゆらが1時間くらい演ったから仕方ないけどノイズ・チューンとかもう少し引っぱって長尺で聴きたかったかな。あと、あらためてジェイムスは素敵な声だなあと思った。もう少し歌えばいいのに。で、例の踊りは9年前に比べるとさすがに手慣れた感じになってて、当時はとってつけたような感じでニコニコと自虐するチャカポコダンスにレッド・マーキーも大盛り上がりだったのを想い出した。ああ、何か最近は昔あった愉しいこととかよく想い出すなあ。まあ、そうしたくなる理由が身辺を飛び交ってるのは分かってるから、こういう時にこういう混じりけのない音楽の滋養で正気に戻れるのはホントにありがたい。30日のリキッドには身軽な気分で行きたいもんだよ。
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2009年11月27日

ゆらゆら帝国@STUDIO COAST 11.26 Thu


ゆらゆら帝国20091126

まだまだ秋だと思ってたら気が早いことに“LIVE 2009 WINTER”と銘打たれて大阪、京都と続いたワンマンの最終、STUDIO COASTは中に入っちゃえば見やすいし音のバランスもそれなりだからいいんだけど、イベントの前後が何とも間が持たなくてさ、とぶつくさ言いながら新木場まで行ってきた。この人たちはイベントや対バンの時はそれなりにまとめたパッケージを差し出すのに、ワンマンとなるとロケーションとか箱の大きさとか客の思いこみとかを全く意に介すことなくフンフンと演っちゃうことが時々あって、仮に今夜の箱がSHELTERであったとしても同じようなモードで2時間過ごしたんだろうなと思わせるノンシャランなすり抜け方には、まだまだ記憶に新しい先月のステージの残像が追いつけない違和感があって、そういう、申し訳ないですがこちらにも都合がありますのでひとつよろしく、みたいな真顔のかわし方が相変わらずで愉しかった。でまあ、今夜の白眉はまるでスーサイドのように高圧のノイジーでやさぐれた「グレープフルーツちょうだい」で、このアレンジと新曲の捻れたアヴァンの同居は何かの手がかりなのかただの気分なのか、帰りの有楽町線でそんな益体もないことを考えていたらうつらうつらしたまま乗り換えの市ヶ谷に着いていて、連れに太股をバシバシ叩かれて目が覚めた。来月はとりあえずヨ・ラ・テンゴのオープニング・アクトと、30日のリキッド(チケット取れるといいなあ、もう早朝の恵比寿は寒くていやだ)でまたいろいろと確認予定。ちなみに今年のお相手はHair Stylistics(中原昌也)と巨人ゆえにデカイ。ワダシンジ楽しみ。
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2009年10月19日

LEGENDARY GATE SPECIAL : 8 1/2/FRICTION/ゆらゆら帝国@SHIBUYA−AX


Nylon100%

Nylon100%組は8 1/2でU.F.O. CLUB組はゆらゆら帝国、そこにFRICTIONが加わって通常のLEGENDARY GATEにSPECIALが冠されるという滋養溢れるラインナップ。トップの8 1/2に特に思い入れはないにしても、ゆらゆら目当ての若いお客が久保田慎吾、泉水敏郎、上野耕路に加えてベースが沖山優司というメンツにほとんど反応しないのもまあ仕方のないところだし、キーボードがメロディを引っぱるパワーポップ気味の展開も既に久保田慎吾がキッチュ(死語だね)を喧伝するというよりは浅草ニューイヤーロックフェスの風情になってたりするもんだから、一回りしたスタイルを新鮮に映すにはちょっと分が悪いかなあという感じ。こういう音を出す時って年のわりにはよくやってるよねと言われたら負けだからそれなりのハードルは覚悟しないといけないんだろうけどFRICTIONは苗場と同じく“HEAD OUT HEAD START”からの入り。今日は達也がおとなしいなあという気がしたのは、曲によっては結構アレンジを“構築的”に変えてきたせいかもしれなくて、となるとこの先このコンビの発展的解消もあるのかなあとちらり思ったりもした。達也にしてもスタイルと肉体的な問題との折り合いがそろそろ求められる気もするしなあ。まあ彼は行くとこまで行って自爆するつもりかもしれないけどそして最後はゆらゆら帝国。ここまでどっぷりとサイケデリックなのはあまり記憶にないくらいブレイク・オン・スルーなステージ。坂本氏がギターを置いてブルースハープを吹きまくった“順番には逆らえない”はずぶずぶのサイケ・ダブと化してたし、初めて聴いた新曲は「ねぇ、どこか行ってたでしょ、目ぇあけて寝てたでしょ」とあっち側からの問いかけが延々続くナーコティックにいやらしい感じだし、最近定番のマラカスに至っては叩き壊した瞬時に新しいマラカスをマジックのように取り出した手さばきまでも客を感嘆させたしで、サイケヴィジュアルなパターンを投影した巨大スクリーンの登場なんかも併せて、完成度という言葉を使いたくなるくらい愉しいステージだった。とは言っても「午前3時のファズギター」ではホワイトライト・ホワイトヒートな爆裂で完璧な裂け目も見せてくれたし、空洞の先にあったこのクールなサイケデリアがこれから先のアルバムも含めた彼らのニュー・モードなんだとしたら本当に面白いことになりそうだなあと来月の新木場STUDIO COASTに思いを馳せつつ、小綺麗になった「龍の髭」であんかけ蟹炒飯を食べて井の頭線に乗ったのでした。


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2009年09月10日

the thing + otomo yoshihide japan tour 2009 tokyo 3 days


the thing + otomo

結局3日間皆勤。少々硬めだった初日(山下洋輔セットではそれが幸いした硬質なやりとりが愉しかったけども)と、このツアーの基本イメージとなるギターセット(ジム・オルークをプラス)の2日目を経ての昨晩。本編最後の曲で坂田明がリードをとった終盤、凄まじく高速で細かく刻みつつも着地の気配すらないステップを踏むように吹き続ける坂田明に他4名がここで振り落とされたらどこへもいけないとばかり追いすがる数分間はまさに天上の音楽。こんな風に今自分がどこにいて何を聴いているのかといった意識の輪郭が完全に溶けてなくなる感じは滅多に味わえなくて、これはライブの場でしか起こりえない特殊で絶対的な愉悦で今まで数えるほどしか降りてきたことのない瞬間。そしてニルセン・ラブがスネアを叩き込んで夢から覚めてみれば、マッツ・グスタフソンは泣き笑いのように上気した顔でニルセン・ラブの胸をこづき、フラーテンは何やら一人で吠え、大友氏は両腕を高々と掲げる。そして坂田明はといえば何だかけっこううまいこといったねえ、といった風情で満足げに微笑んで、これこそがワタシ達は世界に対して確実に勝っていると錯覚できる瞬間。こういう時間があることを知ってるからこそいろんなことをあきらめないでいられるんだよね。
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2009年07月30日

FUJI ROCK FESTIVAL '09@苗場/7.26 Sun

3日目というか最終日。曇っててやたらと蒸す。昨年、一昨年と3日目になると頭痛に悩まされてて今朝方も少しモヤモヤしてたけど、薬を飲んだらタイミング良く効いたみたいで一安心。おそらく寝不足と気圧の変動が原因かと。あとは加齢。

Steve Nieve Band featuring Glenn Tilbrook@FIELD OF HEAVEN
当初のアナウンスではジョー・サムナーがフィーチャリングされていたのだけれど、グレン・ティルブルックに変更されてのアクト。ジョー・サムナーには悪いけどこの変更に驚喜した人がほとんどでしょ。でまあ、スティーブ・ナイーブ(ニーブ?現行表記はどっち?)にも悪いんだけど鍵盤に比べればケレンのないヴォーカルなので、ティルブルックがリードをとったりコーラスをつけただけで曲があからさまにカラフルになってくる。アトラクションズの時のようにつま先立ちで小さく美しいメロディを叩き込んでいく姿など見ているとやっぱり黒子で光る人なのは否めないのが人生の侘び寂ということでしょうか。一番盛り上がったのが当然ティルブルックがリードをとった「グッバイ・ガール」だったりするからねえ。でもすごく楽しくてちょっとしたサプライズ。

JUANA MOLINA@ORANGE COURT
昨日の木道亭での印象を水のようなフラットと書いたけれどもほとんどその印象は変わらなくて、空間が広くなった分だけ水紋のようなテクスチャーが広がっていく様がより一層見て取れる感じ。歌心で揺らすシンガーでもないし、声音までもサウンドスケープに取り込む音響デザイナーでもないし、というかそのバランスの取り方が彼女の特質なんだろうと思う。ただまあ策士と言うよりは天然ぽいけども。

頭脳警察@ORANGE COURT
PANTAという人が戦略的に時代を見据えることのできる人なのはHAL時代の作品を聴けば明らかで、こうしてPANTA/頭脳警察のパブリックイメージにある意味忠実な展開をしてみせるのもそうした顕れでもあるんだと思う。ただ、仮想敵ですら共有しにくい時代にこういうアジテートがどれだけ有効か、へたをしたらセルフ・パロディになる危険すらあるわけで、新曲として演奏された「俺たちに明日はない」が直球ど真ん中のロック・ナンバーだっただけにいらぬ心配などもしてしまって、若輩者が申し訳なく思っております。

FRICTION@RED MARQUEE
そのままORANGEに居座ってSOUL FLOWER UNIONを見ていたのだけれど、急に8ビートが欲しくなったので予定を変更してFRICTIONへ。まだサウンドチェックをしてると思ったら予定時間よりやや早く「ヘッド・アウト・ヘッド・スタート」になだれ込む。フェスだとあえて基本線はずして見る傾向があるから初見の刺激で頭が疲れちゃったりもするので、こういう馴染みの音に包まれてると自分ちに帰ってきたようで居心地がいい。それにしても達也とやりあう小柄なベーシストが還暦間近だということを若い衆は知ってるんだろうか。まあ知ってなくてもいいけどあの人が通って来た道も含めて知ってると味わいが増すってもんだよ。

ANIMAL COLLECTIVE@WHITE
今日聴いてきたビートやメロディの記憶が次第に薄れていって、それから先は新しいタイム感の構築。始まりも終わりもない音楽。カオスとコスモスを同時にふりまいてなおかつ甘えるように突き放す音楽。後半の数十分は頭が真っ白で体だけが勝手に動く。RÖYKSOPPとタイムテーブルが逆ならばまだあの先に数十分あったのだと思うと、誰とは知らぬが何て事をしてくれたんだと恨めしくて仕方がなかった。ほんとに。

WILKO JOHNSON@RED MARQUEE
なにしろこの人がいなければアンディ・ギルも凡庸なギタリストで終わっていたかもしれないというウィルコ・ジョンソンだから、彼らを大トリに今年を締めることにする。にしても何て怪しくフォトジェニックなんだろ。何しろUNCLE CREEPY がフェンダー・ジャズ抱えて鉄の玉を転がすような音をゴロゴロゴロリと弾いてる脇で、白目さえ剥いてしまいそうに眼光鋭いスキンヘッドのギタリストが、接触の悪い電気仕掛けのように突然高速で動いたり止まったりして不審者そのものである。そして鳴らされるパブの喧噪さえ一喝するような場末のパーティ・サウンドの鈍色のリフと地団駄踏むリズムが祭りの終わりをさらに煽りまくる。そして今、目の前でウィルコ・ジョンソンとノーマン・ワットロイが寄り添ってリフを確かめコーラスを合わせ、ブレイクのタイミングを計りさらにひしゃげながら弾ける瞬間を待つ幸せ。それをフェスの最後の最後で受け取ることのできる至福とつぎはぎの万能感。そしてそれでまた1年間食っていけるという奇妙な確信。来年は誰がこうやってケツを蹴り上げてくれるんだろう。
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2009年07月29日

FUJI ROCK FESTIVAL '09@苗場/7.25 Sat

2日目。いきなり晴れましたが、激化しているであろうぬかるみを考えるとトレッキング・シューズを履かざるを得ず、ウォーター・モカシンなら疲れ方も全然違うのにとブツブツ言いながら連れとドラゴンドラに乗って天上に向かう。こういう日々が一週間くらい続くのなら上で一日のあらかたを過ごすのも悪くはないと思うけども、さすがにそこまで世は捨てられないので、アイスクリームなどなめつつデッキチェアでぼ〜っと山並みを眺めた後で下界に戻る。と、下に着いてからTOM FREUNDを見るのを思い出すも時すでに遅く、まあいいかとあっさり無かったことにする。すでにユルユルである。

JUANA MOLINA@木道亭
13時頃到着するとすでに人が溢れており、仕方がないのでボードウォークから降りてご尊顔が見えるぎりぎりの場所で樹を背もたれにしゃがみ込む。木陰の涼と彼女の水のようなフラットとで、1/3くらいのお客はうとうととまどろんでたはずだ。退屈だからでなくリラックスの度合いが過ぎるとこうなる。ワタシの左前の青年など船を漕ぐ間もなく、いきなり座った姿勢のまま左に倒れて地面に激突したもんだからこっちがびっくりしたよ。ベーシストと2人、隠し味程度のフレーズをサンプリングで織り込んだこじんまりとしたフォークトロニカは絶品。ハンモックか何かで昼寝しながら聴けたら追加料金はらってもいいくらい。

Eli “Paperboy” Reed & The True Loves@ORANGE COURT
アメリカに生まれた白人男子が、いかなる道を辿ればこんなところまで行きつくのかちょっと想像もできないくらいコテコテでキメキメのロッキン・ソウル・ショーをぶちかましてくれて本当に楽しかった。ギタリストとしてブルースに沈殿していくのはまだ分かるにしても、どうやら基本はシンガーみたいだし(でもギターもかなり弾きそう)、批評/解釈であるとか懐古/原理であるとかそういう手順を取っぱらったところで、スタイルの方で彼を見つけたとでもいうようなBorn toぶりはかなりのもの。近いうちにCD買おう。

MELVINS@WHITE
客の外国人率が急に高くなる。でまあみんなホント楽しそうにヘッドバンギングしてる。いくらかの例外はあるにしろアメリカン・ハードコアがある種の白人文化の共通言語となってるのは間違いないだろうし、そうした拠りどころとしてこのバンドがリスペクトされるのもよく分かる気がする。これくらい強くて重くて大きくて流れされない音を出し続けていかないと、あの茫漠と広大な国でアンカーにはなれないんだろう。爆音のリフとツインドラム、そして自分で自分をキャラクター化したバズ・オズボーンのポップな佇まい。きわめて真っ当な精神による真っ当な音楽。もっと大きな音で吹っ飛ばしてくれても良かったな。

忌野清志郎 スペシャル・メッセージ・オーケストラNICE MIDDLE with New Blue Day Horns@GREEN
これは青山の番外編だから特にないかな。でもちゃんと最初から最後まで見たよ。

funky METERS@FIELD OF HEAVEN
昨晩のThe Neville Brothersもこれくらいの天候やステージロケーションで見たかったなあと思った。あちこち歩き回った1日の終わりには、こんな風に弱火でトロトロされるファンクは体の芯に効いてきて立ったままウトウトするくらい気持ちいい。といってもMETERSはほとんど聴いてきてないから“Hey Pocky Away”くらいしか知らないのでした。いまだにセカンドラインだって人に説明できないしなあ。で、途中からBOOKER T.に向かうも現地で会った知人と与太話してるうちにお腹も空いてきたし、さっき清志郎トリビュートで見たからいいやとか言い出してオアシスに向かう。BOOKER T.を早退!何という罰当たりな身の程知らず!でもあのまま見てても多分爆睡してたし、だって俺は自由、自由、自由!ということで。
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2009年07月28日

FUJI ROCK FESTIVAL '09@苗場/7.24 Fri

今年は未だ見ぬ大物との胸震える邂逅があるわけでもなし、かといって見たいアクトに事欠くこともなさそうなので、特に思いつめた足取りもない何ともお気軽な気分での参戦。結局気分の上げ下げは天候次第というのは相変わらずで、それを初日から思い知らされたわけですが。

というわけで初日から雨です。結構な雨が降っています。なのにまためんどくさがってレインスーツのパンツを履いていかなかったせいでホテルに戻らねばならなくなり、Curly Giraffeを見逃すはめに。いかなる懸念も決定事項として処理すべきという苗場での経験則の周知徹底が望まれるところですが、年を取るにつれ脇は甘く適当になっていきます。そしてまた同じように臍をかむのでした。

GUITAR WOLF@WHITE
グリーンでスカパラをチラ見しつつTシャツ物販に並ぶ列などは放っておいて(今年は初めてTシャツを1枚も買わなかった!)、雨に萎える心に気合いを注入してもらうべくWHITEに一直線。1ヶ月ほど前に足の筋肉を断裂したセイジさんはさすがに足をひきずり気味だけれども、「環七フィーバー」でスタートしたステージはジェット・パワー全開で背筋が伸びました、ビシッと音を立てて。ありがとうセイジさん、これで1日乗り切れそうです。

Räfven@ORANGE COURT
ジプシーやらバルカンやら放り込んだ楽団系ミクスチャーとでもいえばいいのか、フジロックとは非常に親和性が高いとは思うんだけど、はまりすぎるがゆえに得体が知れてしまう物足りなさというのはワタシがへそ曲がりだからなんだろうな。何かの折りに足を止めて見る分にはとても愉しいと思うんだけど。

JEFF LANG@FIELD OF HEAVEN
というわけで得体が知れないがゆえにズンズンと引き込まれたのがこの人。途中で彼が片言の日本語で伝えた「これは歪んだフォーク・ミュージック。愉しんで下さい」という言葉。どんな英語が“歪んだ”に訳されたのか知りたいけども、ステージを見る限りでは実に的確に自分の音楽を射抜いた自己紹介で気持ちがざわっとした。おそらく広義でのフォーク・ミュージックと顕したのだろうけど、音色にしろ歌声にしろ彼の目線の先にあるものにしろ宿っているのは確実にブルースのデモーニッシュで、単なるオーセンティックでは済まされない針の振り切れ方をこの人は抱えているにちがいない、と思わせるスリルにゾクゾクした。すばらしい収穫。

TORTOISE@WHITE
箱で見るのと違って音が綺麗に抜けていく分、このバンドの情緒的な骨格がうっすらと浮かんでくるステージ。やっぱりトータスは切ない。偉大な夢や壮大な計画の終焉というと何だかミルハウザーみたいだけど、何か大きなものが役目を終えて美しく朽ちていく時の切なさとそれに巻き込まれずには生きていけないワタシ達の哀しみみたいなもんかな。いつもは彼らのライブを見てこんなことは考えないんだけども、箱の残響で体を叩かれることのない空間で、ジェフ・パーカーの繰り出す音色を浴びるようにふらりふらりと体を揺らしながらこういう益体もないことを考えているのは結構な至福だ。新譜はともかくTNTからの曲がわりと多かったような気がしたのだけれど、セットリストは既に忘却してます。聴きたかったアレは聴けたし、もう今年はこれでいいです。

The Neville Brothers@WHITE
これでもう少しジットリと熱気のこもる天気だったら完璧だったのになあと思いながら、オッチャンたちがジリジリとすり足でにじり寄ってくるようなファンク・ショーを雨の中で愉しむ。ラストのピープル・ゲット・レディを心底しみじみと聴きながら、強靱な芸能は一つの思想たり得るということですかとさも分かったようにうなずきながら、人生の滋養を濃縮したようなオッチャン達の笑顔を糧に雨泥の中ホテルまで帰る力を振り絞ろうと、ルヴァンで買った小さなパイをぼりぼりと食べたのでした。

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2009年07月17日

FUJI ROCK FESTIVAL '09展望


FRF09

7.24 Fri
ASA-CHANG & 巡礼
GUITAR WOLF
Curly Giraffe
esne beltza
MAJOR LAZER
Räfven
JEFF LANG
PATTI SMITH
TORTOISE
GONG
The Neville Brothers
GANG GANG DANCE

7.25 Sat
TOM FREUND
SEUN KUTI & EGYPT 80
Eli”Paperboy”Reed & The True Loves
筋肉少女帯
MELVINS
TRASH CAN SINATRAS
BRIGHT EYES
忌野清志郎 スペシャル・メッセージ・オーケストラ
BAD BRAINS
DINOSAUR.JR
funky METERS
BOOKER.T

7.26 Sun
STREET SWEEPER SOCIAL CLUB
HOLY FUCK
Steve Nieve Band featuring Glenn Tilbrook
JUANA MOLINA
頭脳警察
サニーデイ・サービス
ROWLAND HOWARD
SOUL FLOWER UNION
ROVO
FRICTION
高橋幸宏
ANIMAL COLLECTIVE
THE DISCO BISCUITS
WILKO JOHNSON
TAKKYU ISHINO

今年くらい優しくないタイムテーブルもここ最近はあまり記憶になくて、ということは裏返せばそれなりに粒の揃ったラインナップになっているということなんだけども、7/24のTORTOISE周辺とか、7/25のMELVINSとトラキャンの二択やPUBLIC ENEMYとfunky METERSとBOOKER.Tの三択、7/26のモレロ&ライリーとHOLY FUCKとティルブルックの三択、SFUから高橋幸宏までの段階的被りなんかは嬉しい悲鳴というよりは悲喜こもごも(どっちかというと、悲)なチョイスになりそうで今から少なからず悶絶気味。ただまあ今年は“TORTOISEを野外で愉しむ”という目的が果たせればいいなと思ってたところに、こないだの新譜がRAWなエディット感に溢れててライブ映えしそうな曲満載だったのでなおさら期待しちゃってる。もう一つ言えば今回はJeff Parkerのギターを浴びるように聴きたいなあと思ってるから、新譜だったら'CHARTEROAK FOUNDATION'なんかを演ってくれたらとっても嬉しい。

Beacons of AncestorshipBeacons of Ancestorship
Tortoise

by G-Tools

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2009年07月15日

にせんねんもんだい/DMBQ/ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM 7.13 mon


20090713

まずはにせんねんもんだいからほぼ定刻スタート。「ねじ」や「とり」の頃は集中的にライブに足を運んでたけどライブ全般へのフットワークが極度に低下したこともあって今夜は数年ぶりのライブ。練り上げたというよりは鍛え上げた、と形容してもいいくらい頭でなく体で解釈したアンサンブルになっていてちょっと驚く。自分達が面白いから、を基準にしないで衝動を伝える可能性を突き詰めたストイックな音は海外も含めたライブサーキットで培われたのだろうけど、ノイズの偶然よりは反復する構築の快感がとても豊かに思える。ツーバスの姫野エンジン相変わらず最強で10分超の長尺2曲で惜しまれつつ終了次は輪を掛けて久しぶりなDMBQ。思いだしてみるとチャイナさん時代はライブ見てなかったんだなあ。でまあ目当てはワダシンジだったりもしたんだけど、やっぱりオッサン達が凶悪なせいか、あんまり遊ばせてもらってない感じなのがちょっと残念。本領を確かめたくば巨人ゆえにデカイをってことか。バンド自体は、リズムコンシャスなへヴィサイケというこの国のポピュラリティという点ではかなりややこしいところをわがもの顔で練り歩く傍若無人は相変わらず。最後は空中ドラムでシンバル燃やしてフィナーレ今夜のゆらゆらは1時間弱のセットリストに新曲を3曲突っ込んだ、いい機会だから手探ってみましたというステージ。新曲は野音でお披露目した2曲に今回がおそらく初演となる1曲。オープニングでいきなりだったこの新曲は言葉で埋めていく感じのキラッとしたミディアム。この夜は他に「心は半分」(!)のアレンジなんかも含めていつもよりハイカロリー気味で、アレンジがどう転ぶか分からないにしても新曲の手触りからするとわりと歌心満載のアヴァン・サイケな新譜になるのかなあと思って、帰りの電車で湯浅湾聴いてつり革につかまったままウトウトしたりした。
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2009年05月10日

忌野清志郎青山ロックンロールショー@青山葬儀所 5.9


青山ロックンロールショー2

青山ロックンロールショー1

はい、今日からは大人になりましょうということですね。
ワタシなりにうまくやっていければと思います。
でも、見ていてそれなりにカッコがついてるなと思った時は
少しだけでもいいからそちらから歌を歌ってきかせて下さい。
ではでは。
本当にではでは。


※色々な事情で参列できなかった方に少しでも雰囲気を味わってもらえればと思いましたが、ワタシが日常で目にしてグラグラしない写真はこれくらいしか選べなくて(これとてギリギリではありますが)ごめんなさい。このエントリーも気分次第で消してしまうかもしれませんのでご容赦下さい。
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2009年04月27日

ゆらゆら帝国 20th Anniversary "LIVE 2009" IN YAON@日比谷野外音楽堂 4.26


ゆらゆら帝国20090426

雨の野音、なんていうといかにも風情がありそうだけども実際に降られてみると確実に5割増で凹むので、本当に昨日と天気が入れ替わらなくて良かったよ、と胸をなで下ろしながら日比谷野外音楽堂でのライブに行ってきた。一応は結成20周年のアニヴァーサリーライブと銘打たれてるけど、会場に入ってすぐ目につくのはいつにも増して素っ気なく見えるステージセットだからああやっぱりそうだよねと思いつつ、せめて記念にTシャツでも買って帰るかと思ったら長蛇の列なのであっさりあきらめる。どうせ着ないし。で、ライブの方はといえば優しいジャブのような「星ふたつ」から始まって、ほんのわずかだけども坂本さんが直情径行に振れている!と思った瞬間もあったり(アニヴァーサリーのバイアスがかかっていたとしても)、「3×3×3」では “そして5年 そして10年 そして15年” で閉じる歌詞のその後に “そして20年” まで付け加えたりして、ああ、坂本さんなりにサービスはしてたのかとちょっと愉快な気持ちになったりもした。そしてこの夜は待望の新曲を2曲ほどお披露目。1曲は”死んだおじさんの墓に陽があたっている〜”とかいう歌い出しの民俗ビザールなミニマル。そしてもう1曲は、焦燥と諦念を儚いファルセットの決意表明が縛り上げて既に名曲の予感がこぼれ落ちるミディアム。「つぎの夜へ」はアルバムに収められなかったことで屹立しているけども、この新曲が然るべき場所に重石のように収められる新しいアルバムが完成するのであれば、それは確実に『空洞です』の先を描いた極北でまどろむ感情になるわけで、スウィート&メロウ&デスな彼岸に浸れる日が本当に楽しみだ。などとつらつら考えながらラストの「星になれた」を聴いていて、あっと思って野音の空を見上げるとそこには星がちらちらと瞬いていたりするわけで、こういうベタなのも悪くない、たまのことだから全く悪くない、とありがたく20周年のお祝い返しをいただいて帰ってきた。あんまり寒くて鼻水出て困ったけども。
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2009年03月27日

BECK@Zepp Tokyo 3.27 Thu c/w Yura Yura Teikoku


ベック&ゆらゆら帝国

「あ、どうも、ゆらゆら帝国です」オープニング・アクトということだからか、アウェイのお客さんに向かって律儀に自己紹介してからのスタート。初めて耳にするイントロで始まった「できない」から久々の「タコ物語」や解体ヴァージョンの「ロボットでした」まで、ベック仕様でもないんだろうけどアッパーを封印してフリーキーなミディアムを並べた全6曲のセットリスト。ベックのリスナーとの親和性は高いだろうなと思ってたから、いい具合にジクジクとフロアを温めてわりとあっさり退場。ところで坂本さんの髪の毛が何だか凄いことになってて、妖怪というかトロールというかある意味分かりやすい人間離れのキャラクター化が一層進行中で、来月の野音じゃどんな風になってるのか楽しみ。メイン・アクトのベックはといえば初来日の歌舞伎町リキッドルーム(1994)、Mutationsのツアーで来日した厚生年金会館(1999)に続いて3回目のステージで、前2回のエクスペリメンタルでマニックなショーに比べると手堅いと言ってもいいステージさばきだけど、これは新譜での幾分ヴィンテージな腰の座り具合にあてはまる気分だから、さすがのベックも経年劣化か?とかそういうツッコミとはほど遠いヴィヴィッドで楽しいステージだったし珍獣のオーラはまだまだ放射中なのに逆に恐れ入った次第。ボトルネックでブルースのラインを弾きまくった後でなだれ込んだバウンシーな「ルーザー」など聴くにつけ、初来日時の適当な替え歌で流した天の邪鬼で空っぽなヴァージョンなど想い出したりもして、この男が(あとはソニック・ユースか)最前線を耕したからこそ咲いた花も数え切れないんだよなあと、やけに若い客(完全に世代が入れ替わってる!)で埋まったフロアをみて勝手に回顧モードに入ったりもしてた。あとはやはり、この人が示したヒップホップとかクラブ・ミュージックを経由しなくても身を任せられるフレンドリーなオフビート(裏打ち)がいまだに有効であるのは常に若いリスナーを掘り起こしてることでも実証されてるし、オリジネイターでありつつイノヴェイターでもある凄みという点ではかつてのデヴィッド・ボウイにも通じる気がするけども、それを飄々とまとったチャーミングにはドラマを排除したところで吹き抜ける風の心地よさがあって、そしてそれがやけに健全な気分がしたとしても鼻白む気にならないのは、その風を送り出している小柄なブラックホールをステージ上に認めた時の、実はとりつくしまがないというか寄る辺がないというか、そういう秘やかな断絶のどうにも手が届かない感じが人間以上で素敵だなあと思っていたりするからなんである。それにしてもほんとにおかしな人だよ。
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2008年12月31日

ゆらゆら帝国 LIVE2008FINAL@LIQUIDROOM


ゆらゆら帝国20081230

今年は先行予約チケットの抽選で外れてしまったので、朝8時から店頭販売に並んで手に入れたチケットを握りしめて年末恒例のリキッドルームへ。ゲストのオシリペンペンズは変拍子と痙攣ギターと情念系ヴォイスという典型的なアングラフォーマットだけど、サウンドのリズムとフレーズがくっきりしてるのとモタコのヴォーカルがそれにきちんとのっかってくので思いのほか聴きやすくてかなり楽しい。そうしてペンペンズがやけに行儀良く終わった後、何か今夜のリキッドは空調のせいかじっとり暑いなあとか思ってる内にメインの3人登場。オープニングの「冷たいギフト」から「幽霊の結婚式」は久しぶりのセットリスト入りで、前半はこの間の新木場の時みたいに弱火で炙られて頭がぼ〜っとしてく。中盤も「グレープフルーツちょうだい」「午前3時のファズギター」「ドックンドール」といったこれも久しぶりのセットリストに加えて坂本さんが倍増しで動き回る姿が“電気の武者”という形容にピッタリで、この夜の赤熱っぷりにこちらも相当あてられて暑い暑い。終盤は3人揃って壊れる「ロボットでした」から「EVIL CAR」へ首の皮一枚つなげたままなだれこむ瞬間がこの夜の白眉で、おやすみのない世界に向けて「おはよう まだやろう」で2008年の幕引き。そして「よいお年を」と坂本さん。今年もどうもありがとうございました。

3年を過ぎても相変わらずグラグラしっぱなしの辺境まで足を運んでいただいた皆さん、今年どうもありがとうございました。新しい年が皆さんにとってより善い日々となりますようお祈りしています。ついでにワタシにとっても善い日々でありますよう祈らせていただきます。では、良いお年を!
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2008年12月08日

ゆらゆら帝国@STUDIO COAST 12.7 Sun


ゆらゆら帝国20081207

この2週間ほどは映画も観に行けないような煩雑な毎日が続いていて、それだからこそ何とかやりくりして新木場まで抜け出してきた。ゆらゆらのライブ自体も苗場以来というご無沙汰ぶりなので、あわよくば滋養の欠片でもいただければと手ぐすね引いたこの夜は「砂のお城」でスタート。相変わらず“ぺっ!”が気持ちいい。と思ったのも束の間、こちらの鬱屈した心情に塩をすり込むように這いずり回るグルーヴが続くセットリストだったりして、電圧をいきなりぐいっと上げたようなギターでハッと我に返りはするものの、すみません、最近はエスタロンモカでその場をしのいでるワタシなもので「無い」でちょっと立ったままウトウトしてしまいました。ただ、次に演ったこれも久しぶりの「わかってほしい」から「すべるバー」「夜行性の生き物3匹」「つきぬけた」「ロボットでした」「3x3x3」の爆裂タイムでの濃厚な噴かしっぷりにはありがとうございますと頭を垂れるしかなくて、特に「ロボットでした」での一郎さんは、この人はこの期に及んで何をしようとしてるんだろうといういきなりの爆走で、このバンドのアンサンブルがあれくらいムチャクチャになるのもちょっと珍しいよねという暴れっぷり。何かあったんでしょうか、ワタシも何かありっぱなしなのでお察ししますが、単に度が過ぎてみたかっただけなのでしょう、おそらく。そしてラストは奈落に引きずり込むようなこれもレアな「パイオニア」でじっとりと閉幕。結局はこの人達のクリエイトする場所に妄想の入り込む隙などないことを再確認した夜となって、それだからこそ清々しいというか心洗われる気持ちになるのだなと勝手に納得して、連れの背中を意味もなく叩きながら寒い寒いと新木場の駅に向かったのでした。リキッド当たるといいな。
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2008年10月05日

レディオヘッド@さいたまスーパーアリーナ10.4 Sat


radiohead20081004
※プロユースのカメラじゃなければ写真撮影可だったよ

一昨日54-71を見た渋谷O-Nestはおそらくここのトイレくらいの広さかと思われる(トイレ行ってないけど)さいたまスーパーアリーナでレディオヘッドのライブを観賞。レディオヘッドは10年前くらいに赤坂ブリッツで見て以来、ここ最近は相方がチケットを確保してくれるので来日するたびに足を運んでる。基本的に狭っちいところのライブにコソコソ行くことが多いので、こういう派手な会場のライブだと現実味が稀薄な分、気が楽というか無責任でいいので楽しい。ライブの方は新譜中心で、どんどんトム・ヨークの鼻歌とアンビエント化が進んでることを考えれば分かるようにスタジアムクラスのライブにしちゃあえらく地味というか、リキッドかせいぜいCOASTあたりで壁にガンガン音をぶち当てながら演るのがふさわしい感じ。ただまあ、パフォーマンスやステージ・プロダクションでの洗練に向かうノイズの除去っぷりには凄みすらあって、ライブっていうよりはある種のインスタレーションみたいで面白かったけど、こういうステージから幾ばくかの血肉をむしりとれるほどの食欲も腕力もワタシにはもうないなあとあらためて感じながら、東京に帰る電車でちょっとウトウトしたりした。とか言いながら火曜日も国際フォーラムに行くんだけどね。
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2008年10月03日

54-71@渋谷O-Nest 10.2 Thu


54-71

自分達の方から少しドアを開けてみたような新譜が素晴らしかったし、久々のワンマンということでそれなりにワクワクはしてたにしても、まだバーまで10cmくらい余裕ありますね!くらいの勢いでチンケな期待なんぞを軽くクリアして見せた1時間。今回はボボ氏が真ん中に鎮座してたおかげで異常なハイハットさばきもたっぷり見られたし(途中でぶっ壊してたけど)、左端に寄ったせいかリーダーもあんまり後ろ向かないし、何より“ボボ氏のドラムの前で動き狂うビンゴさんの図”が面白くてカッコよくてしょうがなかった。で、少しドアを開けてみせた感じの一因となってるのは新ギター高田氏のような気がしてて、まだまだ控えめで抑えめな気はするものの曲ごとの色づけを今までよりもはっきりとしてるのがとても新鮮に響いてくる。口を閉じて絶叫する得体の知れなさでビビらせてたのが、口を開けて絶叫してみたらもっと大勢が振り向いてビビったって感じかな。あとはやはりビンゴさんが健在すぎたこと。夏前に見た時はカモフラのフードをすっぽりかぶってボクサーのようなストイックさで、4人体制に戻ってビンゴさんも少し変わるのかなと思ってたら、この夜は美川憲一ばりの意味不明なラメ衣装(背中にチャックがあるんだよ)で酔拳だったり狩人だったりしながらも鋼の音を従える官能のアジテーション・パントマイムが絶好調で、この音をこの世で一番堪能してるのはこの人だなあと思ったのはバンドを最初に見た時からずっと一緒。セットリストはあんまり憶えてないけど、新譜全てと、何曲かは同じ曲を2回演ってた気がするんだけど気のせい? 基本的に黒Tは買わないのに、メンバーが着てたメタルテイスト(画像)のがすごくカッコよかったので思わず買っちゃったよ。着ないのに。

B001AIRKLSI'm not fine, thank you. And you?
54-71
CONTRAREDE 2008-09-19

by G-Tools

スティーヴ・アルビニとボブ・ウェストンというシェラックの鉄板コンビが手がけた新譜も相変わらずアルビニのネイキッドなサウンド・デザインが絶妙で、これくらい相性のいい組み合わせもそうそうないんじゃないかと思わせる音の快感値がやたら高い出来なので、バンド未体験の方は是非これを機会に虜となっていただければと。
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2008年08月12日

The Jesus and Mary Chain@渋谷クアトロ 8.11 Mon 


the jesus and mary chai

空っぽだったね、そんなに悪い意味でなく。だからと言って良いわけでもないんだけど、ある意味時代と寝てきたバンドの本性をさらけ出したって点と、それを取り繕うわけでもない開き直りみたいなもんは往事の屈託や倦怠の先にあるもののような気がして、これはこれでわりとジャストな気分。ほとんどが3rd以降のベスト・オブ的セットリストでまとめた1時間強のステージは、ふらつくギターとうわずったヴォーカル(まあ、もともとそうなんだけど)を支える音数の多いサポートのお仕事的活躍のお陰でイーブンペースでやり逃げはしたもののホワイトライト/ホワイトヒートなマジックが宿る瞬間もなく、新曲とコールされた演奏も遡った先がせいぜい「munki」って感じだし、ジムがペットボトル片手に飲みながら歌うんだから、そりゃもう自意識ガチガチのギミックなんかもあるはずがない。それと、改装されたパルコクアトロの1〜3階がよりによってBOOKOFFになっててちょっと驚いたというか、WAVEが1フロア使ってた時代とか知ってるお客も少なからずいたであろうこの夜のライブが新装クアトロのこけら落としだったっていうこじつけの符合が、されど人生は(繰り返し)続く、はて何を生きようというひねくれた問いかけだった気もして晴れやかなんだか曇ったんだかよく分からない夜ではあったということ。やっぱりマイブラも見なくてよかったのかもしんないな。

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2008年07月31日

FUJI ROCK FESTIVAL '08@苗場/7.27 Sun

え〜、去年の3日目と全く一緒です。頭痛でダウンです。気圧変調性ってやつです。従って今日は低気圧で雨が降るはずです。というわけで昼過ぎまでグダグダしてたせいで、MELEEやらキセルやらは見送り。何か3日目は鬼門になりつつあるな。

JAKOB DYLAN OF THE WALLFLOWERS@GREEN
おにぎりを買って草の上に座って聴きながら食べようと思ってたら予想通り雷雨襲来で、ちょっと離れた小高いところの木陰でおにぎり片手に静聴。もはやオヤジが誰だとか関係ないクールなルーツ・ミュージックはやっぱりピーカンで聴きたかったなあとか思ってたら、本降りどころじゃない気配になってきたので、レインスーツのパンツを取りにホテルに戻る羽目に。今からFOALS見に行っても、多分雨宿り組でRED MARQUEEは満杯だろうからあきらめた。見たかったなFOALS。今日は一体いくつ見られるんだか。

STEPHEN MALKMUS & THE JICKS@WHITE
マルクマス氏は相変わらず飄々とした優男っぷりで、ローファイ汎用フォーマットの生みの親には全然見えない。ソロになったからと言って新機軸を追求してるわけでも、かといって遺産を食いつぶしてる風でもないこの不思議な佇まいはこの人なりのダンディズムなのかもって思えたきた。80年代後半のダイナソーJrと90年代前半のペイヴメントでローファイを浴びまくった者からしたら、このぎこちないリズムとそれをほぐすようなメロディの組み合わせは良し悪しを超えたところで鳴ってるので、ただただひたすら堪能するのみで当然文句なんかない。

THE BREEDERS@WHITE
キムが再結成ピクシーズのステージで見せてた笑顔が額面通りでなかったのは「ラウド・クァイエット・ラウド 」の内容や、キムの拒絶によってピクシーズが新作を録れなかったことからも明らかで、だからこそというか、ブリーダーズの新作を携えてのステージで心底楽しそうにしてるキムの姿を見てると、チャーミングだけどもとっちらかった自己満足気味のステージも仕方ないよなと思ったりもするわけで、とりあえずはフランシスの呪縛が解けてよかったねと優しい目線で見ちゃうのは、この辺のバンドへの同志愛でしかないねもう。そういえばこの頃から雨が止み始めて、虹が見えたよ。

ゆらゆら帝国@WHITE
「やさしい動物」で始まったフジでは5回目となるステージは徹底したエクスペリメンタル風味の全10曲。こちらも今さらアゲられても微妙だなあと思ってたので、これは非常に楽しかった。こうしてフェスでいろいろなバンドを見るとなおさら思うことだけど、彼らのプレイヤビリティとか音に託した思想とか佇まいとかは既に日本では規格外かなとは思うんだけど、彼らを彼らたらしめてるのがおそらくは“日本の情緒”のようなものだったりするから面白いんだよなあとあらためて思った次第。

でもって、今年は何で締めようかなあとORANGEやらHEAVENをうろついてみたけど、Bill Laswellじゃトリには重すぎておそらく立ちつくすだけだし、RODRIGO Y GABRIELAとは個人的事情がなさ過ぎるしということで、AVALON辺りで少し休んだ後で会場を横断してRED MARQUEEへ。

NEON NEON〜ADRIAN SHERWOOD@RED MARQUEE
SUNDAY SESSIONで登板させるにはもったいなさ過ぎるNEON NEONは、パロディ解釈ではない80Sエレポップが祭りの後のわびしさを誘ってなかなかイイ。とか思ってたらチビ・デブ・ハゲのウルトラ三拍子ハー・マー・スーパースター(ショーン・ティルマン)乱入で、これ以降おいしいところは全部こいつが持ってってみんな大喜びで楽しい楽しい。何かあれだ、日曜夜のブルーな気分を「ガキの使い」で一瞬忘れる感じ。にしても45分は短すぎたよ。そして今年は総帥エイドリアン・シャーウッド直々のスラッシュ・クラッシュ・ミックスで震えつつ締め。ワタシにとって総帥のダブはギブスンが『ニューロマンサー』で響かせたそれに完璧にマッチして、いつまでたっても見果てぬ未来の音楽だったりする。独りブースにこもった総帥はリズムをカットアップしてノイズを張り巡らせ、簡単に踊って済ませるような時間なんか投げてくれない。そうしてパーティ・モードとはほど遠いながらもフロアはひんやりとシンクロしていくわけで、昂揚というよりは覚醒して祭りに見切りをつけた瞬間が午前1時過ぎ。

時間は誰にも等しく3日経てば終わってしまうわけだけど、今年は祭りの終わる寂寥とかそういうものが全くなかったのはどうなんだろう。ほとんど悩むことなく見たいステージを選べたのは逆に言えばラインナップが薄かったということだし、グリーンではサイズが小さくなって設置数も減りホワイトでは撤去すらされていたスクリーン等、ビジネスモデルとして成立しなくなってきているのではという危惧すら抱かせるスケールダウンが非日常を押しやってるんだとしたら、何かとっても残念で淋しい気がするんだけどな。ま、何だかんだいって来年も行く気満々なんで、もう少しUSポストロック勢に注力してくれると尻尾振って喜んだりしますのでよろしくお願いします、大将。

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2008年07月30日

FUJI ROCK FESTIVAL '08@苗場/7.26 Sat

2日目も朝からいい天気。というか暑いよ。でもアスファルトの照り返しとかエアコンの室外機とか車の暖気とか、真夏に暖房してるような暴力的な暑さじゃないから何とかやり過ごせる感じ。

凛として時雨@WHITE
連れに付きあって見に行く。それが手段としての作為だったらいいんだけどね、って感じるくらいナイーブ全開だけど、これは別にロックの危うさってわけでもないんだよね。もうメジャー展開も決まってるらしいし舐め合う傷としては優秀な気はするけど、等身大へのシンパシーよりも音楽は背伸びして聴かないとどこへも行けないと思います。ハイ、オッサンがウザかったですね。

THE FUMES@FIELD OF HEAVEN
こういうギターとドラムスのデュオっていうのも少々食傷気味なわけで、ベースレスにするアドバンテージって何なのって思わせちゃったら負けなんだろうけど、このバンドは何とか引き分けって感じ。結局リズムの穴埋めはリフと爆裂ドラムなもんで、一生懸命聴いてると飽きちゃったりするけど、埃っぽい風が吹く中で体を揺らしてる気分は全然悪くない。

鈴木慶一/Captain HATE and The Seasick Sailors@ORANGE COURT
曽我部恵一をフィーチャリングしてのステージはイスに座って聴いたのが運の尽きで、雨のぱらつく中、うたたねの切れ切れに聞こえる歌声やギターが気持ちよすぎる贅沢。ゲストの山本精一が紹介されてたのは憶えてるし、曽我部氏がソロをとった曲がすごく良かったのも憶えてる。何だか夢うつつな気分がそのままステージの記憶なのはもったいないのか幸せなのか。要するに良かったのは間違いないということで。

BETTYE LAVETTE@FIELD OF HEAVEN
全く知らないアーティストだったけど、ORANGE COURTの帰り途にちょっと足を止めた結果、最後まで見続けることに。40年を超えるキャリアを持って鈍色のブルースをぶちかますベティ姐さんのステージには人生とショウビズを生き抜いた誇りとそれを支えたタフネスが溢れて、手練れのバックバンドとのコンビネーションも素晴らしくてこれはちょっとしたサプライズ。こういう出会いはフェスならではだよねえ。

THE ZUTONS@WHITE
アビ嬢のプロ意識というかビジュアル担当OK!のガッツがステージを盛り上げてこれは単純に楽しい。アビ嬢をカメラで抜くだけで盛り上がるだろうに、こういう時にスクリーンがないのは残念だなあとつくづく思いました。

TRICKY@RED MARQUEE
で、問題のトリッキー。結論から言うと中途半端で不完全燃焼。フジでの過去2回のステージに比べると全然ダメ。新譜でも丸ごとSWITCHで押し切れなかった物足りなさがそのままライブに出た感じ。あれほど不穏に鳴り響いた”Council Estate”も間延びしたバンドサウンドのせいで台無しになってるし、新しく連れてきた♀ヴォーカルもいいのはスタイルだけで、マルティナが込めた呪詛の欠片も持ち合わせてない。パートナー解消後にリリースされたアルバムがどれも決定打を欠いていることや連れてくる♀ヴォーカルの声質がいずれもマルティナ似であること等々、要するにマルティナ・トプリー・バードのかくも長き不在ってやつで、暗黒大王未練タラタラ。ワタシも不満タラタラ。

MARK STEWART+MAFIA@ORANGE COURT
サウンドチェックを行うマフィアの面々(というかタックヘッドだこの人達は)の面構えを見ているだけで、ああこれは大丈夫だと確信。何がそうさせたのかは不明ながらマーク・スチュワートには長身痩躯のイメージがあったので、現れた御大の安岡力也のようなシルエットに少し驚く。で、ほっといてもギリギリギシギシとエッジまみれのサウンドを出してるところにもってきて、PA卓に陣取ったON-Uの総帥エイドリアン・シャーウッドによる凶悪なDUBトリートメントのおかげでビリビリバリバリ震えまくる空気に包まれて、ああこれはちょっとした桃源郷じゃないか、レベル・ミュージックがこんなに気持ちよくていいんだろうかと呆けながら振り返ったら総帥がPA卓でノリノリだったもんで、ああ楽しみながら倒せってことですね総帥!と勝手に納得。帰ったら御大の新作ソロと総帥のタックヘッド・ミックス買います。

SPARKS@ORANGE COURT
2日目のというか今年の白眉がスパークスになるなんて想像もしてなかったし、そもそもスパークスのライブって?な状態で足を運んだ人がほとんどであろう完全アウェイの状態で、集まった全員を虜にして笑わせて跳ねさせて歌わせて踊らせた特別な一体感には、こちらもともかく当人達も驚いたんじゃないかな。アーティストは知らないしCDも持ってないけど音さえ楽しめればかまわんよ、というフェスならでのはのオープンな雰囲気が時々こういう化学反応(ある種の集団ヒステリーみたいなもんだろうけど)を起こすことはあるにしても、会場の端っこのフェスでも一番小さなステージで心なしかおずおずと始まったライブが、最後にはステージも客席も泣き笑いに近い幸せな気持ちに包まれて幕を閉じる様はちょっと感動的でもあって、昨日のJBと合わせてみればもう今年はこれでいいやと一人うなずきながらホテルまで40分歩いたのでした。
posted by orr_dg at 15:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | Live | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月29日

FUJI ROCK FESTIVAL '08@苗場/7.25 Fri

最終日グリーンステージのラインナップについては以前から巷間喧しかったところ(日本勢ばっかじゃん、しょぼ…等々)にもってきて、清志郎のキャンセルとこれに伴う代打プライマルは仕方ないにしても、最後まで空席だった2コマが前日に出演したアーティストの使い回しだったことで当初から漂ってたグダグダ感がいや増す中、行けば行ったで楽しいんだよと言い聞かせながら11度目の苗場参戦。ワタシ自身は毎回グリーンでトリを迎える事自体がそれほどないんだけど、メインステージのトリは一座の座長みたいなもんだからやっぱりそれなりの顔でにらみをきかせて欲しいところなんだよねえ。去年のこのテンションが我ながら少しばかり空しい。

基本的にTシャツはバンドTシャツかその類しか着ないので、まずはそっちの仕入れに行く。が、無い。欲しいもんが無い。TRICKYのTシャツとか欲しかったんだけどそもそも売ってない。だけどせっかく列に並んだのだからと意地になってMY BLOODY VALENTINEとTHE BREEDERSの2枚だけ購入。ただでさえ低いテンションがまた下がる。

RODRIGO Y GABRIELA@GREEN
Tシャツ売り場に向かう途中でチラ見。確かに面白いんだけど、あくまでも飛び道具としての面白さだなあと思ってしまったので、最終日のトリ候補から外すことに決定。

ここで、予想外に天気が良かったこともあり混雑する前に一度乗っておこうと恒例のドラゴンドラ搭乗。乗り場に向かう途中でチラ見したTHE PRESIDENTS OF THE UNITED STATES OF AMERICAが面白いとかどうのより演奏能力にちょっとたまげる。下手くそにコミックバンドはやれません。DAY DREAMINGではちょうど小島大介が回し終わった後で、この日は瀧見憲司なんかも回す予定だったけど、さすがにチラ見ばっかりだとまずい気がしてきたので下界に戻る。

SPOON@RED MARQUEE
10年以上前に1stアルバムを買った程度で良質のインディ・ギターバンドっていう印象しか残ってなかったけど、良くも悪くもまんまその通りだった。フロアに結構外国人の方々が目立って、近くに居たいかつい白人のアンチャン達もニコニコしながらシンガロングしてたりしてけっこう愛されてんのねとか思ったけど、だんだん飽きてきたので途中でJASON FALKNERに向かう。

JASON FALKNER@FIELD OF HEAVEN
そんなに熱心に追いかけてるわけじゃないけど、JELLYFISH流れだとROGER JOSEPH MANNING JR.よりは彼の音の方が好み。結局は衒いのないモンの方が長持ちするし。この辺で今年最初の一雨が来る。ニコニコしながら「何かみんな静かだねえ、でもいい感じだけど」とか言いながら本人も楽しげ。2/3くらい聴いてからOZOMATLIに向かうため切り上げ。

OZOMATLI@ORANGE COURT
う〜ん、FERMIN MUGURUZAなんかに比べるとやっぱり何か軽い。こなれの良すぎるミクスチャーはあんまり引っかかってこないなあ。というわけでAVALONに向かってSunshine Love Steel Orchestraのスティールパンを座り込んで聴きながら少しウトウトする。

GALACTIC@WHITE
スバラシカッタ!いやもう、今日はこれが外れたらかなり切ないところだったんで倍掛けで喜んだよ。こういう風にやたら跳ねないホワイト・ファンクは大好きで、さばくっていうよりは打ち抜くスタントン・ムーアのドラムスと、螺旋のようにリズムを縛り上げるベースラインがメチャクチャカッコイイ。MCではBoots Rileyが圧倒的で、暗闇をすり抜ける身のこなしといい、いかがわしくも熱いアジテートといい、彼がステージを支配してる瞬間は完璧だった。3MCs勢揃いとなるラストの“移民の歌”(Zepのね)では何かもう悪寒のようにゾクゾクしてたよ。

Bootsy Collins Tribute to the Godfather of Soul@WHITE
WHITEは引き続き怒濤のFUNK祭り。冒頭、今夜のショーは3部構成でBootsy Collinsは最後のセットで登場するよという前口上があって、Bootsy出ずっぱりじゃないのかよとマイブラを蹴った自分を蹴り返してやりたい後悔にかられるも、2時間後には勝ち誇ったようにBootsy共々“We want got the FUNK!!!!!!”とか叫んでたりするんだから人生、簡単にあきらめちゃいけないよね。で、第1部はパブリック・エネミーの“元”バックバンドのギターコンビによる前座というか会場を温めるための30分。まあ、これはどうでもいいとして、第2部にはフレッド・ウェズリーのリーダーバンドが登場。じわじわ上げていく緩やかで切れ目のないファンクが気持ちよすぎる。そしてようやくご本尊登場、かと思いきや焦らす焦らす。でもヴィッキー・アンダーソンに焦らされる分には全然かまわないけど。そんなこんなしてる内にやけにひっそりBootsyが登場したと思ったら、ステージ後方で地味〜にプレイ開始。わけが分からずいたら、それもそのはず今夜の主役は“Young Jaaaames Brooooown!!!“てな感じで呼び込まれたJBクローンで、彼が登場してからのステージはもう阿鼻叫喚のファンク祭り。このスリムなJBは歌はもちろんJB特有のステップからマイクアクション、はてはトンボまで切って見せて、しかもそれが一生懸命コピーしました、がんばってます的な粗がまったく見えず、彼個人の得意技であるかのような凄みすらあって、この数十分だけで今年も苗場に来たかいがあったと思わせる昇天のステージ。そこまでやるかのマント・ショーまでオマケに付いて、クローンの退場後はご本尊がフロントに上がって“We want got the FUNK!!!!!!”と昇天したワタシ達をさらに煽りまくり、予定を30分ちょっとオーバーしてようやく終了。ここでガス欠になったおかげでTHE NEW MASTERSOUNDSを見送らざるを得なかったんだけど、それが心残りにならないくらいの至福の一時を過ごしてこの夜は泥のように眠りました。
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2008年07月24日

FUJI ROCK FESTIVAL'08 直前展望


FRF08

[7/25 Fri]
RODRIGO Y GABRIELA
RYUKYUDISKO
アメリカ大統領
JAMIE LIDELL
SPOON
JASON FALKNER
GOSSIP
THE VINES
mice parade
GALACTIC
Bootsy Collins Tribute to the Godfather of Soul
THE NEW MASTERSOUNDS

[7/26 Sat]
THE FUMES
鈴木慶一/Captain HATE and The Seasick Sailors feat.曽我部恵一
BETTYE LAVETTE
THE ZUTONS
TRICKY
GOGOL BORDELLO
MARK STEWART + THE MAFFIA
LETTUCE
SPARKS

[7/27 Sun]
MONO
JASON MRAZ
キセル
JAKOB DYLAN OF THE WALLFLOWERS
SEASICK STEVE
FOALS
STEPHEN MALKMUS & THE JICKS
THE BREEDERS
NARUYOSHI KIKUCHI DUB SEXTET
ゆらゆら帝国
Bill Laswell presents Method of Defiance

今年はいろいろと個人的環境に変化があったので行けるかどうか微妙なところだったんだけど、いまいち心晴れやかでないまま、なし崩し的にスケジュールを確保。そういう事情に加えて今年のメンツがいまいちピンポイント・ヒットに欠けるもんで、例年並みにテンションが上がってこないのがどうしたもんだかね。まあ、行けば行ったで楽しいのは分かってるから、あとは天気が後押ししてくれることを祈りつつ今夜の新幹線に乗り込みます。では〜。

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2008年06月13日

JOY HEIGHTS/METALCHICKS@代官山UNIT 6.12 Thu


ジョイハイツ

シュガー姐さんとよっちゃんの裏打ちメタルディスコでザワザワとフロアが暖まったところで、姐さんがMCで「JOY HEIGHTS、超男臭いっ!」と呆れたように吐き捨てた当の4人が登場。1曲目から早くも大友さんがターンテーブル破壊にいそしみ始めたりはするものの、ギター、ベース、ドラムという定型のフォーマットな分、とっかかりはあちこちにあるのでこちらは置いてきぼりにされることもないし、手探りのグルーヴが寄り添ったあげくのアヴァン・サイケとも言える混沌を引きずりながらも“ロック”の狭い穴までもするりとくぐっていくようなスリルからすると、やはりアルバムは少しお行儀が良すぎたなあという感じ。ここ最近はフリクションでの中村達也しか見ていなかったせいもあって、スネアにぶち込む快感を自ら許可して疾走するフリースタイルは、見ていてホントに楽しいというか頬が緩むし、それを横目でにニヤニヤ見ている大友さんの痙攣するギターが切り込む瞬間は、ああ、今日はこれだけのために来た!と震えて胸中で思わず一礼。笑わないパーティ・バンド、あるいは局所的スーパーバンドということで、パーマネントな活動も今後のライブ予定もないのがもったいなさ過ぎるので、せめて今日のステージはライブ・アルバムとしてパッケージしてくれることを切にお願い。

B0017W7GW0Country Kill
JOY HEIGHTS
インディーズ・メーカー 2008-06-04

by G-Tools

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2008年05月22日

FRICTION@渋谷CLUB QUATTRO 5.21 Wed


フリクション080521

昨日の夜は渋谷でフリクション。足して100歳超えた涼しげなベーシストとやんちゃなドラマーが2人きりで2時間逃げ場なし。まるでガキ同士の意地の張り合い。そのくせ意味ありげに目配せしてニヤッとかするのが何だか羨ましい。でもってフラフラヘロヘロになったあげく最後の最後、無酸素状態でZONE TRIPPER演る大人げのなさがロック(=疲れた体に昂揚した精神)なのだなと非常に分かりやすく諭してもらって気がついたらお腹がペコペコ。来月は新大久保(!)で、対バンは日本脳炎(!)とKIRIHITO(!)。前売り買って帰ったよ。
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2008年01月23日

Sufjan Stevens@渋谷CLUB QUATTRO 1.22 TUE


Sufjan Stevens

あの声が静かに流れた瞬間から、息をひそめて聴きすぎて見つめすぎて疲れるくらい。さすがにスタジオの緻密なアレンジをほんの少し(わざと)ほころばせてはいるものの、ピアノやホーン、そしてあの歌声が出入りを繰り返すことでさざ波が高波に変わっていく様は圧倒的。しかも最小ユニットのバンド編成かと思ってたら管楽器が5人も入ってまさに楽隊の趣で、目当てのアニー・クラークを見つめる暇もない小さなスペクタクル。アルバムツアーではないのでセットリストも偏ることなく代表曲はほとんどやった気がするけど、やはり中盤でのILLINOIS勢の連打が素晴らしすぎてもう家に帰りたくなくなったよ。ただ、Sufjan Stevensという人は、やはり自分が為し得ることにはすべて自らの責任においてケリをつけなければならないという緊張感のある孤独を背負った人という印象で、ステージやフロアが脳天気な祝祭空間に染まってしまわないのはその震えが伝染しているからなんだろう。とは言っても本篇ラスト“CHICAGO”での疾走ぶりは完全にロックンロールのバーストで、意識の輪郭が溶けていってなにか明るくて白いものに包まれてフラフラで気がついたら足がガクガク。2時間が瞬間の記憶。今この時期にSMASHが呼んでいるということはよからぬ妄想を呼び込んでしまったりもして、7月にFIELD OF HEAVEN@苗場で見られたらこれは忘れられない体験になるのは間違いないと思うので、大将どうかお願い。
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2008年01月21日

恒松正敏グループ“欲望のオブジェ”リリースイベント@タワーレコード新宿店

B000Y3JFUO欲望のオブジェ
恒松正敏グループ
P-VINE 2007-12-19

by G-Tools

1月20日の日曜日、13:50分頃7Fでエスカレーターを降りるとアコースティックなのにバキバキにキツイ音が聴こえてきて、あれ?イベント14:00からだよなと思ったらリハーサル中で、演ってた「NO WAY OUT」が終わると一度裏に引っ込んで、あらためて3人登場。ベースのみプラグインのセミ・アコースティックセットで、途中「ワイルド・イン・ザ・ストリート」「アイ・シャル・ビー・リリースト」のカヴァーを含めて全7曲を演奏。誰に言うでもなく“まだ酔いがさめない。朝7時まで飲んでた。早起きしなくちゃいけない日に限ってこういうことをしてしまう”などと小さくしゃべりながら、上気した顔で弦をはじき飛ばす恒松正敏。レックもそうだけど、あんな爆風みたいな音を奏でていたとは思えないくらいスリムでタイトな体は相変わらず。30年も前から閉じた世界をこじあけてきたから、もう体まで尖ってしまってるみたいだ。恒松正敏はそれとは真逆に幻視を掴まえて幽玄に塗り込める絵画の人でもあって、8年ぶりの新譜ではそのこじあける意志と閉じこめる情念のバランスが硬質で高熱のギターで為されて狭義のロックをど真ん中でぶち抜いた凄まじい作品で、去年の暮れからヘビー・ローテーション。清志郎にしてもそうだけど、この国のロックがまだ闇の中でのたうっていた頃から悪路をものともせず走り回っていた連中は、道筋のついた舗装路を信号で止まりながら進む輩とは足回りのタフさが全然違う。当然のごとく、勝井 祐二もゲストで加わる2/18のクアトロにも呆けて揺れに行く。

欲望のオブジェ
『BLUE SPHINX』のLPにサインしてもらおうかと思ったけど、せっかく素晴らしい新譜が出たのだからとこちらにサインをしてもらった。でも同じことを考えてた人がアナログにサインしてもらってて、やっぱり羨ましかったな。

恒松正敏の絵はがき
特典の恒松画伯オリジナルポストカードセット。これはちょっと嬉しい。
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2007年12月31日

ゆらゆら帝国 LIVE2007FINAL@LIQUIDROOM

ゆらゆら帝国20071230

昨晩は年末恒例のリキッドルームへ。オープニングアクトはIncapacitants。楽しく麗しいノイズで30分があっという間に過ぎた後でトリオ登場。「順番には逆らえない」で始まり次が久しぶりの「男は不安定」という流れからして先日までのツアーからは完全にスピンオフしたステージ。とは言え「やさしい動物」や「あえて抵抗しない」でギターを置いた坂本さんがマラカス振りつつ歌い上げるのは空洞ツアーからの流れで、ギターのリフがなくても曲が成立しちゃうのは新譜が持ってる特徴でもあってこのあたりは坂本さんが何か味をしめてる感じ。で、これも久しぶりの「つぎの夜へ」でのバースト&メロウが本当に素晴らしくて、真夜中に独りうつむいて呟くポジティブがここしばらくのワタシの日々の事情に完全に重なって思いのほか脆くなってる感情にすごい勢いで染み込んでく。一瞬現実が麻痺してるだけなんだろうけど、こういう直接性はやっぱり音楽ならではの愛すべきお節介。パフォーマンスとしては、ここからそのままなだれ込んだ「EVIL CAR」での亀川氏が今夜の白眉。終盤バースト状態でのオマエはFleaか!ってなくらい揺れまくって暴力的にベースラインを壊しまくる姿は初めてで、呆気にとられてるうちにだんだん嬉しくなってきちゃって笑いっぱなしだったよ。こんな亀川氏に限らず今夜感じたバンドの体温の高さはここ最近のステージでは飛び抜けていたし、坂本さんの「みなさん良いお年を」の言葉と合わせたら何とも縁起の良い一年の締めくくりになって、帰り途の冷たい風が火照ったアタマに何とも気持ちよかった。

方向性とか色づけとかそういうもんで束ねられなくて、相変わらずとっ散らかったままのこんなネットの片隅に足を運んでいただいた方々、今年も一年どうもありがとうございました。新しい年が皆さんにとって善い日々となりますようお祈りしています。
では、良いお年を!
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2007年12月18日

ゆらゆら帝国@SHIBUYA-AX 12/17


ゆらゆら帝国20071218

感情の震えや肉体の揺れをマシーナリーではなく感情や肉体そのもののトリートメントで昏睡させたフリーキーが新譜の面白さで、今回のツアーはそのひきつり気味の再現が楽しかったのだけど、今夜のツアーファイナルではその昏睡を自ら解き放ってみせて少し驚いた。とは言ってもシュリンクはそのままに振り回すものだから、圧縮されたそれらが醸す化合熱でオープニングの「おはようまだやろう」から何だかもういろいろと真っ赤になってるし、マイクのリバーブもいつもより深く潜る感じで怪しげ。続く「なんとなく夢を」も当然熱に浮かされたようなシングルバージョン。圧巻は坂本さんがギターをマラカスに持ちかえて腰を振りまくる「あえて抵抗しない」で、ダブの欠片を這いずるファンクで縛りつけた異常なカッコよさが既にこの夜のハイライト。その後は久しぶりの「2005年世界旅行」やら「侵入」やら差し込んで終盤のピークはやはり「ロボットでした」のエクスペリメンタル・ファンキーでこれはもう何度聴いても全然飽きないな。ラストのこれも久々な「星になれた」では、散々まき散らした自分らの熱や毒気にあてられたのか、いまいち絶唱が叶ってなかったようなのがやや残念で「ロボットでした」で終わっても良かったかなという気がしないでもない。というわけで今夜の変わり身には少しばかり意表をつかれたのだけど、開演前のSEが今までのアンビエント・ノイズから甘茶ソウルに変わっていたことなども併せてみると何だか次のドアを開けつつあるのかなという気もして、今月30日のLIVE2007FINAL@恵比寿LIQUIDROOMもじんわりと立ちくらみしそうなステージになりそうで当たり前のように胸がはずむし、でもって坂本さんに「よいお年を」とつぶやいてもらえればこれはもう言うことなしの年の瀬。

※画像は先日リリースされた『できない/あえて抵抗しない』の12inch Remix Vinylで、アートワークだけでもこれは買い!
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2007年12月05日

THE SEA AND CAKE @ 渋谷CLUB QUATTRO 12.2 SUN


The Sea and Cake

ちょっと遅くなったけど備忘録程度に。前座のHOSEは全くの初見。弛緩ではなく回転数が遅いのだ、狙っているのではないから外すも当てるもないのだと言われればそれまでだけど、とりあえずこちらで身を乗り出して補完しないといけなさそうな音楽は今のワタシにはあんまり楽しめないかな。でもまあ愛でられそうな気がしないでもないバンド。で、メインの4人様ご一行は素晴らしかった。意外だったのはアーチャー・プレウィットのはっちゃけぶりで、曲によってはジョン・マッケンタイアさえ煽って見せたりして彼とジョンがバンドのモーション担当かな。セットリストはあんまり覚えてないんだけどほとんど新譜中心で、あとはThe BizやNassauあたりからだったような気がするけどまったく定かじゃないのであしからず。それにしてもまあ、タトゥーありの両腕で肘を張ってビシバシ打ち抜くジョンとアタックはジェントルだけど手数の多いエリックのベースはスタジオ盤とはうって変わったライブ仕様で、そこに上物として重なる輝度の高いギターのコンビネーションと思いのほかよく届くサム・プレコップの吐息が紡ぐサウンドはポストとか音響系とかいった前置きを取っ払った完全にロックバンドのそれ。ただ、ハッタリやケレンからはほど遠く剥き身の切り売りもしないロック・ミュージックの何に昂奮するのかというと、それは差し出されたアイディアが実現する瞬間のスリルに尽きるわけで、この夜のクアトロはそんなこんなが醸すきらめきと淡い緊張に溢れてて本当に楽しかった。また来てくれたら必ずチケットを取ることにしよう!
posted by orr_dg at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | Live | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月11日

ゆらゆら帝国@横浜BLITZ 11/10


ゆらゆら帝国20071110

横浜BLITZは初めてだけど旧赤坂BLITZと造りがほとんど同じで、あそこは当時スタンディングで1500キャパの先駆けだったからRADIOHEADからフィッシュマンズ、ブランキー、ウータン・クランなんかまでいろんな想い出があって、何か懐かしくて遠い目になっちまいました。で、前回の新木場からちょうど1ヶ月経った今夜のゆらゆらは、前回と同じようにハンドマイクの坂本さんが「やさしい動物」を歌い上げてスタート。前半は「無い!!」を差し込んだ以外は新譜からの曲でまとめたのも新木場と同じだけど、今夜の「なんとなく夢を」「美しい」はアルバム・アレンジだったせいもあって、堂々巡りの虚ろな脱力フラットで油断させつつうなじを這いずり昇る新譜の魔力は今夜の方が再現性が高い感じ。一郎さんは叩き切ることをハードルにしてるドラマーじゃないけど何か熱いものを持てあましてたのか、後半の「EVILCAR」から「3×3×3」までの4、5曲のロールっぷりが凄まじくて「ロボットでした」なんかは照明で浮き上がるシルエットが千手観音みたいで思わず顔がほころびました。ラストの「空洞です」は亀川氏のベースがアンサンブルスレスレにバーストしてるにもかかわらず、それをほったらかしに坂本さんも一郎さんもそれぞれに追い込みをかけていく感じが異常にカッコよくて、ああ、もしもこの先のキーワードがインプロで、テーマが一発録りだったりしたらそれはそれで素敵だなあなどと勝手に妄想しながら雨上がりの夜道を駅に向かったのでした。次は12/17にツアーファイナルのSHIBUYA-AX。ああ、毎月1回ゆらゆらのライブに行ける幸せ。現在、身の回りが何かと大揺れなのでこういうひと時は本当にありがたいな。
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2007年11月07日

Welcome to Japan!

EverybodyEverybody
The Sea and Cake

by G-Tools
IllinoiseIllinoise
Sufjan Stevens

by G-Tools
Autumn of the SeraphsAutumn of the Seraphs
Pinback

by G-Tools
Into the Blue AgainInto the Blue Again
The Album Leaf

by G-Tools
Release the StarsRelease the Stars
Rufus Wainwright

by G-Tools

これからやって来る人達にワクワクそわそわ■前回公演に行けなかったのでこれが初シーケイク。ジョン・マッケンタイアの非トータスなロック・ドラミングが楽しみだったりする。これはチケット入手済。■スフィアン・スティーブンス!待望の!初来日!これは万難を排して駆けつけたい。アニー・クラークが来日メンバーに入ってるのもポイント高いし。■このダブル・ヘッドライナーは美味しすぎ。アルバム・リーフはフジですっぽかされたままだし、何つってもピンバックのエレガントなサウンドスケープが待ち遠しくてたまらん。■こちらはスフィアンの次の日。一度は生で聴いときたい歌だけど国際フォーラムってとこがちょっと微妙。オーチャードホールとかでその気にさせて欲しかったけど、こういうところウドーは気が利かないよね。7000円もチト高いし、こないだのスリッツみたいに当日になって行けなくなったら目も当てられんよ。
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2007年10月11日

ゆらゆら帝国@STUDIO COAST 10/10


ゆらゆら帝国20071010

この夜は新譜から「やさしい動物」でスタート。で、坂本さん、スタンドから外したマイクを右手に、ギターを持たず“ひゃおぅ!”だか何だかのシャウト一発の後でベースとドラムを伴奏にやおら歌い始めたから吃驚。ヴォーカリストというよりはリサイタル歌手のように歌い上げるシルエットにニヤニヤしっぱなしで掴みとしては全くもって完璧。新譜『空洞です』での白い部屋で鳴り響く昏睡したエクスペリメンタルに各種器官をとろけさせられたばかりで、果たしてステージではどんなモードになってるのか興味津々だったのだけど、期待の斜め上をいくこのオープニングで簡単にお手上げ状態。前半は新譜からの曲が中心で「なんとなく夢を」「美しい」はシングル・アレンジだったのが嬉しいし、この流れに続いた「無い!!」の内圧高めのフラットは今までになくしっくりくる感じで、このモードチェンジは結構新鮮。終盤で既発曲を数曲織り込んだものの、「空洞です」で終わったセットリストは新譜の10曲をすべて呑み込んで文句のつけようのないお披露目ステージ。スタジオ作品としては『しびれ/めまい』辺りからどこか極北へ向かうような新譜ばかり届いてその度にはしゃいでいるのだけれど、結局はそれがいつの間にかすんなりとスタンダードになってしまっているのはやはり驚異だし、それら曲群をこんな風な狂熱のバウンシーで晒けだしてくれるステージが永遠に続いてくれればいいなと、手を振って袖に消える坂本さんを見送るたびにいつも想うのでした。次は来月の横浜BLITZでツアーファイナルは12/17のSHIBUYA-AX。当然全部行きます。
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2007年08月09日

ゆらゆら帝国/THE CORNELIUS GROUP@LIQUIDROOM 8/8


リキッドルーム070808

1999年9月以来8年ぶりの対バン。前世紀だよもう。前回はコーネリアスからだったけど、今回はゆらゆらから最新シングル「美しい」収録の“船”でスタート。前半はシングル収録の4曲に加えておそらく新曲なども披露。いずれもスタジオアレンジではミニマルに圧縮していた感情を熱っぽく解き放っていく快感が素晴らしくて、特に“なんとなく夢を”ではノズルを絞ってぶっ放すギターに震えがきて少し呆ける。そして“恋がしたい”でベースがハウったままノイズが止まらず、無表情のまま途方に暮れる亀川氏。慌てないよねえ。約1時間ほどのステージは“いたずら小僧”でエンディング。最近の新曲群を聴く限りでは音響系歌モノの深度がいっそう増してるので、10月の新譜とレコ発ツアーがとてもとても楽しみ。で、転換に結構な時間をかけてTHE CORNELIUS GROUP登場。CORNELIUSとTHE CORNELIUS GROUPの違いがよく分からなかったんだけど、THE ALUMINUM GROUPとかTHE DYLAN GROUPとかそんなところから連想する響きそのままにまさにポストロック化してた。いつもどおりアナログの手触りでシンクロさせた映像の多用が目眩ましにはなってるけど、歌メロの制約を取っ払ったところで鳴ってるフレーズの積み重ねが目指すのはあくまで穏やかなフラットで非コンセプト/非ギミックの風通しの良さは確かに感じられるし、これが小山田氏にとって現在型のナチュラルなんだろうなあと、良くも悪くもの注釈付きで納得。鬼っ子のイメージが強かった分、これが転向/退却に感じるかどうかは微妙なところだけど、若いリスナーにしたらその辺関係ないだろうしクオリティの高さは相変わらずだから新しい居場所を簡単に作っちゃいそうだけどね。ただ、映像フッテージでインサートされるハメドのファイトシーンなんか見るにつけ、やっぱりそっちだよね、間違ってもデラホーヤじゃないよねえと小さなところで納得はしちゃいましたが。
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2007年08月01日

FRF'07@苗場/7.29 Sun

おそらくは気圧変調性頭痛により明け方より頭がどんよりと重たくて体も動かず、楽しみにしていた面影ラッキーホールも見送る羽目になって、なんでこんな日にと凹む。結局ホテルを出たのが11時過ぎ。はぁ。

DEERHOOF@WHITE
音源も何枚か持ってるしポップなフリーフォームが面白いバンドだけど、今のワタシに必要な音じゃないのかなあ。目や耳が向かうのはドラムスばかりでつまりはそういうこと、多分。

HEATWAVE@HEAVEN
キーボードが細海魚さんだし、いつのまにか素晴らしいメンバーになってた。一巡りしたせいなのか山口氏も風通しが良くてしなやかな感じ。池畑氏のスネアを頭に叩き込まれている内に心なしかモヤモヤが楽になってく。気のせいでもありがたい。

PURI@ORANGE
DEERHOOFのドラマーがMCで「面白いパーカッショングループだよ〜」みたいなこと言ってたので足を運んでみる。打楽器オンリーというわけでもなくていろんな管楽器やギター、ベースなんかをとっかえひっかえしてるけどあくまでリズムコンシャスで、でもそれは躁的なポリリズムとかではないのでリラックスして体を揺らせるのがすごく心地良い。本来ORANGE COURTはこういうミュージシャンのステージコンセプトだったよね。

MIKA@GREEN
正直グリーンで大丈夫かよと思ってたけど、杞憂どころの騒ぎじゃなかった。歌の巧さもショーマンシップ溢れるステージングも、とにかく自分の世界を表現する術に圧倒的に長けていて、けれどもそこにあざとさを全く匂わせずにピュアな多幸感だけを観客に送り届ける素晴らしいパフォーマンス。色とりどりの風船や紙吹雪、着ぐるみの動物たちが乱舞するエンディングにどうしようもなく顔がほころぶけど、彼がベイルートからのレフジーであることを想い出すと、全身で創り出したこの性善説がなおさら切実に染み入ってくる。

JONATHAN RICHMAN@HEAVEN
イメージとしては「メリーに首ったけ」登場時の怪しいシンガーそのまま。ギターやらカウベルやら脈絡なく持ち替えて、終始笑みを浮かべてラテンテイストで腰をふりつつもこれは親密さとかいうよりは不思議な生き物を見てる時のワクワク感。レジェンダリー度は皆無だけど、どこからも逃げ切ってるフットワークが浮世離れしててニヤニヤしちゃうね。

BATTLES@WHITE
今年のベストステージとかいうよりも、今まで10回参戦したフジロックでのベスト5には入るとんでもないステージ。極上にトリートメントされた繊細なフレーズの乱反射が生み出す音粒のランダムな(計算づくだよと言われそうだけど)増幅と収縮が、Jon Stanierの異様に硬質でジャストながらも筋肉の軋みすら響きそうなドラミングのまわりでくっきりと音像を描くように舞い続けて素晴らしくカラフルでダイナミックで、空気の振動にすぎないはずの“音”に溢れるばかりの生命力を宿してみせたファンタジックで濃密な一瞬の50分。

V∞REDOMS@WHITE
BATTLESのチルアウト・タイムになってしまったけどそれはそれで贅沢な一時。見る度に全方位というよりは一点突破型になってるけど、そっちの方が好きだな。

FERMIN MUGURUZA@ORANGE
今年のクロージングはこの人達。04出演時も同じオレンジでのステージがムチャクチャ楽しかったので迷わずチョイス。本来はコンバット・ミュージックだけれど、この楽しさといったらもうこれは仕方ないのでワタシ達の享楽を許していただきたい。最終日のこの時間でまだこれだけ足が動くとは思わなかったけど、さすがにステージの終わりと同時に土嚢を背負わされたような疲労困憊がいきなりやって来て、ゾンビのように足を引きずりうなだれながらホテルまで40分歩くことを考えたら祭りの後の切なさを嘆く余裕すらないのでした。

来年は日英修好通商条約調印150周年ということで『UK-Japan 2008』という政府間レベルでのイベント・イヤーになるらしく、なぜこんなことを突然書き出したかと言うことフジロックの大将であるところのスマッシュ代表日高正博氏が『UK-Japan 2008』の名誉顧問委員会の一人に名を連ねているため、来年のフジロックにはイギリスという国が色濃く反映されるのが必然となるからで、ここは一つ大英帝国勲章受勲者たる大将は政治的手管なども弄して超大物英国ミュージシャンを引っぱりだしていただきたい。ワタシとしてはPよりもDがありがたいんだけど、ああ両方呼んじゃえばいいんだな。ということでUSインディ勢がますます手薄になるのはこの際我慢しとくから、アハアハと呆けたように笑うしかないラインナップを是非とも期待したいな。
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2007年07月31日

FRF'07@苗場/7.28 Sat

昨日に引き続き雨の降らない苗場が逆に落ち着かない感じ。最近はレッド・マーキーの閉塞感が少し鬱陶しく感じるので、よほど目当てのアーティスト以外は足が向かなくなっちゃってるなあ。

JULIETTE & THE LICKS@GREEN
というわけで、草上でゴロゴロしたいのでレッドのTHE BIRD AND THE BEEをスルーしてジュリエット姐さんを遠目にまったりする。ハリウッド女優の手慰みとしてはその域を超えてる、とか間違っても言えないRAW POWERが何ともトホホ感を誘って、姐さん以外(メンバー、客その他)の無責任な煽りが行く先の危うさをプンプンさせて香ばしい。CD買ったりライブに行ったりは一生ないだろうけど、ふんばれジュリエット。

この後アヴァロンで昼ご飯食べてたら雨がポツポツ落ちてきて、体調面で弱気になってることもあってホテルにレインスーツを取りに戻ることにする。そのせいでパスしたELANA JAMES AND HOT CLUB OF COWTOWNの評判が良かったので後々ちょっと凹む。

!!!@GREEN
04のホワイト以来。スクスクと育つバンドの状況そのままにこの時間帯のグリーンにしてはスゴイ集客。野外の四つ打ちは強いよねえ。これでレッド、ホワイト、グリーンと制覇した上にどのステージでも客を大喜びさせてきた芸人魂炸裂が毎回イカしてて楽しいよ。解散しないでね。

LESS THAN JAKE@WHITE
雨も本降りにならなかったので、この辺で土煙舞うホワイトもよかろうと足を運ぶ。こういうバンドは音源知らなくても楽しいからいいな。中盤、ステージ前でサークルモッシュ作らせた後で「確かにさっきのサークルは良かった。だけどもっとどでかいサークルがオレは見たいぞ、いいかよく聞け、お前らこれからここ全部使ってサークルしやがれ!」ってんでPAテント中心に巨大サークルモッシュ出現。事態を察知して真顔でイスをひっつかんで逃げる客はスペイン牛追い祭りのようだったよ。

FEIST@ORNAGE
なぜかアフガンハウンドみたいな優美な物腰の長身痩躯なイメージを勝手に抱いてたんだけど、実際の彼女は華奢でちっこいけどチャキチャキしてて、タフなフェミニンが想像以上にスウィート。アルバムで感じたバウンシーもゴンザレスが彼女のキャラクターを巧く引っ張り出した結果だということが改めて分かった爽快なステージ。「じゃね、あなた達はファイスト合唱隊だから、そこの黄色いシャツの彼まではこのコードね、ア〜〜、はい、じゃあそこのバンダナの人まではこれ、ウゥ〜〜、で、そこからこっちはン〜〜、じゃいくわよ」ってそんなのハモれないよ。まあ、本人は勝手に歌い始めてましたが。

Gov't Mule@HEAVEN
ビースティ@グリーンに向かうまでの間だったから1時間くらいしか見られなかった。もう少し強面で押すのかなと思ったら割と淡々としてて、ぶん回し系のサザンロックというよりはブルースロックの燻りがカッコいい。ただ、これだと温まるの時間がかかるから3時間の枠を全部見たかった気もするのでちょっと残念。

BEASTIE BOYS@GREEN
ミックスマスター・マイクがターンテーブルを絞り上げてグリーンが温まったところで3名様登場。今回のメインビジュアルはスーツ。エミネムが超えられなかったライムの壁は、バンドサウンドのビートでクリアしてパーティ・モードでただただ楽しいんだけど、新譜からのインスト・チューンがわりとダルなファンキーだったりするので、せっかくアゲた空気が落ち着いちゃうのは致し方ないのかな。それはそれとしてもヒット・チューン連発のセットリストは文句ないし、澱みのない大人というか清潔な成熟というか、そんなもんが眩しくて仕方ないステージで気持ちよかった。でまあ、そんな中で約1名キーボードの西田さんが異常なくらいハイパーアクティブで、ああいうのは性というよりも血だよね。そしてそういう血が脈打つアメリカ男子の心意気ってやつへの憧憬も少なからずあるわけで、ビースティが体現してきたのもそんな血の一滴だったなあと、祭りの後の小さなセンチメント。
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2007年07月30日

FRF'07@苗場/7.27 Fri

直前になってTHE DURUTTI COLUMN、FISHBONE、THE ALBUM LEAFとどれもこれもチェックリストに入れてたバンドが相次いでキャンセルになって萎え気味な上に、体調が完全でないため病院で処方してもらった抗生物質やら何やらバッグに突っ込んでテンションがイマイチ上がらないままの参戦。現地に到着してみたらあろうことかDAMIEN RICEまでキャンセルってどういうこと?地震とか放射能漏れとか怖いなら怖いでそう言えばいいし、主義主張の問題で気にくわないならステージで言うなり歌うなりしなさいな。とりあえずいい大人が急病とか嘘つくのはやめましょう。

11:00までに奥地オレンジまで辿り着けそうもないので、「捏造と贋作」はあきらめて長蛇の列に並び、各種バンドTシャツを5枚購入。毎年思うけどこの時間は不毛。わざわざこんなとこまで来て物欲に縛られる不毛。分かってるけどあえてする不毛。それからオレンジまでたらたら歩いて畠山美由紀とASA-CHANGのユニットをチラ見。畠山嬢はどんどん歌が重たくなってる感じで結局一番好きなのはPort of Notesの1stだったりするので、最近は興味が失せてる。

STEVIE SALAS COLORCODE@WHITE
通りがかりにちょっと足を止めてみた。何かすっぴんのジーン・シモンズみたくなったルックス同様、やってることも相変わらず暑苦しい感じ。やっぱりこの人はフロントはるには曲が書けなさすぎる。

RAILROAD EARTH@HEAVEN
ストリング・チーズ・インシデントよりも手触りはアコースティックだけど、ブルーグラス寄りのルーツミュージックをタフなビートに乗せたハジけっぷりはすごく楽しくて、マンドリンとフィドルのインタープレイとかメチャクチャ盛り上がる。最後まで見られなくて悔いが残るので、再びのフジ参戦を希望。

KINGS OF LEON@GREEN
新譜が少し整理しすぎた印象だったりしたけど、ステージはピーキーなアンサンブルがやたらソリッドで文句ないな。リズム隊のポテンシャルかなり高い。つうかライブバンドかやっぱ。そんな点だけとってみてもストロークスなんか余裕でぶっちぎってるし、日本でももっとちやほやしようよ。単独が激しく見たい。

MUSE@GREEN
相方に付き合って春先の単独も見てたりするんだけど、ここじゃフェス向きにバキバキに上げてて(機材到着の遅れで舞台裏は大変だったみたいで、恐らくそんなもんも影響)この紙一重さは唯一無比。ステージが素晴らしい販促活動となる好例。初見で盛り上がった若い衆はどうみてもCD買うでしょ。

FOUNTAINS OF WAYNE@RED
クリスの声!青い空の憂鬱。絶対のマイナーコード。良かった良かった。

CURE@GREEN
オープニング、スモークに浮かび上がるひときわ大きなシルエットで1984年のサンプラ以来23年ぶりの邂逅。ロバが来た。サンプラじゃ後ろの方だったから、今度はモッシュピット行ったよ。終わってみればベスト盤的選曲とはいえ、伝説云々に引き寄せられてきた初見組を蹴散らす暗黒ナンバーの連打や「23年後にまた会おうね、ふふ」とかシャレにならないMC、既にモッシュピットの客でさえ立ちつくすしかない流れの中、アンコールでの”Why Can't I Be You”ではステップらしきものまで踏んでみせ、2度目のアンコールで最早日付も変わる頃には”A FOREST”,” Boys Don't Cry”をかまして小さく笑いながら満足げに去っていく悪意の塊は30年近く白塗りしてマスカラ塗ってルージュ引いて、明後日の方向を見ながら声を上ずらせて黒い世界に色をつけて、しかもまだまだそれは続いていくみたいで何だかグッときた。それはおそらく尊敬とか畏敬とかいう感じ。ちなみにこの140分フルセットは、MUSEのトラブルで出番が遅れる交換条件に2時間+アンコールの時間枠を要求した結果らしくて、それはそれは微笑ましい内幕で軸がぶれなさすぎ。ロバ、素敵。
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2007年07月25日

FUJI ROCK FESTIVAL'07展望


FujiRock

今年は現地でリストバンドと引換なのでめんどくさいな。とか言ってる間に私的メインの一つTHE DURUTTI COLUMNがキャンセルで仄かに凹んだ。

7.27 Fri
ヨラテンは見始めると抜け出せなくなりそうだから泣く泣くパス。この日はダミアン・ライスとキュアだけガチ。
・捏造と贋作(O)
・BLONDE REDHEAD (R)
THE ALBUM LEAF (R)
・RAILROAD EARTH (H)
・KINGS OF LEON (G)
・DAMIEN RICE (H)
・FOUNTAINS OF WAYNE (R)
・THE CURE (G)
・GROOVE ARMADA (W)

7.28 Sat
ビースティは新譜はああだけど、フェスだとパーティー・セットっぽいので楽しみ。あとはFEISTがガチ。イギーはぐだぐだっぽかったらすぐGov't Muleに向かう。この日は昼間が少し薄いから、天気が良ければドラゴンドラかな。
・THE BIRD AND THE BEE (R)
・MOTION CITY SOUNDTRACK (G)
・ELANA JAMES AND HOT CLUB OF COWTOWN (O)
・!!! (G)
・THE ATARIS (W)
・FEIST (O)
・IGGY & THE STOOGES (G)
・Gov't Mule (H)
・BEASTIE BOYS (G)

7.29 Sun
この日は面影とバトルスがガチだけど、全体にフジっぽくていいラインナップ。締めをヘヴンとオレンジのどっちにするか未定〜。とか言ってたらFISHBONEキャンセルじゃないかぁぁぁぁ
・面影ラッキーホール (O)
・DEERHOOF (W)
・FERMIN MUGURUZA (G)
・THE SHINS (W)
・JONATHAN RICHMAN (H)
・HAPPY MONDAYS (G)
・BATTLES (W)
・V∞REDOMS (W)
・HEAVEN'S JAM (H)
FISHBONE (O)

先週末に体調を崩したのがまだ完全復調してない気配なので、体と相談しながらトボトボ歩き回るよ。

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2007年05月20日

nine inch nails @ STUDIO COAST/20070519


NIN20070519

最近のインタビューで、“作品のテーマが自分の内面から外側の世界にシフトしたのは、やはり自分を深く見つめる準備が未だできていないために、それを避ける手段としてそうしているのではないか?”とかなりきわどいスレスレな質問をされて、反発してキレるどころかしどろもどろに『う〜ん、もしかしたらオレはそうやってうまいこと自分自身から目を背けているのかもしれないなあ』と呟くトレントは、やはりまだ“抜けて”はいないのだろうな。とはいえ、ノイズ・ファンクネスに生来のポップが絡みついた最新作『year zero』ではそれを補ってあまりある魅力的な妄想を獲得し始めていて、その勢いを贅沢にも2000人サイズのスペースにそのままぶちまけたライブからは、少なくともポップ・カルチャーの最前線に再び参戦する気概がアーマーと化した肉体のヒゲ熊ちゃん状態にも見てとれて、不健康さゆえの健康というポップ・イコンの必須条件も満たしたこの夜は文句なしのステージング。イアン・カーティスの命日ということもあり、かつてカヴァーした‘Dead Souls’をセットリストに加えて殉教者に敬意を払ったトレントの姿は、肉体の変化も含めてかつてのスプリングスティーンが歩んだ道に酷似している気もしてならず、だとしたら” prisoner of myself ”から抜け出た(つもりの)彼は何れの囚われ人なのか、早いとこ一発シャウトしてもらいたいもんだなと無責任に煽ってしまいたい。地上戦というより空中戦で飛び交うノイズのおかげで閉塞感は微塵もなく、全ての音はプレイヤー(の肉体)に帰属するものでしかないというドライさがやたら爽快なパフォーマンスは、先日観た『jackass number two the movie』でおぼえた不意打ちの感動にもつながって、やっぱこのnakedな感覚こそがアメリカン・ポップ・カルチャーの真髄なんだよなと訳知り顔にうなずいてみた新木場の夜だったのでした。
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2007年04月27日

ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM 4/26


ゆらゆら帝国4/26

LIQUIDROOM2daysの2日目。1日目(4/25)は仕事で遅れて会場に着いたのが21時頃で「ロボットでした」以降の5曲しか聴けず、ステージ前半に演奏した新曲を聴き逃したので昨晩は気合いを入れての会場入り。で、この夜のオープニングはその歌詞からするとおそらく7月リリース予定の新曲「美しい」で、淡々としつつも歌詞の発語感とギターの引っかかり具合が秀逸なミディアムチューン。この曲を含んで全部で3曲演奏された新曲は明らかに『Sweet Spot』のエクスペリメンタルを通過した先で鳴っている音だけど、骨格自体はオーセンティックなロックだったりもしたので、次作は『しびれ/めまい』以降のメジャー中期を総括するものになるのかなと勝手に想像。凄まじかったのは「ミーのカー」のエンディングからステージの照明が落ちて真っ暗闇の中、シーケンサーか何かでノイズのバーストが延々まき散らされて先が読めなくなったあたりで、突然の閃光弾みたいな照明で目眩ましを喰らいながら始まった「無い」への流れ。あと、こちらは定番だけど「発光体」のエンディング後、一瞬の静寂にまだ音の粒が漂う中でギターをかきむしって突っ込んでくる「つきぬけた」の瞬間など、こうしたキックこそが本当に狭義なところで言うワタシにとっての“ロック”なんだろうなあとあらためて惚れ惚れして、GWもほとんど休みにならないであろう日常から軽々と身をかわすことができたひとときが有り難すぎて涙がこぼれます。7月の新曲リリース直後にはスチャダラとか卓球やなんかと野音のイベントに出演決定で、こちらも是非とも出席したいよねえ。
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2006年12月31日

ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM 12/30


ゆらゆら帝国

年末恒例のリキッドルームに今年も行ってきた。フロントアクトは三上寛。正直言って言葉と情念の人は少し苦手なのだけれど、音の塊として響く歌の到達度はやはり凄まじく、立ちつくしながらも客がじんわりと温まったところで3人登場。どの曲に限らずアレンジをキメキメにはしない人達だけれど、今夜のセルフリミックスぶりはいつにも増して強力で、2曲目「侵入」の後半から早くもダブ気味に放熱し始め、不穏な騒々しさのまま突入した次の「男は不安定」でも崩して積み上げていく硬質な展開がやたらカッコよくて、半笑いでだらしなく立ちつくすのみ。その後も空間からリズムを切り出す一郎さんのドラムが炸裂する「タコ物語」「順番には逆らえない」や、バースト&メロウに痺れる「つぎの夜へ」、いつもより設定温度高めの「EVIL CAR」など、今やホームグラウンドとなったリキッドルームでの音の作り込みを完全に掌中にした上で、サラウンドのスピーカーでSEを飛ばしたり曲によってライブ/デッドを使い分けたりと、それら音響へのチャージぶりも含めて一層の多幸感をお土産に今年最後のイベントも耳の奥を火照らせて無事終了。来年はそろそろアルバムをお願いします。ま、ライブさえやってくれてればそれで十分な気もするんだけどね。

相変わらずとっ散らかった思いつきだけで成り立ってるスペースですが、何かのご縁で足を運んでいただいた方々へのお目汚しのお詫びと共に、甚だ僭越ではありますが皆様が来年も(こそ)一層素敵な気分で過ごせますよう微力ながらお祈りさせていただきます。
では、皆様良いお年を!
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2006年12月21日

THE HORRORS@原宿アストロホール12/20


the horrors NME

クリス・カニンガムによるPVで話題を集め、2枚のシングルしかリリースしてないのにNMEの表紙を飾ったりと、何かとハイプ臭が漂うTHE HORRORSのライブに行ってきた。デビューアルバムもリリース前でショーケース的なライブにもかかわらず、先物買いのリスナーにはおいしすぎるバンドということでキャパ400のアストロホールは結構な混雑ぶり。まずはゲスト扱いのNEiLS CHiLDRENというトリオからで、全く初見のバンドだけどゴス風味漂うメイクで揃いの黒/白シャツに性急でポップなポストパンクがなかなかはまってて、Vo&Gを中心に斜に構えたところのない暑苦しさが逆に面白いかも。で、THE HORRORS登場。こちらはもう少しシアトリカルなステージを想像してたので、キーボード以外は割と普通の佇まいなのにちょっとばかり拍子抜け。音の方はギターのリフで上げていく感じではなく、だったらもう少し分厚いオルガンで振り回した方が面白いのになあと思ったけど、セッティングの問題もあったかもしれないので何とも言えずかな。ハイプ臭については、さほどコンセプチュアルな感じもせず、こういったB級ガレージサイケに殉職していくガッツもそこはかとなく感じられるので、ヤー・ヤー・ヤーズのニック・ジナーがプロデュースを手がけているらしいデビュー・アルバムを聴いてからでも判断は遅くないかもしんない。ま、こういったバンドはやり逃げなくらいの方が面白いから、ハイプで悪いことは何もないんだけどね。それにしてもチケット4500円は高すぎじゃない?ほとんどプロモなんだしレコード会社からも協賛金出てるんだろうから、もうちょっと安いチケットにしてくれないとこっちも気軽に聴き逃げできないよねえ。
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2006年10月25日

BURST GIG 2/SOGO ISHII&LOFT 30th ANNIVERSARY BATTLE


Burst Gig

昨晩は小雨まじりの強風の中、歌舞伎町を突っ切って新宿ロフトへ。石井聡互やらフリクションやら恒松正敏やらdipやら、今は2006年なのか?というきな臭い夜の催し。
まずはほとんど10年ぶり!のdipから。多分法政大学でのGROOVERSとの対バン以来で、その日の”Dear Prudence”が凄まじかったことだけは未だに憶えてる。神経症的な精緻さでアレンジされたギターがとても好きだったんだけど、EMI後期辺りからの鳴らした音に自ら沈んでいってしまう感じに乗り切れなくなって、音源では接していたけどライブには足を運ばなくなってしまってた。でもねえ、やはりこのソリッドなサイケデリアはかつてのイメージのままで、ホントにカッコ良くてドキドキする。ルースターズのカヴァー”she broke my heart's edge”なんかBPMを上げたテレヴィジョンといった感じで、何もなかったかのようにワタシの中では空白がつながって何だかウレシイ。
続いてのフリクションは7月のクアトロ以来。前髪を下ろしてステージに立ってるレックは初めて見た。それ以外はクアトロと変わらない印象であいかわらず鋼鉄の音圧が凄まじく、40代と50代の2人の男は酸素吸入しながら空気を切り裂いてた。こうしてライブで吹っ飛ばされるのは毎度のことなので、あとはオリジナルの音源待ち。達也が新生フリクションのパートナーになるのかどうかはともかくとして、レトロスペクティブな活動で終わってしまわないことを切に願わずにはいられないし、そちらもこちらもこれだけ熱くなってるんだから決着つけなきゃ。ま、レックの笑顔に期待しとくか。
最後は恒松正敏グループ。ツネマツマサトシのギターを最後に聴いたのはいつだったのか憶い出せないほどなのだけど、”All of The Night””Crazy Dreams”から”I Shall Be Released””Wild in The Street”といったカヴァー、そしてアンコールの”いいかげん””きをつけろ”までテンションも熱量も振り切れたままで本当に吃驚した。ワタシが勝手にしまいこんでいただけで、幽玄に絵筆をふるいながらもツネマツはずっとこんな風にギターを弾いてきたのか。いつだって理由をつけて尻込みするのはワタシなんだな。
必然の止むに止まれぬ衝動で蠢いていた東京ロッカーズが未だその震えを止めることのない夜に紛れ込んで、まだまだこの先楽しめそうだと思ったらニヤニヤが止まらなくなって、帰りの雨の中、何とも困った。
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2006年09月28日

ゆらゆら帝国/スチャダラパー@LIQUIDROOM


yurayura&sdp

まずはスチャダラパー。最も熱心なリスナーだったのが「WILD FANCY ALLIANCE」から「偶然のアルバム」あたりなので既に10年以上経っているのだけれど、人生の余白を凝視した果てにネガがポジに裏返る瞬間を、ポケットの中で握りしめた拳のように小さく震える男気のトラックで掴まえたヒップホップが本当に大好きだった。などと過去形で書いてしまうのが申し訳ないくらいのスチャダラ気分で思わず顔がほころび体も揺れる。サポートのラッパーは脱線3のロボ宙でこれまたビバ90年代!ワタシの中では彼らが顕した人生の気分はフィッシュマンズにつながったりもしていたことや何かも色々と立ちのぼってきたステージで、11月発売の6年ぶりの新譜も楽しみなとても快い気分で終了。
ゆらゆら帝国は「ドア」でひそやかにスタート。今夜は滲み出る熱に注力するステージで、いつにも増して坂本さんのSGを締めつけて絞り上げる圧力が強い。一郎さんはなぜかシャツにネクタイ姿。襟元も長袖のボタンも全部きっちり留めて最後までまったく緩めないままなので、見ているこちらが暑くて息苦しい感じ。何かの罰ゲームですか一郎さん。いつもそうなんだけど、「タコ物語」のジャンクでフリーキーなアンサンブルを聴くにつけ、この空気の震えの先にいるはずのトム・ウェイツをマーク・リボーのギターで体感できなかった不幸にまたもや絡め取られることになる。などとつらつら妄想している内に、今夜は対バンということもあって「無い」をラストに1時間弱で坂本さん両手を挙げて退場。良い夜でした。

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2006年08月01日

FRF'06@苗場/7.30 Sun

昨日は正午着の新幹線で帰京して仕事を片づけ、最終の新幹線で再び苗場に戻る。SONIC YOUTH、電気グルーヴあたりは以前にWHITEで見てるからいいとしても、THE BENEVENTO/RUSSO DUOなんかはやたら評判が良かったようなのでどうにも悔しい。まあ、俸給生活者である以上やむを得ない事態ではあるわけで、とりあえず泣いとく。

GUITAR WOLF@MARQUEE
泣き言を振り払う景気づけとしては最高の一発。言行一致。有言実行。ロックンロールの伝道師。ああ、本当にありがとうセイジさん。おかげで今日も楽しめそうです。

rinocerose@WHITE
あくまでギターメインのエレクトロニカで、いわゆるデジ・ロック。ハウスと軽めのファンクで間口を広げてるので気楽に楽しめる。サブヴォーカルのアフロ兄ちゃんがインチキPrinceみたいでイイ感じ。と、元ライドのマーク・ガードナーがゲストヴォーカルで登場。かつてのシューゲイザーもにこやかな坊主頭で軽やかに歌をビートに乗せてサヴァイヴしてました。

BROKEN SOCIAL SCENE@WHITE
これほど歌モノに寄ったバンドだという印象はなかったんだけど、それはそれは素晴らしいステージ。音の感触はエクスペリメンタルだったりポストロックだったりするのに、それらが紡ぐ祝祭感溢れるメロディがじわじわとWHITEの空間に浸透していく様はフェスの開かれた空気と相まって感動的ですらあり、いつのまにか人で溢れかえった客席の親密な雰囲気こそはフェスの醍醐味。紅一点エイミー嬢がスクリーンに大写しになる度に、ワタシも含めた野郎の頭がスクリーンに向かって一斉に動くのが何とも言えず微笑ましい。バンド自体は年内一杯で活動停止とのことだけれど、またフォーマットを変えて動き出すだろうからそちらを楽しみにしたい。

ゆらゆら帝国@HEAVEN
裏のKILLING JOKEを泣く泣く振り切ってHEAVEN へ。「太陽の白い粉」で始まったこの日のステージは、勢いだけで上げてくような野暮なことはしませんとでもいうように、じんわりぐるぐると投網でも投げるように絡め取る曲でつないでく。「ロボットでした」で坂本さんが突然狼狽した動きを見せ、ああこれは新しいアクション(何かを慌てて探す人)なのかなと思ったらどうやら抜けてしまったシールドを探していたようで、坂本さんでも慌てることがあるのかと、申し訳ないが笑わせてもらった。MARQUEE、GREEN、WHITEとフジのステージを経てきた彼らだけれど、場のはまり具合としてはこれまでで一番かもしれない。

SUPER FURRY ANIMALS@WHITE
スクリーンの活かし方も含め、基本的な構成は昨年のLIQUIDROOMのステージと変わらないのだけれど、メロディがグルーヴを生み出すマジックはやはり最強で、“場”の力も手伝ってか次元が違う感じ。これが初見の人は吹っ飛ばされるだろうねえ。

HAPPY MONDAYS@GREEN
清志郎のキャンセルで時間が繰り上がったこともあり、結局GREEN大トリのポジションで現れたやさぐれマンチェの面々。ベズはベズのままに何もしないでステージをふらふらしているだけだ。まるでビートたけしな風貌のショーン・ライダーは珍しく素面度は高そうだけれど、メロディらしきものをがなっているだけでバッキングの黒人女性がいなければ多分お話にならないだろう。そんなこんなでお世辞にも素晴らしい出来とはいえない演奏にもかかわらず何だかとても清々しい気分だったのは、ロックミュージックなんて人生の余録みたいなもんだよとでも言いたげな投げ出し方が何ともリアルに響いたからからもしれない。グローバルクールで地球温暖化を防ごうと言いながらも苗場の上空には遊覧ヘリがうるさいし、この祝祭空間にしても商業の採算性とは無縁ではいられないわけで、幻想をお金で手に入れることについてまわる矛盾や二律背反を無視したままオーソリティを目指す存在は鬱陶しいだけだ。多分、ワタシのうがった妄想によるものだろうけれど、権威を極端に嫌うスマッシュ代表にしてフェスのオーガナイザー日高氏が、せめてものアニヴァーサリーとして用意したのが彼らのステージであるのなら、何ともすっとぼけた贈り物に両手を挙げて賛意を示したいと思うのだ。というわけで、チラホラ見え始めた権威の垢を落とすためにも、そろそろラインナップは当日発表でチケットは通し券のみという暴挙/快挙に向けて動き始めてはどうなのだろうか。少なくともワタシの準備は出来てるし。

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2006年07月31日

FRF'06@苗場/7.28 Fri

10回目を迎えたフジロック。特にアニヴァーサリーを謳った趣向もないどころか、むしろ地味目なラインナップが天の邪鬼のオーガナイザーの性向を顕して苦笑い気味。初日の朝は曇り空でスタート。オープニング前に地球温暖化防止を目的とした「グローバル・クール」のアピールコーナーがあり、その趣旨に賛同したサポーターとしてオーランド・ブルームが登場し、決して趣旨への賛意ではない歓声でとりあえず盛り上がってチャンチャンとお終い。トップバッターのTHE STRING CHEESE INCIDENTを耳にしつつ初日恒例の物販購入タイム。絶望的な天気予報にもかかわらず天気は小康状態。

ザ・クロマニヨンズ@WHITE
ハイロウズをクローズさせたヒロトとマーシーの新バンド。笑った。ハイロウズより頭悪くなってる!キャリアを重ねるごとに目線は地を這っていく感じ。

THE TERRY ADAMS & STEVE FERGUSON QUARTET@ORANGE
言わずと知れたNRBQのテリー・アダムス(Kb)、スティーヴ・ファーガソン(G)を擁したカルテット。アメリカン・ミュージックとは何ぞやと聞かれたらこのステージを見せれば答えになるだろうという豊穣な記号に充ちた至福の一時。大御所臭さとはほど遠いテリー・アダムスのエッジの効いたプレイが死ぬほど格好良い。にもかかわらず次なる目当てのために、後ろ髪が抜けるほど引っ張られつつ移動。

TOMMY GUERRERO@WHITE
泣く泣くORANGEのカルテットを後にした甲斐があった素晴らしいステージ。サーフでもレイドバックでもない、これはヒップホップ以降の新しいルーツ・ミュージック。緑の中に溶けていくタイトなストラトの音に背筋がぞくぞくする。バンドのメンバーもみんなメチャクチャ上手くて、最高のグルーヴマシーン。

GNARLS BARKLEY@WHITE
コスプレした大所帯で登場(女子ストリングス部隊のウェイトレスのコスプレはgood)して掴みは最高だったのに、その後がどうにも一本調子でやや期待はずれ。裏のBLACKALICIOUSにしとけば良かったかと後悔。

NORTH MISSISSIPPI ALLSTARS@HEAVEN
ブルースをソリッドに演りたいんだろうけど、ギターとヴォーカルの圧力とドライブが弱すぎる感じでアヴェレージの感触のみ。それでも“場”の力でそこそこ体は揺れる。

DONAVON FRANKENREITER@WHITE
ジャック・ジョンソンあたりのサーフ一派に括られてはいるものの、新作は思ったよりもスモーキーで微熱気味のバンドサウンドがなかなかに渋く、ステージもその印象を裏切らないむせび泣く熱さがえらく心地よい。WHITEは大きすぎるかなと思ったけど、スケール感のあるバンドサウンドが完璧に支配しててこれは予期せぬ当たりステージ。

MADNESS@WHITE
ギャズ・メイオールが出てきてバンドの呼び込みを開始。「世界で一番クールなスカ・バンド、マッドネ〜〜〜ッス」いきなりヴォルテージが上がったところでメンバー登場。タイトなスーツできめてた頃からすればさすがにシルエットは緩んでるけど、とっぽい雰囲気はそのままなのに荒んだ感じが全くせず何ともカッコいいオヤジになってて顔がほころぶ。1曲目の「ONE STEP BEYOND」で全ての元は取った手応えで恐ろしいほどの多幸感。いきなりの大騒ぎでみんな笑いながら踊って揺れる。途中じゃリコ・ロドリゲスまでトロンボーン吹いてくれて、間違いなく今日のベストアクト。これで明日は東京でがんばれると思ったよ。
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2006年07月27日

今週末はフジロックフェスティバル’06


FRF

今晩から苗場に向かうわけですが、仕事の都合で土曜日は一時帰京しなければならなくなってかなりテンションが下がってます。最終の新幹線に飛び乗ってその日の内に苗場に戻れればいいんだけど、いずれにしろTHE BENEVENTO/RUSSO DUOやSONIC YOUTH、電気グルーヴなんかが見られないのは確実なわけでかなりとっても非常にがっかり。というわけで、今週末は更新をお休みさせていただきます。では。
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2006年07月20日

FUJI ROCK FESTIVAL'06展望


FRF06

気がつけば既に1週間後となったフジロック。昨年のギャング・オブ・フォーのようなビッグ・サプライズが今年は見当たらないので、心穏やかに淡々と臨めそうな感じ。とは言えリストバンドが届いたりすれば次第に心はザワザワしてくるわけで、とりあえずは気になるステージのピックアップなどしてみようかなと。

7/28 Fri
・THE STRING CHEESE INCIDENT (G)
・FLOGGING MOLLY (G)
・NATSUMEN (O)
・MARTHA WAINWRIGHT (R)
・THE TERRY ADAMS & STEVE FERGUSON QUARTET (O)
・TOMMY GUERRERO (W)
・GNARLS BARKLEY (W)
・BLACKALICIOUS (H)
・ROGER JOSEPH MANNING JR. (R)
・NORTH MISSISSIPPI ALLSTARS (H)
・ハリー・ホソノ・クインテット (O)
・DONAVON FRANKENREITER (W)
・MADNESS (W)

7/29 Sat
・WOLFMOTHER (G)
・FIELDS (R)
・ROCK 'N' ROLL GYPSIES (H)
・MYSTERY JETS (R)
・BIG WILLIE'S BURLESQUE (O)
・THE BENEVENTO/RUSSO DUO (H)
・SONIC YOUTH (G)
・TRASHCAN SINATRAS (O)
・電気グルーヴ (G)
・YEAH YEAH YEAHS (G)
・RED HOT CHILI PEPPERS (G)
・SCISSOR SISTERS (W)

7/30 Sun
・GUITAR WOLF (R)
・THE REFUGEE ALL STARS OF SIERRA LEONE (G)
・KT TUNSTALL (G)
・BROKEN SOCIAL SCENE (W)
・BAXTER DURY (R)
・TRANSIT KINGS (W)
・ゆらゆら帝国 (H)
・KILLING JOKE (R)
・BUFFALO DAUGHTER (W)
・SUPER FURRY ANIMALS (W)
・UMPHREY'S McGEE (H)
・MOGWAI (W)
・HAPPY MONDAYS (G)

このステージが全て見られれば大満足なんだけれど完全に被っているステージも多々あるので、後はその場の気分と天候と体力次第。そして、迷ったら小さい方のステージに行け、という経験則を頼りに当たりクジを引ければいいんだけどねえ。天気はいいに越したことはないけど、雨への免疫と対策が出来ちゃってるんで割とどうでもいいかな。暑いと死ぬし。

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2006年07月19日

FRICTION (RECK・中村達也)@渋谷CLUB QUATTRO


Friction

大友良英を交えてのユニットで昨年からそのシルエットは目にしていたとはいえ、フリクション名義でのステージを見るのは実に10年ぶり。今回はギターレスということでサンプリングやイコライザーの多用でギターパートをアレンジしていて、前回のトリオ時に比べて遜色ないどころか、シャープなソリッド感が増した分、凄まじい振動と到達力を持ったサウンドデザインにクラクラメロメロして至福のひととき。それにしても、達也のドラムはどんどん自由になっていく感じだなあ。構築/解放(破壊じゃなく)のバランスがごく自然に成立していて、そこに本来のマッシブと少々の艶っぽさをスパイスして本当に素晴らしい。10年ぶりにフリクションを再起動させたレックがこのフォーマットでスタジオに入るのかどうかは未だ不明だけれど、ステージを見る限り再び何らかの衝動を掴んでいるのは確かなようなので、このコラボレーションがキックになってくれればいいなと心から願う。
終演後、1ヶ月ほど先行販売された再発の『Skin Deep』と初CD化(!)『Live at "Ex Mattatoio" in Roma』を購入。ロビーで恒松正敏を見かけるも、まさか『Skin Deep』にサインしてもらうわけにもいかずに泣く泣くサヨウナラ。いい大人なのでその辺の慎みはあるのでした。あ、ダブるけど『軋轢』を買ってサインしてもらえばよかったなあと今頃気づいて臍を甘噛み。いい大人の知恵足らずでがっくり…。

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2006年06月22日

ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM0621


ゆらゆら帝国0621

4月から始まった3ヶ月連続のマンスリーライブの最終回にいそいそと足を運んできた。「冷たいギフト」で始まった今晩のステージはこれまで同様コンセプトらしきものはないにしろ、前2回で演奏しなかった曲が中心のセットリストで、あの人達なりに一応その辺を気に留めてるんだなあと思ったら何だかちょっとばかり可笑しい。今晩も終盤の追い込みで目が離せなかったのが一郎さんのドラムで、「タコ物語」「順番には逆らえない」「ロボットでした」での空間からリズムを削りだしていくようなドラミングは本当にワタシのツボ。続く「つぎの夜へ」での一転してシンプルな8ビートを淡々としかし恍惚の表情で刻み続ける姿には「ああ、ワタシには今この人の脳内に描かれている絵の輪郭すら拝めないのだ」などという筋違いの嫉妬すら覚える始末。彼らはこのあと来月には渡米してNYでライヴを行い、月末にはフジロック@ヘヴンでトリを務める予定。


つぎの夜へ

「今年はこれしか出しません。」(坂本談)というニュー・シングル「つぎの夜へ」。エクスペリメンタルな手触りは『Sweet Spot』の延長線上にあって、どんどん減っていく音数と洗練されたサウンドデザインが秀逸。2曲で20分の長さも、耳を凝らして聴いているとあっというまに終わってしまう感じ。また、タイトル曲での静かに力が充ちていく夜を歌った歌詞が素晴らしく、こんな風に背中を押してくれるといつの間にか背筋も伸びて顔を上げてしまうな。照れくさいから人目につかないようにだけど。
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2006年06月13日

ゆらゆら帝国/V∞REDOMS@日比谷野外音楽堂


ゆらゆら&ボアダムス

止まない雨の中、頭痛をなだめつつゆらゆら帝国とV∞REDOMSのライヴにいそいそと足を運んできた。野音は傘の使用が禁止なのでコンビニで購入したビニール合羽を着用する羽目になるんだけど、フードをかぶると音を遮断してしまうし、かといって雨に打たれて“激しい雨が俺を洗う!”と弾けるキャラでは到底ないので、とりあえずは目先の雨を凌ぐことを優先。先陣を切ったV∞REDOMSは多分、2002年のFRFグリーンステージ以来。三すくみのドラムスにEYEちゃんのノイズとスクリームがフック気味に入るフォーマットは以前の記憶のまま。ただ、エクスペリメンタルというよりは、このダイナミズムはロックのものだよねという感触。特別フリーキーでもカオスでもなく、驚くほど清潔なリズム。ゆらゆらは「3x3x3」でスタート。中盤、雨の中で聴く「タコ物語」もおつなものだなあなどと思った記憶はあるのだけれど、途中で飲んだ頭痛薬のせいなのか雨の中を立ちつくすワタシに寄る年波が襲いかかったのか分からないけれど、わりと大味なセットリストも手伝ってか、全てが朧気な印象でやけにあっさりと終わってしまった印象。野外で演る時はネチっこく攻める印象があったんだけど、やっぱりあれかな、坂本さんも雨嫌いってオチ?ま、21日にはマンスリーライブ@リキッドルームがあるので、そちらで濃いのを堪能してくるからいいんだけどね。
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2006年05月05日

ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM5/4

昨晩になるが、3ヶ月連続のマンスリーライブの第2回目にいそいそと足を運んできた。前回の炸裂/バースト系のセットリストに比べると、今回は悪酔い/フリーキー系中心のセットリストといったところか。いきおい中腰のリズムをささえるために一郎さんの見せ場も増えるわけで、「されたがっている」でドラムもリフの一部となってギターと一緒に突っ込んでいくところなんかカッコよすぎてビリビリしびれまくり。特にコンセプトらしきものは掲げてないもののこんなふうにセットリストをまとめてくるということは、来月の第3回目はどんな展開になるのか楽しみでたまらん。あ、でもその前に野音でV∞REDOMSと対バンがありますね。とりあえず雨は勘弁ということで、てるてる坊主出動。
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2006年04月13日

ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM


ゆらゆら帝国

3ヶ月連続のマンスリーライブの第1回目にいそいそと足を運んできた。オープニングは6月に発売される新曲「つぎの夜へ」。悲しみの底で一瞬捉えた光をややウェットなメロディで歌い紡いでいく感じ。ただ、感情の共有などという曖昧な幻想よりも空気の震えにすべてを託す姿勢の潔癖さこそがこのバンドの魅力であるので、ここでも感情によりかかることはなく、“良い音”と“良くない音”しかない澄み切った世界で鳴らされる音が心地良い。加えて、この夜で特筆すべきは一郎さんがいつにも増して凄まじく当たっていたことで、「タコ物語」の次に演奏されたまるでダブサウンドと化した新曲(「順番には逆らえない」かな?)から四つ打ちの「ソフトに死んでいる」、そして豪快にグルーブを振り回す「ロボットでした」の流れはこの夜のハイライトで、オーバーダヴでもしたかのように立体的に音を積み上げていくドラムが壮絶で、このあたりは一郎さんだけずっと見てた気がする。
来月、再来月と毎月ゆらゆらのライブが見られる幸せに加えて、6/11にはV∞REDOMSとの対バンが日比谷野音で予定されていて、何かもう生きる張り合いも出てこようかということでありがたい限り。
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2006年03月26日

大江慎也@TOWER RECORDS渋谷店B1F STAGE ONE


大江慎也

ソロアルバム「THE GREATEST MUSIC」の購入者特典(タワレコ渋谷店先着300名)のインストアライブ。といってもバンド形式ではなく、アコギを抱えた大江をアベフトシ(ex.Thee Michelle Gun Elephant) がテレキャスでサポートするといったルースターズマジックが発動しない状況でのパフォーマンスだったわけだけれど、結果として先のソロアルバムでの達成感は然るべく獲得されたものだということがあらためて実感できた素晴らしいライブになったと思う。ソロアルバムから5〜6曲演奏した後、アンコールでは「恋をしようよ」「case of insanity」の2曲のルースターズナンバー。特に「case of insanity」で“なんてことはない、気にしてないよ、ただの精神病だから”と歌う大江を見ていると、20年近く前に同じ渋谷の今は亡きCSVというレコード店で行われた『ROOKIE TONITE』発売イベントのサイン会の時のことがフラッシュバックしてきてしょうがなかった。本当に辛そうだった大江を見て、サイン会だなんだとはしゃいでいた自分達のせいで大江はこんなところに引っぱりだされてしまったのだと自責の念を抱えていたたまれない気持ちで店を出たのを思い出す。だからこそ、今晩の大江の「case of insanity」が純粋に“歌”として“音楽”としてのみ成立していて、厄介な感傷を蹴散らしてくれたのが本当に嬉しかったのだ。帰りにはサイン入りステッカーなどをプレゼントでもらってしまって、幸福のダメ押し。フジロックもホント楽しみだ。
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2006年02月01日

UFO CLUB 10th Anniversary PARTY SPECIAL!!@SHIBUYA-AX


UFO CLUB

東高円寺のライブハウス『UFO CLUB』のスタート10周年を記念してのイベント。
まずはDMBQからスタート。昨年11月のUSツアー中にメンバーを交通事故で失うという不幸なアクシデントからの再出発で、今晩は増子氏がドラムを叩いての変則トリオ編成。いつもならステージを完璧に支配する増子氏がドラムセットに閉じこめられた分、AXのステージが余計に広く感じられたものの、今できることはすべてやったるで〜という意地と気概のカオス状態に突入で、アクは薄めながらいつもの匂いはプンプンしてました。空席だったドラムには和田シンジ(ex キング・ブラザーズ)!が正式決定ということで、今年はDMBQのライブに足を運ぶことが多くなりそう。
つづいてはギターウルフ。こちらも昨年メンバーを一人失っており、19才の新ベーシストUG(ユージと読む)くんは初見のステージ。「なんでオレたちが2番目なんだよぉ〜!」というセージさんの絶叫が轟音とともに吐き出され、変わることのない意志と筋の通し方が素敵なことこの上ない。
で、ゆらゆら帝国が最後に登場。内装を手がけたりして『UFO CLUB』とは縁の深い坂本さんだけあって、珍しく開口一番「UFO CLUB、おめでとうございます」と発声。今夜のゆらゆらは、バンドとしてはともかく坂本さんのテンションがいつになく躁的に高くて、いくつも並んだアンプの上を階段のように繰り返し昇り降りしたあげくに一番大きいアンプの上からジャンプしたり、ギターにはじき飛ばされるように倒れ込んだりと初めて見るアクションを多発しててちょっとビックリ。はっきりと分かる“熱さ”を感じさせる坂本さんはあんまり見た記憶がないので、貴重なステージだったかもしれない。
こんな風に好きなバンドばかりだと、3時間以上立ちっぱなしでフラフラしてても疲れないなあ。耳は未だにおかしいけど。

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2006年01月25日

CLAP YOUR HANDS SAY YEAH@渋谷クラブクアトロ


clapyourhandssayyeah
オフィシャルサイト

期待通りのというか良い意味で予想の範囲内の1時間。気負いのせいなのかちょっと声が出てなかった気もするけれど、アルバムでの“小走りの疾走感”はそのままに、彼らが転がっていく先に目を凝らそうと思わずこちら側も身を乗り出してしまうような親密なライブだった。確信犯的な笑みも切羽詰まった身のこなしもなく、かといってシニカルを包んだオフビートにも頼らず、自分達が演奏して歌うことに何らかの意味があるんだとしたら、それはキミ達が見つけてくれればいいよとでも言うように、押しつけがましさの全くない佇まいが心地良いことこの上ない。
LIARSやYYY’sなんかのNYの新進バンドに見られるコンセプチュアルな匂い(アートの一つのフォーマットとしてのロック)が皆無なところもメディアハイプと無縁に支持された大きな理由になっているんだろうけど、正攻法で“グッとくる”アルバムを作って“グッとくる”ライブを演るだけで手に入れたサクセスストーリーがある種のファンタジーにすらなってしまう世界では、手に入れたものの代償を支払わされる瞬間が当たり前のような顔でやって来たりもするので、できればこれから先も“汚れっちまった悲しみ”を背負うことなく、すぐに立ち止まれるようなスピードで小走りして行ってくれればと、すれっからしのリスナーは切に思うのでした。

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2005年12月31日

ゆらゆら帝国@LIQUIDROOM


ゆらゆら帝国051231

年末恒例のリキッドルーム。一年の最後をゆらゆらで締めるというのも贅沢というかありがたい話で、今年もいそいそと恵比寿に足を運んできた。
前座のTuckerが文字通り一人で煽って煽って十分すぎるくらい温まったところで、ゆらゆらの幕開け。オープニングは「少年は夢の中」。ここから3曲くらいは足取りを確かめるようにゆったりとした感じ。で、4曲目の「はて人間は?」あたりからバーストする瞬間が徐々に増え始め、中盤では「男は不安定」が白眉だったかな。今晩もファンキーで素敵だった「ロボットでした」に続いての「グレープフルーツちょうだい」では坂本さんのエビぞりジャンプが5発(!)で、今日はいつもより余計に跳んでおりますって感じ。ああ、今年はこの曲で締めるのかと思ってたら、最後は何と新曲の披露。ミディアムで“悲しみを連れて行こう、その次へ連れて行こう”という歌詞がややウェットなSGの音に乗っていく歌メロ全開の素晴らしい曲。唯一心残りがあるとすれば、坂本さんがボソッと呟く「それでは良いお年を」が今年は聞けなかったことかな。ま、最後の新曲がちょっと早めのお年玉だと思って、来る年に思いを馳せることにしましょうか。

どれくらいの方達がこんな片隅のブログを気に留めていて下さるのか分かりませんが、ここにお越しいただいた方達が全て良い年を迎えることができますよう微力ながら念じさせていただきます。ま、大きなお世話かもしれませんが。
posted by orr_dg at 17:15 | Comment(1) | TrackBack(0) | Live | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月19日

SUPER FURRY ANIMALS@LIQUIDROOM


sfa
人生初SFA。今までのライブを見逃してきたことを速攻で後悔した。さすがに新譜からの曲が多かったけれど、随所に配置されたキラー・チューンはやはり素晴らしく、幾度と無く背筋がゾクゾクして半笑いで呆けたよ。終盤の“カリメロ”〜スクリーンに映し出される“ALL、GOVERNMENTS、LIARS、MURDERERS”の文字とブッシュ&ブレア〜“The Man Don't Give A Fuck”の流れの振幅がこのバンドの風通しの良さを生み出してるんだろうなと思った。その才で遠くまで見渡せてしまえるだけに絶望の度合いも深いんだろうけど、そんな場所から聴こえてくるのがあんなにアッパーで美しいメロディなんだから、信用するしかないもんな。誠実さには誠実さで応えよう、そうしていればちょっとはマシな朝もやってくるからね。そういうことでいいですか、グリフ?
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2005年09月29日

ゆらゆら帝国/Buffalo Daughter@LIQUIDROOM


yurayura_bd

表現者としてのクラリティを他を寄せつけないレベルで獲得している両者の競演なので悪かろうはずがなく、とても素晴らしい夜になった。BDは2004年のFRFで見て以来久しぶり。「ああ、ドラマーがアツシ君じゃないんだな」と思ってたら、小川千果さん(オリジナルメンバー)が9年ぶりに復帰したとのこと。新曲はチャーミングなポップチューンだったし、一時の戦闘モードからシフトしていくのかなと考えると、しなやかなスネアがひたすら心地良い小川さんの復帰もうなずけるような気がする。ラストは「303Live」で締めて笑顔でバイバイ。新譜とは言わないまでも、早いとこ新しい音源が聴きたい。
そしてゆらゆらは「からっぽの町」でスタート。この曲聴くと、ジャン=ルイ・トランティニアンなんかが主演してるようなデッドエンドなフランス映画をいつも連想してしまうな。で、次の「ソフトに死んでいる」は少しアレンジが変わってて、12インチアナログシングルのテイクに近くてかっこいい。こっちの方が好きだな。今晩のセットリストはアッパーな曲はないもののバンドの体温が平熱よりやや高めな感じで、文字通りの“熱演”。シュガー女史の「坂本君かわいいよね」発言にキックされたか?終盤に入っての「ロボットでした」は相変わらずグルーヴをブン回す感じがファンキーで、最近のライブでのフェイバリット。そんなこんながじわじわ効いてたところで長らくご無沙汰だった「午前3時のファズギター」(!)。後半のギター炸裂パートでは、久しぶりに坂本さんの“逃げるギターをつかまえる人”のアクションまで炸裂。興奮さめやらぬ中、なだれこんだのは「3×3×3」。大向こうからかけ声でもとばしたくなるようなカッコよさでシビレまくり。最後にはこれまた久々にエビぞりジャンプまで決めてくれて文句なし。来月のNY公演でも、この調子でアメちゃんの度肝を抜いてやって欲しいもんだね。

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2005年09月05日

ゆらゆら帝国@日比谷野外音楽堂


yura0905

珍しく(というか初めて?)「太陽の白い粉」でスタートして2曲目でいきなり「ミーのカー」。これでいきなりずぶずぶ。この後、中盤でたたみかけて終盤は“SweetSpot”の曲をまとめたセットリストはちょっと意外というか新鮮だったかな。で、「今日は『2005年世界旅行』で終わるのか、いつもと逆だな」なんて思ってたら坂本さんがボソッと「あと1曲です。さよなら」と言って「通り過ぎただけの夏」で締めてくれた。文字通り今年の夏もこれで終わりと言うことで、残暑も終わり、蒸し暑いのも終わりでよろしいかな、空の高いところにいる人。そんな中、あらためて思ったのは坂本さんの歌声の素晴らしさ。特に「砂のお城」や「タコ物語」でのつぶやきささやくような声が、スタジオ盤での微妙なニュアンスを失わないままホントによく届く。セッティングの妙もあるんだろうけど、野音のようなオープンエアでも変わらず素敵に響いて聴き惚れる。以前のインタビューで「メロディに乗せた時の発語の響きを重要視して言葉を選んでいる」と言っていたけれど、そうやってものにした言葉は楽器のように鳴らせるということか。と、雨にもたたられず至福の2時間を過ごしたばかりだというのに、月末にはLIQUIDROOMでBUFFALO DAUGHTERと対バンの報せが!これはおいしすぎる…。
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2005年08月09日

GANG OF FOUR @ FRF'05 セットリスト

01.Return The Gift
02.Not Great Men
03.Ether
04.Paralysed
05.What We All Want
06.Anthrax
07.At Home He's A Tourist
08.Damaged Goods
09.He'd Send In The Army
10.I Found That Essence Rare
11.Natural's Not In It
12.To Hell With Poverty

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2005年08月07日

FRF’05@苗場/7.31 Sun Part2

Aqualung(Red)
素晴らしい。昨日の悔恨と今日への希望を、午前3時の群青のピアノにのせて歌う歌。名前以外は初見だったんだけど、完全にやられた。こういう出会いはフェスならでは。

The John Butler Trio(Heaven)
CDのイメージを裏切ることもない代わりに新たな発見もなし。あとね「Love」とか「Peace」をMCで連発されるとちょっと辟易するかな。ナチュラリストとかちょっと苦手なもんで。

Doves(White)
遅れてきた青春を取り戻すべく怒濤のポップを奏でてたころに比べると、オジサン達ちょっとお疲れか。新譜もわりかし地味だったし。自分達で空間を支配して温度を上げていくタイプじゃないから、ライヴに関しては密室性の高い会場の方が向いてるのかもしれん。

Los Lobos(Orange)
今年の大トリに選んだのは結局このバンド。さすがに3日目のこの時間ともなると足もガクガクでかなり疲労がたまってたので、The CoralやSouliveとの掛け持ちはあきらめてここに集中することにした。で結果はと言えば最後の夜にふさわしい熱くて楽しくてカッコよくて渋くて、年に一度のお祭りが終わってしまう切なさを感じさせる隙など一瞬も与えてくれないステージをぶちかましてくれた。直前にWhiteでのステージを終えたばかりのThe Mars Voltaのオマーの飛び入り(エル・パソ出身の彼にとっちゃ偉大すぎる先輩なんだろう、恐縮しながら弾きまくる姿が微笑ましい)や、演らないだろうなと思ってたLa Bambaを最後の最後で演ってくれたりと、いろんなサプライズをお土産に持たせてくれて、終わった後もしばらく顔が緩みっぱなしだったなあ。

これで精も根も尽き果てて、クロージングのPRIMAL SCREAMはスルーしてホテルに直行。今年のフジロックも幕を閉じました。来年は10周年というアニヴァーサリーイヤーなので、どんな花火を上げてくれるのか楽しみにしておきましょうか。苗場に集った皆さん、お疲れ様でした。ではまた1年後に会いましょう。

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2005年08月06日

FRF’05@苗場/7.31 Sun Part1

「DAY DREAMING and SILENT BLEEZING」について

最終日。久しぶりに天気も良さそうなので、連れと一緒に初めてドラゴンドラに乗ってみる。これがまた地味〜な絶叫マシーンだったことに後から気づいて後悔するが、時すでに遅く嫌な汗をかきながら山頂まで揺られることに。
そうやって20分後に着いた山頂には『DAY DREAMING and SILENT BLEEZING』と名付けられたエリアがあったんだけど、ここがある意味衝撃だった。比喩としてではない「あの世」あるいは「彼岸」の風景が目の前にあったんだから。雲ひとつない青空の下でぐるり見渡す限り緑の山々の中、切り開かれた空間に点在する書き割りのような建物。敷き詰められた緑の中にまばらに点在する人々が興じているのは大縄跳びや花いちもんめといった、ことさら達成感を求めない遊びばかり。そこであげられる嬌声もすぐに空間に吸い込まれてこちらの耳にはほとんど届かず、聞こえてくるのはDJによるハウスミュージックだけ。
“現実”が完璧に漂白された眼前の世界は、実は“本当の現実”では昏睡状態にある自分の脳内に投影されている世界だと言われても、全く疑うことなく信じてしまっただろうな。これが「死後の世界」なら悪くないどころか、何とも素晴らしいじゃないかなどと真剣に思わせてしまう匂いが風に乗って運ばれてたんだから、本当に。いつの日か下界のステージには目もくれず、日がなこちらの天上で過ごす贅沢を試してみたいもんだ。そんな愚にも付かないことをぼけ〜っと考えながら、来年も必ずやここへ来てしまうであろうと確信しつつやっとのことで下界へ帰る。
posted by orr_dg at 02:14 | Comment(0) | TrackBack(1) | Live | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする