
※RADIOHEAD@GREEN開演前
また晴れている。おかげで今年は気圧変調性頭痛に悩まされることもなくてありがたいのだけれど、連日の砂埃で鼻くそが漆黒の闇のようである。
JAPANDROIDS@RED MARQUEE
源氏名にJAPANが付いた時の微妙にハイプな感じをアテにしてみれば、これはまあ爽快と言ってもいいインディ・ガレージな2人組な上に、カウントをいちいち日本語で叫んでみたりといった疑似凱旋公演的な熱も手伝って愉しくはあるけれど、年々苦手になっていくレッド・マーキーの閉塞感も手伝って、昼飯確保およびグリーン移動のため中座。
GALACTIC with Special Guests Corey Glover and Corey Henry@GREEN
ゲストとのコンビネーションでまったくモードを変えてしまうこのバンドは、Boots RileyをMCに迎えた前回2008年のアグレッシヴなファンクから、今回はソウルフルでファンキーなタメを効かせるファンクにチェンジしていて、グリーンのレイドバックした空間を満たすにあたってはこれが正解だけど、そういう風に役割に準じすぎるとのめり込むには至らないのがややこしい。ややこしいのはワタシがね。
井上陽水@GREEN
グリーンで数万の観衆の意志が集中して水を打ったように静まりかえる光景の壮観。おそらくある程度は持って行かれるだろうとは思っていたけれど、ここまでとは正直思わなかった。やはり日本語がまとわりついた時は快感がダイレクトだ。ステージと観衆との交歓で互いの体温が上がる時の言いしれない昂奮なのか、陽水が吹き終わったブルースハープをステージから投げ入れる。苗場で歌いあげる「帰れない二人」はやはりあの人へのレクイエムか。音楽は井上陽水という人が内部で抱える底知れない矛盾のほんの一端でしかないのだろうと思わせるデモニッシュに支配された恍惚の1時間。ラッキー。
FUCKED UP@WHITE
ホワイトに到着した時には既に、とめどなく膨張したボニー・ビリーあるいは杉作J太郎のようなヴォーカリストがパンツ一丁の半ケツ状態でステージから客席前方のモッシュに自ら突入しており、そこでダイバーを受け止めて抱きしめながらシャウトは欠かさず、一方ステージでは鬼の形相でピッキングする女性ベーシストをはじめとするバンドが我関せずとハードコアなノイズを間断なく叩き出し、カッコいいとはまさにこういうことであると、額にでも入れて飾っておきたい光景であったよ。直前のグリーンとのあまりの落差にクラクラするもののこれがフェスというごった煮の醍醐味で、ずっとゲラゲラ笑ってた。
ELVIS COSTELLO AND THE IMPOSTERS@GREEN
ブルース・トーマスを欠いているからアトラクションズを名乗らないだけでアレンジ自体はアトラクションズのバンドサウンドそのもので、さすがに初期の曲ではブルース・トーマスの歌いまくるベースを物欲しげに想ったりもしたけれど、”Clubland”や”Beyond Belief”をこんな風な性急なアレンジで聴けるとは思いもしなかったし、ドスの効いた”I Want You” あたりの選曲も含め、アトラクションズとの1984年の渋公ライブをオールタイムベスト5の一つにランクしてる身としては望外の喜びといえるステージで、実質今年のトリと言ってもいいくらいだったのである。インポスターズとこれをやるためにダイエットしたのかダイエットしたらシャープな気持ちになったのかわからんけど、リキッドくらいのサイズの箱で浴びるように聴きたいなあと思ったよ。
RADIOHEAD@GREEN
2008年に見た時も思ったけどライブステージというよりはインスタレーションと言った方がふさわしい本人の不在感は、こちらとあちらの交歓など既に必須の条件ではないということなんだろう。ただ、2010年のAFPなどではそこに発散とか燃焼の印もあったものだから、あくまでこのバンドについてはもうこういうことなんだろうし、それはそれで筋が通っているようには思う。筋は通っているけれどワタシは立ったまま何度か確かに寝落ちした。
キース・レヴィン&ジャー・ウォーブル、ストーン・ローゼス、スペシャルズ、井上陽水、エルヴィス・コステロといったあたりで特に気分がはしゃいだことを思うと今が2012年とは到底思えないのだけれど、それは彼らが生き延びているロックの幻想がいまだ有効である証にも思えて、ならばもう少しの間はそれをアテにさせてくれないかというのが、かつての反動の余力で生きながらえている人間のわりと真剣なお願いなのである。というわけでRight Time Right Placeをどうかよろしくまた来年。
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