2009年03月17日

ジーザス・サン/デニス・ジョンソン

4560090017ジーザス・サン (エクス・リブリス)
Denis Johnson 柴田 元幸
白水社 2009-03

by G-Tools

腹の内を自分で見透かして投げつけたようなえげつなくも正直な夢を見て目が覚めた時の新しい回路が繋がった感覚。そして一瞬で消え去ったそれはたった今までそこにあったのに、はて、何かあったよなという脱皮した昂奮の締まらない抜け殻と、ビートを持たないはずの人生がアップビートする瞬間のむだな閃めきとその代償。そうした負債のおかげでようやく道筋が見えてくる。といったところで退路以外歩いたことはないはずなのだ、多分。乗せてくれと頼んだ覚えもないヒッチハイクの死亡事故から始まったそれら道行きは、触るもの全てをクソに変え、知った顔のオーヴァードーズを一里塚に辿ったあげく、人生を殺した者同士の何か薄ぼんやりとした共犯意識を老人ホームで掘り出しておそらく無邪気に笑っているのだろう。それが到底笑顔には見えないとしても。といったほんのこれっぽっちも読者などあてにしていない話が11篇の中にごろごろして最高である。
posted by orr_dg at 23:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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