2007年10月16日

Anders Petersen:Cafe Lehmitz @RATHOLE GALLERY


Anders Petersen
@RATHOLE GALLERY 2007 9/28〜11/2

トム・ウェイツのアルバム「RAIN DOGS」でカヴァーとして使われた写真を撮った人だと教えられて、ああそうなのかと思う程度、要するにこのアンデルス・ペーターセンという写真家について何も知らなかったのだけれど、これは本当に素晴らしい個展だった。1967年、二十歳そこそこのスウェーデンの若者がハンブルグの場末でカメラを抱えて彷徨した夜ごとを安酒場“Cafe Lehmitz”を舞台に焼き付けたモノクロームの覚え書き。何より印象的なのはこの酒場の外では一体どう生きているのか想像も難い真夜中の人々に向けたぼんやりと透明で均質な視線で、自分を投影するばかりのエゴや堕ちた高さあるいは流された距離を無邪気に愛でる下劣をこの写真家がどうやってかわしたのかは今のところまだ分からないのだけれど、おそらく自分は世界から孤立しなければならないという確信とそれを果たさねばという焦燥のない交ぜがこのフラットを削りだして、深夜の気高さを纏った人々をしてまるで鏡でも見るかのようにカメラを覗き込ませていたような気がする。その後でこのバランスがどのように変容していったのか辿っていく興味はとてもあるけれど、今のところはこの昂奮で疼いていればそれで充分といったところ。タニーさん、ありがとうございました。


Rain Dogs
posted by orr_dg at 21:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | Art | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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