2018年08月04日

FUJI ROCK FESTIVAL'18苗場7.29 Sun

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台風はとっくに逸れたものの、その置き土産なのか突発的な豪雨と強風にそれなりに心は削られていて、昨晩のFISHBONEのステージで土砂降りの中ヤケクソでがなった「EVERYDAY SUNSHINE」が既に笑えなくなっている。

THE FEVER 333@WHITE
というわけで今日もまた降り出したのである。しかしいつの間にかパンイチになったステージの3人にアジられる内にまたぞろヤケクソにはなるわけで、それなりに疲れもたまった最終日の午前中というなかなかキツめのスロットにあってほとんど初見の客をいかに騒ぎに巻き込むか、何ならあばらの一本くらいはくれてやるというほとんどjackass的な心意気こそがバカ正直な感動を生むのであった。

HINDS@RED MARQUEE
ふと外を見ると土砂降りである。しかしここには屋根がある。ステージはカラフルで朗らかである。午前中ホワイトでがんばったご褒美だろう。そういう風にできている。

ANDERSON .PAAK & THE FREE NATIONALS@GREEN
ファレルからお触れでも回ったのか、見たことないもん見せてやるから好き勝手に騒いどけとでもいうコミュニケーションブレイクダウンの回避が完全に奏功。ケンドリック・ラマーとは対照的に手の内をすべて晒した上でブレイクスルーをショウに翻訳して圧倒してしまう。ドラマーとしてリズムの芯を食った力点で回転する時のスリルはちょっと他に例えようがない。

KALI UCHIS@WHITE
ほとんど特攻服のような気合のシースルーでライヴヴァージョンとしての自分をトータルにデザインする術が実にスマート。見たきゃ見れば?とでもいう誘いかけもトラップのようなもので、鉄壁のバックバンドも含めたアンサンブルにじわじわと取り込まれていく。ホワイトの吹きっさらしにも関わらずここまで密室性の高いサウンドを可能にするコントロールの強靭さに痺れてしまう。

BOB DYLAN & HIS BAND
開演予定時刻の数分前にいきなり始まったのであった。常に現在の自分に忠実であることに努めてきた77歳のミュージシャンによる現在地としてのステージは、彼と一緒に自身を巡る旅をしてきた人にこそ測れるものなのだろう。来日すればほとんどの公演をフォロウする人に聞いた話では、ようやくシナトラのモードから解放されていた上に馴染みの曲も新鮮なアレンジで奏でられていて非常にフレッシュであったそうだ。チャリ坊などと呼んでいたチャーリー・セクストンのいぶし銀の佇まいなど見てみれば、そりゃあワタシもいい加減年を取るわけだと最後の曲だけでも一緒に口ずさんでみたのだった。

GREENSKY BLUEGRASS@FIELD OF HEAVEN
今年のベストステージ。懐古主義でも回帰主義でもなく、混沌を混沌として愛でるのでもなく、世界の水平性を規定するスタイルとして直結された無意識の肉体性。それはバンドスタイルを選択するヒップホップの潮流、ケンドリック・ラマーやアンダーソン・パークがそうであるように、と深層でリンクしているようにも思うのだけれど、それが批評として行われているわけではない健全さが親密なクラリティを彼らにもたらしていて、正気を保つためには音楽が絶対に欠かせないことおよび、やはりフジロックのマニフェストはヘヴンにあることを思い出させてくれるステージだった。これからは、毎年ヘヴンのクロージングは彼らでいいのではなかろうか。

流れていく時間と流れていかない自分とのズレ、と言ってしまうと良くないことのように響いてしまうけれど、その差異を一年に一回確認する場としてのフジロックを再発見したような気がしている。身に覚えのない小さな傷が手や足にいくつかあって、そういった鈍感の進行とも付き合っていかねばならないことも忘れてはならぬ。

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posted by orr_dg at 11:59 | Comment(0) | Movie/Memo | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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