2009年02月21日

愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える/マンシェット

4334751741愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える (光文社古典新訳文庫)
Jean‐Patrick Manchette 中条 省平
光文社 2009-01-08

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本当に面白い本は人に薦めるのがむずかしくて何言っても言葉が追いつかないというか、例えば、これはさ、出てくる人間が片っ端からイカれてて、でもそれは頭がおかしいとかそういうことじゃなくてさ、生き方とかルールとかそういう個人史みたいなもんが、要するにそいつをそいつたらしめてるもんとそれが吐き出す行動とかアイディアがもう圧倒的にこっちの斜め上を行っちゃってんだよ、そう言う意味でイカれてんの、全員。だから、そいつらが立てた計画なんて端から見れば出たとこ勝負にしかみえないからさ、結局は困ったら人を殺してあたりを破壊して道を空けちゃうんだよ、そうやってソシオパスのヒロインと胃潰瘍持ちの殺し屋が逃げたり追いかけたりしてくの。で、会話なんて命令と悪態と愚痴と言い訳ばっかりで心理的なアレコレなんてちゃんちゃらおかしいって感じで、ただひたすら行動あるのみっていうハードボイルドな活劇っぷりがさ、だけどもさっき言ったみたくその行動自体がバーストしてるから収拾なんかつかないはずなのに、これは訳文のキレも素晴らしいんだけど、きりきり引き絞った文章のリズムとショットの切り替えがやたらタイトでクリアだから映画観てるみたいにイメージがポンポン立ち上がって頭の中に流れ込んでくるんだけど、その時にあちこち叩かれたり蹴とばされたりこづきまわされる快感が愉しくてさ、そういう意味じゃスティーヴン・キングがロックンロール・モードに入った時のすっ飛ばし方に近いかな。ていうわけで絶対読んだ方がいいと思うんだけど、どう?面白いと思った?
posted by orr_dg at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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