2008年04月23日

地球に落ちて来た男/ウォルター・テヴィス

4594042538地球に落ちて来た男
ウォルター・テヴィス 古沢 嘉通
扶桑社 2003-11-29

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邦訳が出ているのも最近まで知らなかったし、何よりもこんな風な透明な哀しみに満ちた話だとは思わなかった。そんなわけで久しぶりに映画を再生してみたら記憶とは違ってやけに騒々しい印象で、ローグがボウイを手にして舞い上がったまま撮り終えちゃったからなのか、ボウイ以外の扱いが結構適当というか雑と言うか、メリー・ルー(原作ではベティ=ジョー)にしてもブライスにしてもボウイ様の聖性の対比物としてひたすら下世話に描かれるのが、原作を読んだ今となっては何とも薄っぺらい脚色だなとしか思えなくて結構がっくり来た。遠くを見やるニュートンの眼差しの先にある哀しみを共有すべく共犯者の息づかいで寄り添っていくベティ=ジョーとブライスの陰影は原作が圧倒的に勝っているし、というかローグはそこを描く気がないんだけども、アウトサイダーの寄る辺なき孤独を異星人に託して書き切ったウォルター・テヴィスのアイディアや筆致はかなりの高みにあって、映画はせいぜいがその上澄みらしき透明度を乱反射させた程度の気がする。というわけで、明日は『ハスラー』を買って帰ることにしようかな。

ハスラー (扶桑社ミステリー テ 10-1)ハスラー (扶桑社ミステリー テ 10-1)
ウォルター・テヴィス 真崎 義博

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posted by orr_dg at 22:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | Book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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