2012年11月05日

危険なメソッド/セックスは現場で起きてるんだ!

危険なメソッド
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いろいろと女々しい映画であった。女々しいの“女々”は女という字であるけれども、主に女々しいのはキャッキャウフフプンスカなオッサン2人であって、ザビーナ(キーラ・ナイトレイ)とエマ(サラ・ガドン)という主だった2人の女性は人生の実用者として対照的にまっすぐであったように思う。まあ、まっすぐであればいいという話でもないのは、腺病質から母性までをなかば怪物的変容で演じてみせるにしてはキーラ・ナイトレイにあまりにも汁気が足りなさ過ぎたという致命傷からも明らかだし、ようやくクローネンバーグらしいトリックスターが出てきたと思ったグロス(ヴァンサン・カッセル)にしてもユング(マイケル・ファスベンダー)に物騒な耳打ちだけして消えてしまったりと、『戦慄の絆』の糜爛(こうやって見ると、びらんってえげつない字面だな)したトライアングルを期待していた身としては、年が往ってから女遊びおぼえたヤツはやたら愛とか言い出してめんどくさいなあという、ぽつねんとして笑えない艶笑コメディになるとは思いもしなかったのである。いつしか自分の頭の上の蠅を追うことになる滑稽と哀しみは、ザビーナとグロスが既にユングとフロイト(ヴィゴ・モーテンセン)を突破した先を見せていたことで明らかで、ことにグロスの中にヴォーン(『クラッシュ』)の煽動を見ることが容易なことなど思えば、もっとわかりやすいトラウマ・サスペンスでないと金集まんないよとでも言われたのか『イースタン・プロミス2』のお預けをくらっている苛立ちをぶつけたように勘ぐってしまいたくもなるのである(結局企画は頓挫)。何しろ離婚訴訟の鬱憤だけで映画を撮ってしまった前歴がある監督だからどんな魂胆があっても不思議ではないし、イースタン・プロミス組(ヴィゴ・モーテンセン、ヴァンサン・カッセル)がシフトしてる上に文芸便利屋ジェレミー・トーマスがケツ持ちしている点でもそのあたりのきな臭さを感じないこともない。ちなみに映画のルック自体はまったく問題がないのに最初のスパンキングで炸裂したキーラの顔芸に泡喰って動揺したこともあってか少しもったいない出会い方をしてしまったので、気を鎮めてからもう一度観ようとは思っている。というわけで、“オッパイ出して鳴くなら牛でもできるだろ”というビートたけしの名言を久しぶりに引っぱりだしてみたのであった。

posted by orr_dg at 12:46 | Comment(0) | TrackBack(1) | Movie/Memo | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2012-11-05 13:32
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