2013年01月14日

読んだ本と買った本

4087714802暗くて静かでロックな娘
平山 夢明
集英社 2012-12-14

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439663403Xルック・バック・イン・アンガー
樋口毅宏
祥伝社 2012-11-30

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4004203597戒厳令下チリ潜入記―ある映画監督の冒険 (岩波新書 黄版 359)
G.ガルシア・マルケス 後藤 政子
岩波書店 1986-12-19

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41678121421922 (文春文庫)
スティーヴン キング Stephen King
文藝春秋 2013-01-04

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4892570753烈しく攻むる者はこれを奪う
フラナリー・オコナー 佐伯彰一
文遊社 2012-12-26

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何よりタイトルが素晴らしくてブログ名をこれにしたいくらい。ただ、収められた10篇中の問題作はこの表題作ではなく執筆順で言うと一番新しく2012年8月に書かれた「チョ松と散歩」で、これまでの基本線を朝日を浴びてキラキラ煌めくゲロをついばむカラスたちの幸福とすれば、この掌編は夜が明けて差してくる朝日の美しさを図らずも捉えてしまっている。もちろんその朝日を見ているのはこの世にいない人なのだけれど文学としての達成をわかりやすく狙う動機は『民宿雪国』でひとまず鍵を掛けていて、以降は私小説的な宣言をした上で俺はこうやって落とし前をつけているがお前はどうなんだと、人生に貸ししかないような面でのうのうとした輩にこれがお前の負債だろうがと執拗にストーキングし続けて、いや増す性急さは前へ前へとかきわける物語の本能と言うよりは、47階から地面に向かうダウンワードスパイラルの走馬灯のようだ。そして今作もまた激突している。最終頁の前で“燃える花は美しい。”がゴシックになっているけれど、ここから裕次郎の「地獄花」にリンクするのは可能だろうか。なにしろ歌詞世界ふくめ主題歌としか思えないものだから綱渡りの昂揚感が奇妙な軽やかさを生んでいるけれど、生命の危機があったとはいえかつて国を棄てた男によるこれもまた落とし前をつける物語であって、痛快と言うよりはところどころの感傷が重たい。一つ不満があるとすれば作中で撮られた映画が観られないことまるでジム・トンプソンな表題作の語り口は確かに面白いけど、ある明確なコンセプトの下に編んだ短篇集を分冊にしたらまるで意味がない。翻訳がでるだけありがたいとかそういう問題じゃないし、完全に醍醐味を奪われた気分未読。絶版古書がなかなかタフな市場価格のままだったからこれは本当に喜ばしい復刊。この世で無条件で正しいと思える数少ない一つが彼女の作品なものだから。
posted by orr_dg at 02:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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