2019年08月02日

FUJI ROCK FESTIVAL'19@苗場/7.27 Sat

frf_20190727.jpg

午前中は例年のごとくドラゴンドラで天上に向かい、レストハウスでチキンカレーなんぞを食していたところがポツリポツリさあっと驟雨がやってきて、まあそりゃ雨くらい降るよね降らないわけがないよねなどとしたり顔をしてみせたこの時は、どうしてワタシの両手はこんなにふやけているんだろう、プールに浸かっていたわけでもないのに、と首をかしげることになろうなどとは知る由もなかったのである。

CAKE@GREEN
こういう天気はこのギターにはよくないんだよねえと冗談交じりに愚痴るジョンに、そうだねえギターにもワタシらにもみんなに良くないねえと胸の内でつぶやくくらいには雨が悪さをし始めていたのである。まあそりゃ雨くらい降るよね降らないわけがないよねなどとしたり顔をしてみせたこの時は、どうしてワタシの両手はこんなにふやけているんだろう、プールに浸かっていたわけもないのに、と首をかしげることになろうなどとはまだまだ知る由もなく、みんなカッコいいTシャツ着てるな、やっぱりTシャツは着丈が肝心だなあなどと能天気をかましていたのであった。バンドは愉しかったけど雨が降ってなければもっと愉しかったかな。こっちもTシャツで見たかったよ。

MATADOR! SOUL SOUNDS@FIELDS OF HEAVEN
この頃にはもう、加減を知らない幼子にキャッキャと帽子を叩かれているくらいの雨につきまとわれて、人間の子供ならやめさせることができるところがいつ終わるともしれないそれに気持ちは段々と下降線をたどりはじめ、ザ・ニューマスターサウンズmeetsソウライヴなどという極上のジャズファンクサウンドすらを雨を蹴散らすヤケクソのバックトラックにあてがう不埒に申し訳のなさでいっぱいなのだった。ギタリストとドラマーのみならず、クリス・スパイズというキーボーディストの切り裂くようなフレーズがまるで水切りのように跳ねまくっていてヤケクソを煽りまくっていたよ。

知らない大勢に頭や肩をバタバタと叩かれているような雨が、もう豪雨と言ってしまっていいだろう、そんな雨が降っている時は家の中に居ておとなしくしているよう現代の人間は出来上がっているわけで、ではそうしていないワタシに相応の目的があったとは言え、あとどれだけの時間この状態をやり過ごせばワタシは乾いた室内に寝転がって雨でぐずったソックスを脱ぎ捨てることができるのか、そんなことばかりを考えながら帽子のひさしから途切れなくおちる雫を捨てられた子供のニヒルで見つめるのであった。

GEORGE PORTER JR & FRIENDS@FIELDS OF HEAVEN
期せずしてアート・ネヴィルに捧げるステージになってしまったとはいえ、ああセカンドラインというのは本来こういうことかと、哀しみにつけ入るすきを与えないよう小刻みに踏み続ける笑顔のステップが途切れることのないまま永遠に上昇するスパイラルのようなビートに、ほんの一時だけ豪雨も音の粒と化したかのようであった。それにしても雨は降る。激しい雨である。ボブ・ディランやモッズがそんな風に歌うから雨もその気になってしまうのだ。溺れそうである。

AMERICAN FOOTBALL@FIELDS OF HEAVEN
この雨は、お前の気持ちがどれほどのものか試してやろうじゃないかという高いところの人の試練だったのだろう。そしてワタシは耐え抜いて、豪雨の雨音が喝采のように鳴り響く中、"Let’s just forget"と歌い出すマイク・キンセラの声を確かに聴いたに違いなかったのである。気がつけば水遊びをしすぎた子供のように両手はふやけ、手のひらにはちりめんのようなしわが浮かび上がり、思わず両の手のひらを合わせては「しわとしわをあわせて、しあわせ。なぁむぅ」とつぶやいてみたのだった。そしてこの日のワタシがどれほどギリギリのところに居たのかというとトリのDEATH CAB FOR CUTIEをあきらめて敗走したことに明らかで、そしてそのことをさほど悔いてもいないことに自分でも少しだけ驚いている。歳を取るとはこういうことだ。
posted by orr_dg at 20:45 | Comment(0) | Movie/Memo | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: