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昭和という戦争を抱えた時代ゆえ持ち得た生と死のもつれ合う刹那のスピードが撮らせた「やくざ映画」と、それを批評的な憧憬で追尾する「やくざが出てくる映画」の避けがたい断絶それ自体を松坂桃李が曖昧かつ茫洋とした横断で的確に演じ切った前作で、とっくに皆は気が済んだものだとばかり思っていたものだから、彼の演じる日岡を主人公にオリジナル脚本の続篇が撮られることを知った時、それは菊地刑事をメインに据えた『その男、凶暴につき2』なのではないかと、負け戦の香りが一瞬漂ったのは確かだったのだ。前作では色濃かった『県警対組織暴力』の構造はすでに出がらしとなり、ではどこに勝機を見出したのかといえばそれは、市中に放たれた上林成浩(鈴木亮平)という怪物をやくざと警察が血まみれで狩りたてることで超暴力を描写する言い訳を成立させるというモンスター映画としてほとんどやけくそで開き直るその一点にあったはずなのである。はず、と言ったのはワタシにはその目論見がいささか志半ばであったように思えたからで、さすがにそのストレート・アヘッドでやり逃げるには腰が引けてしまったのか、主に日岡の陰影欲しさに彼の周囲へとドラマを巡らす誘惑に屈してしまっていて、その好演は別として近田幸太(村上虹郎)のパートは停滞とプロットホールを誘うだけにしか思えず、幸太との関わりによって上林が過去に捉われるに至ってはアントン・シガーや大友勝利にフラッシュバックが必要か?とその湿度がノイズになったのは確かだったのだ。そうした点で、冷やかな暴力装置として尾谷組の花田優(早乙女太一)が白石映画には稀有な色艶を残したこともあり、できれば上林と薄ら笑いで激突して鶴の首でもへし折るように屠られる様を妄想したりもした。ラストの駐在シークエンスは明らかに『県警対組織暴力』エンドを想起させつつその執行は別の人物に向けられて日岡は原作通り命をつなぎ、もし原作に復帰してのLEVEL3を睨んでいるのなら、そこでは柚月裕子氏をシナリオチームに迎えて薬莢の鈍色に哀しみを映す筆を請うべきだと考える。
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