2012年07月05日

読んだ本買った本

4003279026遊戯の終わり (岩波文庫)
コルタサル 木村 榮一
岩波書店 2012-06-16

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4163815007恋愛は小説か
片岡 義男
文藝春秋 2012-06-22

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4488578039ゴースト・ハント (創元推理文庫)
H・R・ウェイクフィールド 鈴木 克昌ほか
東京創元社 2012-06-28

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4764823527映画批評真剣勝負《作品鑑賞篇》 ぼくが映画に夢中になった日々 (SCREEN新書)
荻 昌弘
近代映画社 2012-02-27

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4560071764オレンジだけが果物じゃない (白水Uブックス176)
ジャネット ウィンターソン 岸本 佐知子
白水社 2011-09-08

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4041000297どうして僕はこんなところに (角川文庫)
ブルース・チャトウィン 池 央耿
角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-06-22

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コルタサル、片岡さん、ウェイクフィールドは未読。
映画との距離を見定めた後、それをどのように歩きあるいは走ることで映画を我が物としたか、個人的な情動から普遍を紡ぐ手続きにうっとりとする。ワタシが知らないだけで今でもこんな風に映画に向かっている書き手はいるんだろうか「わたしが言いたいのは、決して裏切らないでほしいという、たったそれだけのことだ。なのに、知り合ってすぐにうっかりそんなことを言えば、おかしな顔をされる。裏切りという言葉を、人はめったに使おうとしない。不思議なことだ− 不義には重い軽いがある、でも裏切りは一度でもすればおしまいなのだ。わたしがいう裏切りとは、こちらの側にいると約束しておきながら、別の誰かの側にまわることだ。」こんな風にか細くも強靱な鋼線をめぐらす視線を持ったがゆえの光と闇が、諦念と言うにはタフすぎる観察的に醒めた意思表示で淡々と綴られるばかりか、何よりこの物語が半自伝的小説であるという突き抜け方が容赦ない。積ん読にしないでもっと早く読めばよかった智慧と知識で重武装しながら青春の彷徨のように軽やかで清冽な精神の風体に魅了されつつ、文末に記された執筆年が1989年に近ければ近いほど喪失の切なさを誘ってやまない。濃厚に凝縮された48年間だったのだろうと言うのは容易いけれど、これら切り取られた物語の背後には尽きぬ泉のような移動の記憶をうかがわせて、チャトウィン本人にすれば話が違うよと文句を言いたくなるくらい時間は足りないまま取り上げられてしまったのだろう。それだけに一編一編がチャトウィンのみに許された世界の肯定を果たしていて、それに身を委ねることを許されたワタシ達読者は幸せだと思う。
posted by orr_dg at 00:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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