2009年12月24日

最近読んだ本から

4102273158第四の手〈上〉 (新潮文庫)
John Irving
新潮社 2009-11-28

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4102273166第四の手〈下〉 (新潮文庫)
John Irving
新潮社 2009-11-28

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4102169334グラーグ57〈上〉 (新潮文庫)
Tom Rob Smith
新潮社 2009-08-28

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4102169342グラーグ57〈下〉 (新潮文庫)
Tom Rob Smith
新潮社 2009-08-28

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4163286209バッド・モンキーズ
Matt Ruff
文藝春秋 2009-10

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4488102026ソフィー (創元推理文庫)
Guy Burt
東京創元社 2009-11-20

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フニャモラな主人公をスタートラインに立たせるためのウォーミングアップを冒頭のたった3ページで済ませてしまう筆致の見事さはアクロバットに近い。そしてスタートするのは、やはりアーヴィング!としか言いようのないオフビートな滋養に溢れる教養小説で、今作は仕掛けが地味な分だけ次第に話が締まっていく時の手触りが直に伝わってくるのがとても愛しく思える。ワタシの場合パトリックにはヒュー・グラントが完全にフィット活劇では『犬の力』に譲るとしても、灰鈍色のみ僅かに許した色使いによる地獄巡りの徹底したネガティブでこちらの方が確実に深部まで沈殿する。レオ・デミドフのシリーズは三部作で完結するとのことで、閉じ方によってはハービー・クルーガー三部作なども思い起こす名シリーズになる気がしてる奇しくも似通った構造(※ちょいネタバレ→対立軸としての姉弟、回想による対話劇、ラストでの裏返し方)を持つことになったこの2冊は相当に面白かった。ミステリを薦める手前あ〜だこ〜だ書けないのがもどかしいけども、キリキリと周到に餌を撒いていく英国人ガイ・バートとドシャメシャにドアをぶち抜きながら引きずり回す米国人マット・ラフといった感じで筆致は対照的ながらも両者ともに采配の妙が冴えまくって読んでいて実に愉しい。黒原訳、横山訳共に最上のリーダビリティで文句ないし、バッド・モンキーズはカヴァー・アートが寺田克也なのでそれも含めて入れ込み気味。そしてようやく読み始めた『ブラッド・メリディアン』が噂にたがわず超強力でマッカーシー史上最強の惹句は嘘偽りなし。既に思索するかのように暴力が歩き出していて息をするのも忘れそうだよ。

posted by orr_dg at 14:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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