2021年12月25日

マトリックス レザレクションズ/飛ばない夢をしばらく見ない

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オフィシャルサイト

これは『未来世紀ブラジル』へのアンサーなのかとうっすら思った1999年、偽装された夢=悪夢の中で勝利することで現実を変えていく闘いの、いまだサブカルチャーがポケットの中で握りしめたナイフの手触りを持ち得た時代、それら三つ子の魂を総動員して勝ちに行く姿は迷いなく溌剌として、未来が眩しすぎるからこそ彼らはサングラスをかけずにはいられなかったのだろうと、どこへ通じるのかはわからないながら突破口が開けたような気がしたのは確かだったのだ。だから『リローデッド』から『レボリューションズ』へと地の底に沈んでいくにしたがって、夢の中で手に入れたあの晴れやかな勝利はなんだったのか、結局は現実の戦いで勝利しなければ何も変わりはしないのだという分別臭さに何だか裏切られたような気分になったことも確かだったわけで、どうした理由でこのフランチャイズを再起動させたのかはわからないにしろ、ビルの屋上で彼方を見やるトリニティがマトリックスの空の美しさをつぶやきつつ、けれどもこの夢の終りのその先へ行く私たちはもう後戻りなどするつもりはないことをネオと確かめあうシーンからの手に手を取った跳躍と、2人が手に入れた夢のその先を告げるラストは『マトリックス』が手に入れることのできなかったすべての未来への高らかな呼応にも思えたと同時に、私はこうやってAnother Chanceを語り終えた、もう青い薬も赤い薬もない、跳ばないならそこがあなたの現実なのだから(とアナリストは最後にわざわざ説明してくれる)、とラナ・ウォシャウスキーは自ら夢の呪いを解いてみせたように思ったのだ。これで今度こそシークエルは必要ない。
posted by orr_dg at 02:25 | Comment(0) | Movie/Memo | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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