2017年08月04日

FUJI ROCK FESTIVAL'17@苗場/7.30 Sun

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昨日、一日券のリストバンドをつけて代々木公園にでも行くような格好でグリーンで雨に打たれていた若いカップルは、仲違いしないで帰るべきところに帰れただろうか。でもね、疲れた身体に宿る高揚した精神こそがロックなんだよ。まあそれで幸せになれるかどうかはまた別として。

RON SEXSMITH @GREEN
最近では新譜をチェックすることも怠けてしまっているけれど、小さなあきらめとやわらかな希望を真正面を向いて歌う声を聴いていると、90年代の近い時期に一緒に世に出ていったエリオット・スミスやジェフ・バックリーのことなどどうしても思い出してしまう。すべてを生き抜いた妖精は、たぶんステージの彼のような姿で現れるのだろうと思う。

DYGL @ RED MARQUEE
EDENの時にちょっとだけふれた、あらかじめ水平につながった世代ゆえの是々非々のうち、関係性の構築から始めることをあてにしない風通しの良さこそは完全に世代の是であって、全曲英詞なのもそれが自然だからというただそれだけの理由なのだろうし、だからこそあらかじめの文脈や血脈から離れた自然な音楽としてワタシは彼らを愉しめるのだと思う。年齢層の高いフジの客の中でもとりわけ若い衆がつめかけていたのも良かった。自分たちのバンドがあるのは幸せなことだよ。

JET @GREEN
なぜみんな、髪を伸ばし髭を伸ばしウォーレン・エリスのようになりたがるのか。最近とみに視力が落ちているワタシには、ここのフロントとファザー・ジョン・ミスティの区別をつけることはむずかしい。全く関係ないが、ウォーレン・エリスはまだ52歳である。

SLOWDIVE @ RED MARQUEE
2014年には見られなかったのでこれが人生初slowdive。シューゲイザーはなまじムーヴメントとして祭り上げられたせいで無理やり幕引きされてしまったのだけれど、やはりこれは永遠に“ボクたちのウォール・オブ・サウンド”であって、情動に直結する機能性音楽としていまだ完璧に前線の音として鳴っていたし、あんなにキラキラと弾む”Crazy for You”が聴けるなんて本当に思ってもみなかったよ。

TROMBONE SHORTY & ORLEANS AVENUE
今年これまで何が足りてないかといえばそれはファンクだったわけで、餌の匂いを嗅ぎつけた客ががっつくことこの上ない。もちろんDirty Dozen Brass Bandなんかに比べたら腰は軽いけど、それが無責任をうまいこと煽ってくれてようやくここで花火があがった感じ。

THUNDERCAT @ FIELD OF HEAVEN
例えば、冒険家がその偉業を達成する足跡をとらえたドキュメンタリーフィルムにおいて、真に讃えられるべきはそのカメラマンなのではなかろうかというその同じ気分で、途中からドラマーのジャスティン・ブラウンから目が離せなかったのである。すさまじい手数にもかかわらずその一発一発は撃ち抜くように重たくて、それらをバスドラにまとめて乗っけては蹴散らして解放するそのグルーヴの快感をワタシ風情が言葉にするのは到底無理にちがいない。などと呆けながら我に返るとそこではサンダーキャットがくるくる回りながら、光速の音数をシルキーに溶かしたベースラインと天上の歌声で紡いだ羽衣をふわぁっと広げては、突き抜けていくリズムを笑いながらくるんでいくのである。こういう風にうなじがドクドクと脈打ちながら同時にチルアウトしていく多幸感はこれまで味わったことのない感覚で、できれば彼岸の出迎えはこれくらい派手にやってもらいたいものだなあと思いながら、もう動かない足をひきずってはヘラヘラとうごめいていたのである。

お前らごとき愚民風情がたかをくくった生き方なんぞをしたら、なおさら目もあてられない始末だろうがよお、とリチャード・D・ジェームスに鼻で笑われ唾されて目がパッチリと醒めたので、あの苗場大空襲の夜を忘れることなくこの1年を過ごしていこうと思います。ありがとう、エイフェックス・ツイン!


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posted by orr_dg at 23:35 | Comment(0) | Live | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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