2011年08月08日

最近読んだ本買った本

4042823084夜明けのパトロール (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ 中山 宥
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-07-23

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4488070671ロコス亭 (奇人たちの情景) (創元ライブラリ)
フェリぺ・アルファウ 青木 純子
東京創元社 2011-06-29

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4488013368犯罪
フェルディナント・フォン・シーラッハ 酒寄 進一
東京創元社 2011-06-11

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4488474055函館水上警察 (創元推理文庫)
高城 高
東京創元社 2011-06-29

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4041690439荒俣宏の裏・世界遺産(3) 衛生博覧会を求めて (角川文庫)
荒俣 宏
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-07-23

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シリアスにも浮力を与えてキャッチするスタイルのはずが中盤以降の暗黒展開は「犬の力」で獲得した拳の硬さを頼りにした感じで、それがニール・ケアリー以来となる新シリーズの懐の深さを示しているようにも思えるけど、既に本書でイニシエーションを済ませてしまったわけで次作はどうやってドライブさせるんだろうか。まあフランキー・マシーンの前日譚的展開でもいいんだけどね。そういえば東江一紀氏の訳じゃなかったけど特に気になることもなし冒頭で群像描写したキャラクターたちが入れかわり立ち替わり装いを変えながら以降の作品のあちこちに姿を現し、パラレルなのかスパイラルなのか奇妙な相互作用を持った構造の連作短篇集だけれども、そうした面白さはともかくとして各々の短編の持つフェティッシュな奇想がかなり香しいものだから、ジェラルド・カーシュやシオドア・スタージョンといったあたりの読者は尻尾ふって食いつくべき。中でも「チネラートの人生」という中篇はそうしたくびきを離れたところでも幻想譚として惚れ惚れする事実は小説よりも奇なりという常套句に“弁護士の著者が現実の事件に材を得て”という惹句を塗したことでフィクションのラインが非常に曖昧になっていて、その危うさが非常に研ぎ澄まされた緊張を呼んでいる。実際、ほとんど都市伝説である「正当防衛」や救いのない「チェロ」のグロテスクもそうしたラインに支えられることで鈍色の光を奥深いところから明滅させて余韻が忘れがたい主人公にかかわらず爽快と苦みを併せ持たせたプライドのかざし方が非常に心地良いし、時代と函館とキャラクターの活写を第一義にミステリーのサイズを控え目にした采配も好み。シリーズ第二弾は文庫化待たずに読みたくなったこれは「アンダーワールドUSA」を持って出るのが面倒な時にカバンに突っ込む用なので未読だけど、図版も多くてかなりお買い得。エルロイを早くやっつけないと、バラード「殺す」もマシスン「闇の王国」もフランゼン「コレクションズ」もクライスト「チリの地震」も読めないわけだけど、エルロイはこっちのギアが入るのにいつも時間がかかるんだよねえ。
posted by orr_dg at 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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