2010年10月31日

BUSTING : ORIGINAL SOUNDTRACK / Billy Goldenberg


破壊!

言わずと知れた映画「破壊!」のサウンドトラック。CDリリースされているのを最近になって気づいて、限定1000枚のプレスということでちょっとあわてて入手したらレーベルではまだ購入できるみたいで、じゃあ世界中でこのCDを手に入れたのが1000人もいないってこと?とちょっと驚いたりもした。サントラ好きはともかくこの映画へのロイヤリティで飛びつくもんだと思うけどな。このBilly Goldenbergというコンポーザーはスピルバーグの「激突」や「コロンボ」「コジャック」などのTVシリーズを手がけていて、基本的にTV畑の人なだけに劇伴としての機能優先で突出したケレンはないけども、その分RAWでアブストラクトなジャズやラウンジ、そして70年代ストリートアクションには欠かせないチェイス系のブラスロックが厚からず薄からず配合されていてけっこうな名盤。でまあ、当然盛り上がってDVDなど引っぱりだして再見してみれば相変わらず身を乗り出してしまうわけである。グールドとブレイクがアパートに突入した後で路上に転がりだして、あのマーケットでの銃撃戦になだれこむ直前、通りを疾走する2人をカメラが横移動で捉えていくシーンがあるのだけれど、ここでのブレイクの走りっぷりがどうにも素晴らしくて、足の上げ方から回転数からこれくらい懸命に走るシーンは他にちょっとないだろうというくらいで、でもグールドのストライドにあっさり追い抜かれてしまうのが何とも味わい深いのだけども。そして例のマーケットのシーンはと言えば、モブ・シーンでありながら極力カットを割らずにカメラが狭い通路を中腰の目線で走り回って持続させるテンションと、これは映画全体がそうなんだけども、特に夜のシーンでの蛍光灯などの灯りの滲ませ方が明らかに「ロング・グッドバイ」のヴィルモス・ジグモンドを参考にというかパクっていて、ただそれが奏功して夜の片隅で繰り広げられる幻想的な時間を生み出したことでこの名シーンの下支えになってると思う。ひとつ、TV放映吹替版(伊武雅刀と尾藤イサオ!)で見た時にあれっと思ったのが終盤のリゾーの病室でのシーンがまるまる字幕になっていることで、当然TV放映時の時間調整でカットされた部分には吹替がついてなくて字幕になるわけだけども、ここはリゾーの犯罪を暴く重要なシーンでカットしたら話がつながらなくなるからそんなわけはないだろうし、どういう理由で吹替がついてないんだろうなあというのが気になった次第。最初に深夜のTV放映で見た時もあのシーンはあったと思ったんだけどな。グールドは「ロング・グッドバイ」の次作でブレイクは「グライド・イン・ブルー」の次作という、それぞれの匂いをまとったままの2人が屈託しつつ自爆するセンチメントはどこか戦場のホモソーシャルの香りすらして(グールドがブレイクを抱きかかえて泣くんである!)、どこにも辿り着かないエンディングのやるせなさといいワタシの好物であちこち溢れかえった映画なのでことあるごとに薦めまくってるんだけども、どうもDVDは入手しづらくなってるようなので気になった方はプレミア価格を納得するか、あるいは地を這うように探していただければと思う。

B00028X9X0破壊! [DVD]
日活 2004-07-09

by G-Tools

posted by orr_dg at 01:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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