2010年07月27日

ゾンビランド/ヴィゴと息子が夢見た涯てに


ゾンビランド
オフィシャルサイト

勝手にゾンビvsナポレオン・ダイナマイトみたいなもんだろうと思いこんでたら、ミス・ゾンビ・サンシャインみたいな話な上に、行きたいところに連れてってくれるサービスと気配りが行き届いたすごく気分のいい映画になってて、ビル・マーレイのシークエンスみたいな脇道にしても、こういう映画はこういうグダグダも必要だよねと、とりとめのない時間をわざわざ突っ込んでくる気の利かせ方がなかなかスマートで、ジャンル・ムーヴィーのある種のほつれ方を愉しみにする客にしたらいささか鼻白むのではなかろうかと心配してしまうくらいのウェルメイドなシチュエーション・コメディ。で、その特殊設定を担ってるのが言うまでもなくゾンビなわけだけど、高速で走り出して以降、ゾンビはワタシ達の鏡像でなくなって単なる自然災害となってしまっていて、ここでの彼や彼女らもどう見たところで野犬の群れにしか見えないからバンジョーの開放弦をジャ〜ンとかき鳴らす気安さで大量殺戮が可能なわけで、シリアルキラーと並んでアメリカン・ポップ・カルチャーの原風景といえるゾンビといえども、長年の消費の果てのこうした記号化の極北によって「ゾンビーノ」あたりにはまだあったポップアイコンとしての転がし方もここには見つからないし、となると果たしてこれをゾンビ映画と呼んでいいのかという話にもなって、そのあたりの微妙な心情はパンフレットに寄せた伊東美和氏の文章で深読みするのもまた一興かと。めんどうくさい言い方をすればゾンビへの愛を見つけられないのは確かだけども、最新型のゾンビ映画を撮ろうとして撮り切っているのも確かだし、ワタシは幸か不幸か自分で守る砦を持たない人間だから、そういう強くて新しい意志が反映された面白い映画が観られればそれで幸せなのでこのソフトコアも無責任に愉しんだよ。ジェシー・アイゼンバーグは巻き毛に猫背でパーカーな自虐する童貞を演じるに不可欠なクレヴァーがどうしても滲み出ちゃうのが善し悪しで、そうした意味ではウディ・ハレルソンの気配の消し方はさすがだし、こういう冗談とも本気ともつかない役をやらせるとこの人は本当に上手。それと「ゴーストバスターズ3」がポシャったとしたらビル・マーレイのバスターズはこれが見納めとなるはずなので、それもあった上で必見だし「インセプション」の熱冷ましにもなるしで、要するにお薦め。

posted by orr_dg at 23:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | Movie/Memo | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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