2011年11月23日

ラブ・アゲイン/愛のアはアスホールのア

ラブ・アゲイン
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久しぶりでおきゃんなジュリアン・ムーアを楽しみに出かけてみたところが、ある意味『コンテイジョン』を凌駕するオールスターキャストそれぞれのやむにやまれぬ純情がこらえきれずに片っ端から炸裂していく時の爆風が嬉々として人生の澱を吹き飛ばしていく緩急自在の通過儀礼型コメディで、何しろスティーブ・カレル(逆襲のボンクラ)、ライアン・ゴズリング(改悛のボンクラ)、ジュリアン・ムーア(怒って泣く女)、ケヴィン・ベーコン(善良なる寝取り屋)、ジョン・キャロル・リンチ(暴走パパ)、マリサ・トメイ(元アル中シングル教師)、エマ・ストーン(ネタバレ自粛)な上に、アナリー・ティンプトン(おぼこな女子高生)とジョナ・ボボ(13歳の初恋爆弾)といった端々(と言ってもジョナ・ボボこそが爆風なのだけれど)まで含め、出番の多寡によらずすべてに生き生きとしたキャラクターが与えられていてコメディでここまで見事なアンサンブルが決まるのも珍しいなあと思わせる、拾いモノとか掘り出しモノとか言ったら申し訳ない類の傑作であったよ。前半はナンパ師ライアン・ゴズリングとダサ夫スティーブ・カレルの『ベスト・キッド』式ビフォーアフター物語で笑いを取って何となく映画の行く末を見切らせておきながら、終盤に向かう辺りでのやや反則気味とも言える爆弾投下で一瞬にして煙幕をはりつつそれがハッピーエンドの糧になるという脚本が巧妙だし、何より日なたと日陰が急変するコンビネーションのセンスで可笑しみをつかまえているから誰かがことさら自虐と被虐の犠牲になることもないまま全員が役得と思える多幸感(クリーンなケヴィン・ベーコンは現状レアだし)に包まれているのがとてもいい気分で(ほとんど台詞らしい台詞もない妹ちゃんがテレビの前で踊るシーンですら忘れがたい)、本来ワタシは自虐と被虐の過剰でドライブする笑いが好みなのだけれど、それを封印しながらの大騒ぎにはそろそろ今年の10本をどうしようかなというこの時期にして少し気持ちがザワついてしまったのである。でもそんな映画が現時点で全国10館公開(東京1館)であるという不幸に苛まれているものだから、観られる人はおのれの幸せをかみしめつつ是非劇場へ向かうべきかと。それにしても ”You Miyagied me” みたいに動詞になってるなんて(いつのまにか体得してた!の意)ここまで『カラテ・キッド』が心のアイコンになってるとは思わなかったよ。
posted by orr_dg at 20:24 | Comment(0) | TrackBack(1) | Movie/Memo | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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