2008年07月16日

ハローサマー、グッドバイ/マイクル・コーニイ

4309463088ハローサマー、グッドバイ (河出文庫 コ 4-1)
山岸真
河出書房新社 2008-07-04

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全ては最後の一文にたどり着くための手続きだったということで、それを気取られないよう裏地に貼りつけた青春(正しくは思春期だけど)を隠れ蓑にSFが自転を始め、屈託が後押しする青春の迷走と世界の終わりが次第にシンクロしていく時の胸騒ぎのような憂鬱が切なくてか細くてとても良い。良いと言って終われるのはあれがハッピーエンドだからということもともかく、主人公と大人達との単なる対立項にとどまらない関わりが醸すのはある種のビルドゥングスロマンとも言える成長の香りだからで、セックスと死を手がかりとして自らが傷つくことと引き換えに世界の成り立ちを解明していく主人公の「失敗」こそが世界を不安定に揺さぶっていくのであって、そうした普遍を取り込んだ後でもなおかつ優れたSFであることが傑作の断定になっているということ。続編では、チューバッカのような彼らとの共生の謎、そしておそらくは神話のカップルとして語られるのであろうドローヴとブラウンアイズ(リボンも想い出してほしいけど)などなど、これら世界の構成が明かされているらしいので是非とも翻訳刊行して欲しいところ。というかこれで終わりじゃ殺生すぎますが。
posted by orr_dg at 16:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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