2017年01月23日

ザ・コンサルタント/お前はもう監査されている

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オフィシャルサイト

顧客の農場に闖入した殺し屋2人を返り討ちにし、それを呆然と見守る農場主夫婦の前から立ち去りかけて、あ、忘れてたとばかり小さく手を上げて別れの挨拶をするクリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)の可笑しみにひそむ、俺は挨拶をしなけりゃならない時としなくてもいいだろう時の判断がうまくつかないから、だったらいつもすることに決めておけば少なくとも失礼はないだろうと考えている、とする経験則的な知恵に漂うどこかしらの哀しみは、俺は生まれた時から世界ってやつにドアを閉められちゃってて、でもそのドアに寄りかかってないと転んじゃうんだよねという目は笑っていない苦笑いによっている気もして、だとしたらそんな風に歯を食いしばった朴念仁のメランコリーを踏みにじってキックにする話はあまり愉しそうではないなあと思って身構えていたものだから、終盤になってどたばたと底の抜けていく展開も、だってもともと彼には足元の確かな底なんて与えられてないんだから関係ないよね!と何とも晴れやかで涼やかな気分のままいられたのである。そしてそれは、かつて自分を門前払いした世界を逆恨みしないどころかその行動の動機が種々の友情によっていることも手伝っているのだろうし、それはすなわちクリスチャンにとっての善きことに対する切ないまでの忠誠とも言えて、デイナ・カミングス(アナ・ケンドリック)との予期せぬ交歓もほとんど騎士道といってもいいフェアネスの遂行がロマンスを寸止めしてしまうのである。結果としてクリスチャンを中心とするネットワークを構成することになるデイナ、レイモンド・キング(J・K・シモンズ)、メリーベス・メディナ(シンシア・アダイ=ロビンソン)といった人たちがみなそれぞれに痛みを知る人たちであること、そしてクリスチャンがコンマ単位の躊躇も見せず排除するのが痛みを与える人たちであることも、単なる勧善懲悪ではないこの映画ならではの風通しを誘っているのだろう。完全なネタバレになるのである2人の名前については伏せておくけれど、その関わりと顛末はちょっとした奇蹟を見るような気分であって、まさかこれだけ綺麗な気持ちで劇場を後にするとは思わなかったし、クリスチャンが宝物とするアレが、ベン・アフレックが自身の資質を照合して役者としての突破口を見つけたあの作品に繋がっていることも含め、予期せぬ血の通い方に胸のざわつきが止むことのない映画だったのである。だってあそこで弟が笑うんだもんな。
posted by orr_dg at 16:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | Movie/Memo | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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