BASEMENT JAXX@WHITE開演前
新幹線の中で食べる弁当をいつものサーロインステーキ弁当から宮川のうな重弁当に変えてみたけれど、そもそもがかつぐほどの験もないのがしまらない話である。天気予報をいちおうチェックしてみるも、雨が降ったら濡れるし晴れたら汗で濡れるしで、結局はされるがままの薄ら笑いで迎え撃つしかないことにようやく気がついてみれば、そうやって自由の昂揚よりは吹きさらしの阿呆をたぐりよせるロックヨシズカニナガレロと焦がれていたはずなのにいろいろと保険をかけすぎた。アイ・ヘイト・ゴアテクス。うな重がやたらと旨い。
ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA @GREEN
七五三のようなヤマジカズヒデを去年に続いて確認。来年も貢献すればdipで出してもらえるかもしれないからもう少しがんばれヤマジ。パーティバンドの中にあってトータス松本の笑ってない笑顔に絆される。
TALCO @CAFE DE PARIS〜JAMES IHA @ORANGE
CAFE DE PARISまで足を伸ばしたのは初めて。空調もない小さな密閉スペースで人ぎっしりのスカパンクに下北シェルターの酸欠を思い浮かべ、オレンジジュースの氷をガリガリ噛み砕きながら遠巻きに眺める。マノ・ネグラ〜フェルミン・ムグルサの流れを汲むコンバットロック枠にしてはちょっと物わかりが良すぎる音かなと思った。イタリア語の歌詞がえらくとっぽいのかもしれないけども。その帰りの通りすがりに見たジェームズ・イハは圧の弱いドゥルッティ・コラムみたいだった。日陰で聴きたい音だけどあいにくそんなものはどこにもないし、本人だけがいっそう涼やか。
Steve Nieve – Joe Sumner – Tall Ulysse – TOGETHER @ORANGE
スティーヴ・ナイーヴがメインなのは間違いないとしても、ベースがジョー・サムナー、いうまでもなくスティングの息子、であったり、オープニングが いきなり "Peace ,Love,and Understanding" で、そのうち "Pump It Up" を歌ってみたり、ツインドラム(!)の片割れの青年がど真ん中130kmのストレートのような歌声を朗々と披露したり、果てはジョー・サムナーが自分の持ち歌を歌ってみたりという、ばかうけバラエティパックのごとき微妙なお得感にこのユニットの謎は深まるばかりなのだけれど、それもこれもフロントに立つ時のスティーヴ・ナイーヴの華のなさを自身が自覚しているがゆえでありそうなのが、客としては胸を痛めるところなのである。そしてハイトーン気味に張った声や、両膝を曲げてジャンプするアクションが親父そのものでしかないジョー・サムナーがそれをわかってやっている節があるのもこのユニットのコンセプトが自虐の詩であることを明かしてしまっていて、あれこれが妙に忘れがたいのであった。
GARLAND JEFFREYS @FIELD OF HEAVEN
キーボードのサウンドチェックで 「96粒の涙」のイントロを耳にして上がりまくっていると、黒いTシャツに黒いパンツのその人が袖から飛び出してくる。正しいと思っていた人がなお正しくあって、そしてそれがまったく窮屈でなく行われていることに胸がすく喜びを感じる。キミはちゃんとまわりを見て考えてるか、オレは嫌になるくらいそうすることで生き延びてきたからちょっとは手助けしてやれるかもしれないな、としなやかにやさしく鞭打つような歌声でストリートワイズをメロディにのせてステージから客席に下りたその人は、決して多いとは言えない客の間を意気揚々と鼓舞して回る。そうやってワタシとハイタッチしてくれたその人はワタシより低いくらいの背丈ながら、ずっと高いところを見て歌っていた。
ROVO and System7 @ FIELD OF HEAVEN
山本精一とスティーヴ・ヒレッジの熱したクロム線みたいなツインギターをランチャーに勝井祐二のヴァイオリンが宙に飛びだし、ツインドラムの爆風にのって恍惚としたまま舞い続ける一瞬、すべての輪郭が消えて自分が目と耳だけの生き物のように幻覚する。あと1時間あればどこまで行けたのか見届けたかったのに寸止めが恨めしい。
THE YOUNG PHILADELPHIANS @ORANGE
マーク・リボウとジャマラディーン・タクマとカルヴィン・ウェストンの怪物的なトリオに、さすがマーク・リボウが指名しただけのことはあったメアリー・ハルヴォーソンの品格と変質を併せ持ったギターを加えたこのバンドが紡いだのは、ハードエッジなインタープレイをあくまでもアンサンブルとして構築していくアヴァン・フュージョンとでも言うしかないグルーヴ・ミュージックで、"You Are Everything" での混沌から立ち上るメロウは、ああNATSUMENでAxSxEがやりたかったのはこれではなかったのかと、ワタシは勝手に昂奮したあげく何だか切なくなってしまったのである。そんなワタシのぐらつきなどどこ吹く風と、日本で調達したと思しき日本人女性3人のストリングスに珍妙なブロックサインを送ってタイミングを知らせ続けるマーク・リボウは相変わらず素敵に食えないおっさんであった。
BASEMENT JAXX @WHITE
この日はmoe.で締めるつもりが第一部を見終えて休憩する間、ショウアップされたステージへの飢えがむくむくと湧きあがって抑えきれず、まあたまにはいいかとWHITEに下って原色のビートにチャラチャラとのぼせていい気分になり、Miss Emma LeeとBaby Chayをフィーチャーした "Back 2 The Wild" の彼らにしてはミニマルでタイトなセットが思いがけずスマートでバカみたいにはしゃいだ。ここ数年の苗場では記憶にないほどの青空とクソ暑い一日の終わりにふさわしい捨て鉢の乱痴気。この日は人も少なくて飯屋もトイレもほとんど並ばずに済んでストレスフリーだし、運営はさぞかし気をもんだことだろうけどこれは平日参加の特権ということで寝つきがいいはず。
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